4-6-2
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「勝ちが私だけって、甘く見るなよお前の相手も武道大会の優勝者だぞ、俺は不戦敗だがそう簡単に前でも勝てるものかな」
「甘く見ているのは平ちゃんよ。相手は水の属性で貴方と同じだから、出してくる技は検討が尽くし、私がまだ見せていない技でも出せば一発よ」
「えっ、まだ俺の知らない技を持っているのか、お前はいくつ技を持っているんだよ?」
「バンパイア族の数百年の伝統は昨日や今日で全部見られないわよ」
「そうなのか、これでどうやら全敗は避けられそうだな」
「やっぱり、平ちゃんも勝算はなかったのね」
「当たり前だろう、映像を観てとっくに適わないと思ったよ。後はケガだけはしないければ良いと思っているよ。だってこれが最後の試合じゃないからな」
「そう、その通りよ。これからも試合はあるのよ、だから無理はしないでね」
「お前にしちゃ、えらく奥ゆかしいな、いつもなら死んでも勝てと尻を叩くのにな」
「当たり前よ、ここでもし2人に死なれたらもう賭けができなくなるし、私の楽しみが減るわ、それに今後の国の収入も減るのよ」
「やっぱり、そっちか。それにしても国の収入まで考えているとは・・」
「嘘よ、ケガでもされるとおばさんにも、南ちゃんにも楓ちゃんにも申し訳ないでしょ。それに新婚で夫に先に逝かれたら私はどうしたらいいのよ、新しい夫を探すのは大変なのよ」
「おいおい試合前に俺が死ぬ前提の話は止めてくれないか、試合に気が乗らなくなる」
「それにしても次の夫を探すとは姫様ですね、お国の事が一番なんですね」
「ただ夜が寂しいからよ、だって平ちゃんぐらいなものよ、黙って新技の練習台になってくれるのわ」
「俺は単なる練習台かよ、お前に技を決められた時は死ぬほど痛いんだぞ」
「まぁ、そう言うな、お前はそれほど能力が高いって事だ。不吉な話しは別にして、姫様のおっしゃられる通りですね。無理をしないで危なくなったら棄権しましょう、また来年頑張れば良いでしょう」
「そうだな、交流会は今年は初参加で、来年もあるし、全敗は避けられそうなので無理はしない事だな」
「あら、平ちゃんは来年も交流会に出てくれるのかしら、でも来年はきっと敵同士よ」
「そうなのか、そうなら来年の交流会は俺は今から棄権します」
「嘘嘘、冗談よ。一度その国の代表選手になったら、他の国の代表選手にはなれないわ」
「そうなら、俺とアラタはずっとバンパイア国の選手なのか」
「そうなるわね。そうだとアラタさんには悪い事をしたわ」
「気になさらないで下さい。元々共和国の代表になろうとは思いませんから」
「じゃ、バンパイア国の娘と結婚して本当のバンパイア国民になればいいじゃないか、会場にはヒカリの可愛い従姉妹が沢山いるぞ、それに皆お前のファンだしな、ついでに戻る時に結婚式もあげないか?」
「おいおい、それとこれとは話しは別だ、それに飛び過ぎだ、会ってもいない娘と1日や2日で結婚できるか」
「ただし例外もあるので他の国の代表に絶対になれない訳でもないけど、結婚すればその心配はなくなるわね」
「またまた姫様まで、何をおしゃいます」
「それほどバンパイア国はアラタの様な優れた人材を必要にしているんだとさ」