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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-3-1

4-3-1 1月4日 

昨夜の指輪の世界での練習で疲れていたので今朝はぐっすり寝られた。

俺はお腹が減っていたので食卓に降りていくと、ヒカリはなぜかまだ疲れているようだった。

彼女は俺に早めに朝食を済ませるように進めると、まだ練習時間には早いというのにアラタに大事なお願いがあるからと一息付く間もなく自転車で俺を剣道場へと急がせた。

「こんなに急がせて・・、それでアラタにお願いって何だよ? それにどうし昨日しなかったんだよ」

「悪いけど、あれから色々あったのよ」

「あれからって、昨夜は練習して疲れて直ぐ寝ただろう」

「グッスリ寝たのは平ちゃんだけで、私はまた戻ったのよ」

「戻ったって! もしかして異世界に一人で戻ったのか?」

「そうよ、だからまだ時差ボケで頭が痛いのよ。だから横からグズグズ話しかけないで、自転車なので危ないでしょ」

「それは失礼しました」


「そんなに気にしなくていいわよ。朝から怒ってごめんね」

「でも大丈夫なのかよ、そんなに頻繁に往復して」

「大丈夫じゃないけど、これは国家の一大事だから仕方がないし、それにそのお願いは平ちゃんにも関係があるの、だから一緒に来て欲しいのよ」

「何だ、俺にも関係があるのか、それなら昨夜にでも話せばいいだろう」

「だから色々あったのよ。もう煩いわね。詳しい事情は道場で説明するから、早く行くわよ」と自転車を早くこぎだしたので

「待ってくれよ、そんなに早く行くなよ」と呼び止めたが彼女は無視して急いでいた。


アラタと楓は正月にもかかわらず朝早くから剣道場で柔軟体操をしていたが、自転車を飛ばしてハァハァと息を切らしている2人に驚いた。

「どうしたんだ、こんな朝早くから何か急用でもあるのか?」

隣でヒカリが息を切らしていたので俺が代わりに

「ヒカリから用事があるんだと、悪いが話を聞いてくれ」と2人に頼むと道場の隅に集まった。

「ごめんない、朝早くから。大事なお願いがあるからお時間頂けるかしら・・」

「その大事なお願いってなんだ?」と一緒に来た俺が尋ねると

「何だお前も知らないのか、姫様と昨日ずっと一緒じゃなったのか?」とアラタが驚いた。


「一緒だったけど俺もまだ知らないんだ。だって昨夜は指輪の世界で練習して疲れたので早く寝てしまったからな」と説明すると

「指輪の世界って、お前、今日もどこか調子が悪いのか?」と心配していたので

「調子が悪いのはヒカリの方だ、昨夜異世界に往復してきたみたいだ、それに朝からこれだろう」

「2日連続で往復とは、初めて聞いた。それじゃ調子が悪い筈だ」

「だから朝から小言を言われてな、この歳で嫁に叱られるとは、情けない」

「平助はまだ子供ですから姫様は奥さんと言うより母親みたいなものですよ」と楓が言うと、アラタもその通りと納得していた。


「はいはい、静かにして下さい。これから大事なお話があります」と正常に戻ったヒカリが制止すると

「平ちゃんとアラタさんにお願いがあります。そのお願いは、2人に交流会に出場して欲しいの」と言うと、俺はその頼みに今更何をという顔をして

「交流会に出場して欲しいだと、その話は昨日もしたように、もうだいぶ前に断ったよ」

「昨日出場をお2人が断ったって言っていたあの交流会ですよね」と横にいた楓も不思議そうな顔をして聞いていた。


さすがにアラタは落ち着いて聞き直した。

「もう断ってからかなり経ちますし、あれから事務局は何も言って来ませんので、もう既に出場選手は決まったのではないでしょうか。それを今更姫様が我々に頼まれるのですか? もしかして異世界で大きな事故とか事件とか起きたのですか?」

「異世界に居たけどそんな事故等の話は聞いてないぞ」

「事件や事故は無いけど、色々あるのよ」

「じゃ、どうしてお前が俺達に頼むんだ、もしかして事務局に金でも積まれて頼まれたのか?」



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