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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-5-4

4-5-4

お昼休憩も終了し、また3人で夕方まで練習をしたが、ヒカリはいつものように技は切れていた。アラタも特注の剣で聖剣の技が上手く決まっていたが、俺は何度試みてもバンパイアの剣では上手く技を出せないでいたので少し悩んでいた。

「まだまだのようね。さすがに平ちゃんでもその剣を使いこなすには少し時間が足りなかったかな?」

「そうだな、少し足りないな。それに正体がばれてもいいから使い慣れたハイドロソードの方が楽そうだ」

「そうかもしれないけど、それだと出す技が限られてくるわよ、相手は全員武道大会優勝経験者よ、それでもいいの?」

「中途半端な技を出すよりいいだろう、まぁ一晩寝てどちらの剣にするかよく考えてみるよ」

「それがいいわ、じゃ余り練習をして疲れが残ると拙いし、そろそろ練習は終わりましょうか?」

「それじゃ、明日は早いので練習はこれで終了だな、さぁ戻って飯だ飯だ」


練習を終えて、3人で夕食を済ませるとアラタは自分の部屋でいつもの読書、俺達2人は気を落ち着かせる為に街を少し散歩する事にした。

さすがに夕方になると人通りが多くなっていた。特に土曜日の夕方だし家族連れやカップルが目立った。ヒカリはブラインドショピングが好きなのでファション街を歩いていると1軒1軒足を止めて流行の服が陳列されているブラインドを眺めている。これが普通の若い女性の行いだろうが、俺の回りにはそんな女性がいないので俺は少しイライラし始めていた。


「あら平ちゃん、もう飽きてしまったの、これでも今日は早い方なのに」

「早い方って、いつもはまだゆっくり見ているのかよ」

「今は女子高校生方の姿でしょ、だから試着ができないし、試着を始めると半日はかかるわよ。明日試合が終わったら、大人姿でもう一度来ようかと思って、いまは単なる下見よ」

「また来るのかよ。でもどうせ買わないんだろう」

「どうして私が買わないのよ」

「だって、春には仕事を辞めるんだろう、無職になると給料が入ってこなくなる。だから無駄遣いはしない・・」

「そうね無職になるのね。でも、明日の試合で勝てばいいのよ」

「試合に勝てばいいって、賞金が出るのは分っているけど・・」

「ほら、武道大会と同じよ。選手としての出場料もくれるし、それに賞金がとてもいいのよ」


「明日の試合もそんなに賞金が出るのか?」

「出るわよ、出るわよ。個人が試合に勝つと金貨が5枚でしょ、それにチームで勝つと更に10枚よ」

「それは凄いな、武道大会より凄いぞ。事務局は太っ腹だな」

「国際試合だから当然よ、試合に賭ける人も桁違いに多いし高い放送料の収入も事務局にはあるのよ」

「やっぱり、賭けの対象なんだな。本当に賭け事が好きなんだな。分ったぞ、それで事務局は交流会は中止にはできないんだな」

「そうよ、この国、いやこの世界の人は賭け事が好きなのよ。それで観客も多いし賭けていない相手国には対応が厳しい訳よ。でもその賭金もこの国の大事な収入なの、だから交流会は中止にはできない」

「それで、お前の作戦の理由がよく分ったよ。賭けた観客が死に物狂いで応戦するのか」

「お金が絡むと人は何をするか分らないからね」

「それはお前も一緒だろう」


「まぁ酷い事を言うわね。でも、私と平ちゃんが試合に勝っても残念ながら個人の賞金は無しよ」

「えっ! どうしてだい。それが君の楽しみなんだろう?」

「だって、私と貴方は誇り高い王族よ、賞金なんて貰って喜んでいたら国民に失礼だわ。個人の賞金は全て慈善団体や福祉団体に寄付します。それでいいわね」

「じゃ、試合に勝っても無報酬だし意味無いじゃん、俺はそれでもいいけどそれ、君の好きな服は買えなくなるぞ」

「個人ではそうだけど、チームで勝ったら賞金は勿論貰うわよ。当然スタッフにも分けないといけないから、断れないわ」

「でも、それだと賞金の分け前が少ないだろう・・、もしかするとまた賭けているんでしょ?」

「あら、よく分かったわね。でも今回は勝敗が難しいので困っているのよ」


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