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「勿論私が考えたのよ。でも私は本部長や昴さんとは対戦しないので、この作戦はきっと貴方達2人に役立つわよ」
「俺達2人に役立って、どうして今のお前に俺達の対戦相手が分るんだ。対戦相手は当日の抽選なんだろう」
「だって同じ職場の人とはやり難いのよ、それが上司と部下の関係だとなお更、もし本部長が私の対戦相手になっても、主催者に異議を申し出ればきっと認められるわ」
「確かにそうだな。それにしても開催時間まで変更するとは・・」
「何度も言うように主催者は国王即ちお父様、そしてこの交流会を本当に動かしているのは私だからそんな事は簡単よ」
「なるほど、本当の主催者はヒカリって言う事か。それに確かに部下は上司には本気は出せないよな。でも同僚の昴さんが対戦相手だと、もしかすると君には実力が出せずに負けてくれるかもしれないのに、よく考えると1勝損したな」
「平ちゃん、そんな事は言わないの、それにきっと昴さんも手を抜かないわよ」
「そうだな、全国試合だし、国の代表だからな」
「では、その2人は俺と平助か、早く昴さんにリベンジしたいので上手く私に当らないかな」
「じゃ、俺がその殿堂入りした勇者か、もの凄く強そうだな。でも、話しだけじゃ全然検討が突かない、是非とも一度伝説の勇者の試合を見たかったな」
「確か古い武道大会や交流会の映像があると思うから、明日朝一番にそれを観るといいわ。お2人には少しぐらいは役に立つかもしれない」
「それは助かるな、初めて対戦するので全然見当が付かなかったんだ」
「そうそう、アラタさん、特注の剣が届いていたと思うけど、使いではいかがでしたか?」
「はい、既に届いて使ってはおりますが、正体を隠さないで戦えるのでそれを使おうかどうしようかと迷っております」
「そうですか、やはり使い慣れた聖剣の方がいいのですね」
「でも、この前の試合では本物の聖剣にヒビが入ったんだろう、それに今回俺達はおもちゃの聖剣しか持っていないし、いくら南のお守りがあるからといっても、おもちゃの聖剣が昴さんの攻撃に耐え切れるかな。また秒殺は嫌だろう」
「そうなんだ、だから特注の剣で聖剣の技を出そうかとしたが、なかなか上手く行かないんだ、それで迷っていたんだ」
「何! 聖剣を手にしなくても聖剣の技を出せるのか、本当にそんな事ができるのか?」
「あぁ、できるとも。小さい聖剣を身に付けておけば、あとはその人の魔導の力次第だ。手に持つ剣は何でも構わない。何だそんな事も知らなかったのか」
「聖剣はいつも身に付けているが、そんな事とは知らなかった。それなら、俺もできるかな・・」
「もしかしてお前なら、聖剣を身に付けてバンパイア族の剣を持って技を出すと、魔導の力とバンパイア族の力の2つ技が使えるかもな」
「平ちゃん、もしその2つの力が使えるなら、凄い事になるわよ。誰もできなった技がね」
「それはどういう意味だ?」
「もしかすると2つの力が合わさった技ができると言う事よ」
「姫様、2つの力が合わさった新技ですか? 私には想像できませんけど、凄そうですね」
「それはもしかしてフュージョンですかね?」
「楓、フュージョンとはどんな意味だ?」
「ほら、ドラゴン○○ですよ、そう言えばアラタさんは一緒には観ていなかったんだ」
「2つの力が合わさった新技ができるのか、そっか、それは楽しみだ。じゃ試合中も聖剣を身に付けておこう。いい事を教えてくれてありがとう。それに後1日半時間があって助かった、これで指輪の世界で死ぬまで新技の練習できるぞ」
「平ちゃん、練習はいいけど、死ぬまでしちゃだめよ」
「はい、分りました。体力は残しておきます」
それから4人は夕方まで普段通りに練習を続けた。