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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-6-1

4-6-1 1月14日 日曜日 朝 

遂に交流会の朝が来た。昨夜は緊張よりも練習を抑えて疲れを残さず早く寝たので今朝は気分よく起きられたが交流会の後には、それよりも大きな問題であるこの国の将来の問題が待っていた。

「しかしヒカリの昨日の話しは考えものだな。いくら姫様の婿になるとは言えこの国が抱える難題を出来の悪い高校生にどうにかしろとは、あぁ考えただけでも恐ろしい。学校の宿題の方がまだ楽だな。それに体を動かす方が得意な俺に頼む問題じゃないよな。それにしても問題がいきなり大き過ぎるな、交流会が小さく感じられるぞ」とベッドから起きて着替えだしたが

「くっそ、大好きなヒカリが悩んでいるのを見るのも辛いし、仕方がない俺が背負ってやるかな、でも半分だな、全部は無理だ」と食堂に集合するとヒカリが寝不足なのだろうかぼんやりしながらブツブツと隣に座ってきた。


「なんだその顔は? 昨日はよく眠れなかったのか、まだ悩んでいるのか?」

「なかなか上手い賭け方が思いつかないのよ」

「何だそっちの事か、心配してやった俺がバカだった」

「心配してやったって・・、私に今日の賭けの他に悩み事なんて全然ないわよ」

「俺の取り越し苦労だったのか・・、じゃ頼むから全財産を賭けるのは止めてくれよな、俺は来年から大学生になるんだから」

「全財産は賭けないわよ、安心して、今回は私のお金を少し賭けるだけよ」

「あらあら、昨日とは急に話が変わったな、それはどうしてだ?」

「それが賭け方が難しいのよ、色々考えても勝敗が分らないのよ」

「勝負師のお前を悩ませるとは、さすが伝説の勇者様々だな」

「もう、バカな事は言わないでよ」


「お2人は朝から何の話をしているんです?」

「勿論今日の試合の話ですよ、それでアラタさんの勝算はどれくらいかしら?」

「勝算ですか、もし相手が昴さんなら良くて50パーセントだと思います。ただし秒殺は絶対に避けますが上手くいっても引き分けですかね。でも相手が伝説の勇者だと勝算はゼロに近いと思います。さすがに映像だけでは対応は出来ても勝つのは無理ですね、それに・・」とそれ以上は話したくないのか少し口ごもったので

「それに・・ってなんだ? 他にも何かあるのか?」

「少し怖いんだ、なぜか恐怖心を覚えるんだ」

「恐怖心・・、俺のワクワク感とは違いそうだな」

「平ちゃんほど能天気じゃないのよ。それに本当にアラタさんは正直ね。昴さんだと50パーセント、伝説の勇者だと無理か・・、私が勝って平ちゃんが負けるから1勝1敗、勝負の決め手はアラタさん次第だったのにね、チームでの勝ち越しは無理そうだわね、本当に残念だわ」

「おいおい、ちょっと待て、どうして俺の負けが確定しているんだよ、俺にも真面目に勝算を訊けよ」

「あら、平ちゃんは勝気だったの? だって相手は昴さんか伝説の勇者よ、前回は油断していた昴さんにまぐれで勝ったけど、今回は良くて引分け、伝説の勇者だとまともな勝負なら絶対に無理。だから確実なのは私の勝ちだけか、1勝2敗じゃ、相手に賭けようかしら」



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