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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-5-1

4-5-1 1月13日土曜日 

昨日早めに練習を打ち上げ部屋に戻るといつものように赤いバッグに召喚の準備をして眠りにつき、朝起きると無事にバンパイア国の首都にある宿に召喚されていた。しかし、春の宮殿の部屋とは違い部屋も普通だったし、窓から外を見ても路地裏の宿の周辺は普通の街並みだったので特に異世界に来た感じはなかったが、同じ国内なのに先週行ったたばかりの春の宮殿がある南部と比べるとかなり寒かった。


「おっ、さすがに首都は寒いな、南部とは大違いだ。寒さに弱い王族や貴族が揃って避寒する筈だな。それで皆無事に召喚されたかなぁ」と約束通りに食堂に集合するとアラタは首都に来るのは久しぶりだったのか少しテンションが上がっていた。

「いや、久しぶりの異世界だな、遂に又来たって感じだな。それにしても首都は意外と寒いな、薄着で来るんじゃなかった、前来たのは共和国だったからな」

「じゃバンパイア国は初めてか?」

「そうだ、だから感動しているんだ」

「感動か・・、俺はそんなことより、お腹が減った早く飯だ、朝飯はまだか?」

「お前には感動というものが無いのか、異世界に召喚されたんだぞ」

「だって異世界は一週間ぶりぐらいだしな、いつもの事だ」

「そういえばそうだな、お前は召喚が多すぎるんだよ」

「確かに多すぎる、俺の召還は出張の多いサラリーマン並だからな」


そんな会話をしているとヒカリも部屋から下りてきた。彼女も無事に着いていたみたいだ。すると彼女から食後に色々説明があると言われたので朝食を早めに済ませてロービーに移動すると、珍しくあのじいさんと数人がロービーで待っていたがいつも一緒にいる筈のあの護衛は見かけなかった。


「もしかしてあいつも病気なのか、それにしてもあんな大男が倒れるとは凄い病気が流行っていたものだな」

「首都がいつもより寒く乾燥が酷かったのよ、それで数日であっという間に流行してしまったの」

「それで南部にいた俺達は知らなかったのか」

「そうよ。だから外から戻った時は2人とも手洗いとうがいは忘れずにして下さいね。2人が病気にかかると戦う前から負けだから」

「それじゃ観客は大丈夫なのか?」

「もう病気は収束しているので、それは大丈夫。それに意外と普通の人は軽かったみたいなの」


3人がロビーに待っている集団に近づくと集団の全員がヒカリに深々と頭を下げた。すると、彼女から俺達2人に意外な発表があった。

「この方々は私達をサポートしてくれるスタッフの皆さんよ。それに2人とも既にじいは良く知っていると思うけど、今回はこのチームの監督ですのでよろしく」と紹介されると、アラタは納得していたようだが

「監督だって、あのじいさんは何者なんだ」とヒカリに尋ねたが

「平ちゃん、静に」と彼女から注意をされた。

確かに親善試合とはいえ、国の代表選手なので当然スタッフはいるだろうとは思っていたが、まさかあのじいさんが監督だとは思ってもいなかった。


「平助様とアラタ様にはご無理なお願いをお聞いて頂き、感謝のしようがありません。これもバンパイア国の名誉の為にと思ってよろしくお願いします」と、お礼を述べると各スタッフが紹介され、早速情報収集係のスタッフから準備されていた古い武道大会や交流会の映像を観せてもらう事になった。


説明によると監督もスタッフの誰もが伝説の勇者が交流会に出場するとは思っておらず、昨日からバタバタと情報収集をしていたらしいが、どうにか映像は残っていたので観せてもうと、映像が悪かったが観る限りには本部長は凄い技は出さずに一つ一つの剣の振りが切れていた。それなのに試合時間は短かかった。やはりこの人が昴さんの師匠だ。戦い方が昴さんに似ていたので2人は頷いた。


「戦い方が昴さんとそっくりだ。もしかして、この人も魔導の力を小出しにするタイプなのかな、それに使っている聖剣は何だろう、技が出ないと分り辛いな」と俺が尋ねるとスタッフが

「映像に残っている試合を調べましたが聖剣はハイドロソード、盾はジュラルミントを試合で使用しているようです。ただ、ご覧頂いたように盾を持っていない試合もかなりありましたし技と呼ばれるものは出しておりませんでしたので、全試合そうだとは申せませんが・・」と説明してくれた。



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