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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-5-2

4-5-2

「おいおい、ハイドロソードとジュラルミントを使っているなんて、勇者1年生の俺と同じじゃないか。それで他の勇者に技を使わずに全試合に勝つなんて、想像以上に一つ一つの振りが凄いって事かな?」

「いや、逆にそれなら助かる。俺とお前も昴さんとは戦った事があるので、相手の技の心配や奇策などの余計な事を考えずに戦えるので、相手の一振り一振りに集中すればいい事になる」とアラタは言うが俺は本当に技が出ないのかが心配だった。


それにスタッフの情報によると向こうのチームはまだ宿泊先や会場にも着いていないようだった。共和国からバンパイア国の首都まではかなりの距離らしいので、車ではなく飛行機で来るだろうと教えてもらったが、それでも結構疲れるらしい。

向こうは本当なら今日の午後に着いて休憩を挟んで、それから明日の朝から夕方までは丸々練習ができると思っていたに違いないが、試合が朝だとなると練習時間もかなり削られる筈だ、これもヒカリの作戦の賜物だ。


映像を観終えてスタッフから数々の助言を貰い、明日の装備品などの確認をすると、朝の練習をする事になったが、本来なら明日試合が行われる会場で下見を兼ねて行うのだが、こちらの正体がばれないように急遽場所を変更してもらっていた。

車で用意された練習場に移動しながら街並みを見ていたが、さすがに首都だけの事はある。都心と余り変わらないような気がしたが、だが人が少なく感じられた。スタッフに聞くと、やはり寒さに弱いのか冬の朝早くから出歩く人は少ないそうだ。しかし、明日の試合はこの冬最大のイベントなので観客は凄く多い筈だと話してくれたが、やはり試合が急遽朝早くに変更になったので、天気次第では少し心配ではあるようだった。


すると、俺の隣でスタッフの話を一緒に聞いていたヒカリが

「平ちゃん。こちらとしては逆に観客は少ない方がいいかもね」

「どうしてだ? 応戦が少しだと寂しいだろう」

「そりゃ、応戦が多いのは嬉しいけど、その方が試合に集中できるから」

「俺は応援されると頑張れるぞ」

「それは、自分が応援されるとでしょ、観客の全員が私達を応援するとは限らないわ、国際試合では向こう側の応援も凄いのよ。特に2人は今度の試合は酷く野次られるわよ」

「そうですね。今まで応戦していた勇者が相手国の代表になっているのですから、彼等からしたら2人は裏切り者でしょう、そうとう野次られますね」


「野次ぐらいなら俺はまだ我慢できるぞ」

「野次で済めばいいが罵倒や特に物を投げられたりしたら困るな。そんな試合には俺や平助はまったく慣れていませんね」

「そうでしょう、そうなると試合に集中できなくなるわ。でも安心して、向こう側の応援はかなり少ないと思うから」

「どうして、それが分るんだ。明日の話だぞ」

「そのためにも時間を早めたのよ。共和国からこの国までの移動は時間はかかるの。果たして向こうの応援がどれだけ試合に間に合うかしら。間に合わなければ応援席の全員が私達の応援よ」

「凄いですね、姫様はそこまでも考えられていたのか?」

「当然よ、勝つ為には策を練らないとね」さすがにヒカリは以前交流戦に出場しただけの事はあった。全ての経験を生かして策を練っている。その上に剣術は俺より強いし美人だし国民に支持され人気がある筈だ。

 


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