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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-2-10

4-2-10

「光の剣よ闇を切裂け、そして鉄槌を落とせ、出よライトニングサンダー」と叫ぶと、稲光が真っ青な空に走り稲妻が地表に落ちてその衝撃で地面が揺れたが

「あっ、失敗だな。落とす対象物がないと威力が分らない。そうだ今度は君の頭の上に落とすから、そうだな少し向の方に行ってくれないかい? そこで少し待っていてくれ」

「ちょっと待ってって何よ、冗談じゃないわよ、あんな大きな稲妻が頭に直撃したら木っ端微塵で即死よ」

「そうなの、君なら木刀で稲妻を真っ二つにするかと思ったんだけど」

「冗談を言わないでよ、木刀で稲妻は切れないわよ」

「それもそうか、アッハハ」

「その聖剣であんな技が出せるのか、他に技は出せないの?」

「まだ技はある筈だけど、今はこれだけ思い出せたんだよ」


「じゃ、じっくり思い出して、全ての技を出してみて」

「それはいいけど、その必要はまだないと思うけどな」

「いいから、思い出すのよ」

「分ったよ、でも全部思い出せるかな」

「思い出したら、私の技も見せてあげるから」

「君も技を出してくれるの? 宮殿の武道場で見た技とは違うものなの?」

「勿論よ、武道場を壊すと拙いので大きい技は出してないし、それに体力がいるので一人の時は出せないのよ」

「一人の時は出せないって、変わった技だな」


「見ていると分るわよ。今日は特別よ。バンバイア族の奥義を出すわよ、確り見ていてね」とヒカリも本気で技を出す為に長めの呪文を唱え始めた。そして、力を込めて木刀を振ると地震かと思うような大きな揺れと共に地面が割れた。その技に凄さに俺は驚いた。

「マグニチュード6はあるな、こりゃビルも倒れるぞ。武道場で出せない訳だ」と納得し「魔導の力を使わないでこんな技が出せるなんてバンパイア族の力は凄いな」と彼女に声をかけたが彼女は無口だった。

「・・」

「大丈夫? 凄い力が要るんだろう、帰りは俺が負ぶるよ」

「そうして下さい」と弱々しい声で答えたが、少し経つと復活した。


「見た見た、さっきの技を見たでしょう。凄いでしょ?」

「確かに凄いけど、どこで使うの、試合じゃ使えないよ」

「勿論戦争の時によ、この技だと百人は倒せるのよ」

「おっ、怖い。俺にはできない」

「はぁ? 何言っているのよ、貴方もそのバンパイア国の王族でしょ。敵が攻めてきたら戦わないと、それに指輪も持っているでしょ」

「それじゃ、俺にもこんな技が出せるって言う事なの?」

「当りまえでしょ、後は練習次第よ、だから毎日練習よ、さぁ次もやるわよ」


最初は軽くと言ったものの、やはりこの2人が技を競いだすと思ったとおり立合いになってしまった。そして、あっと言う間に1時間ほどが立つと2人は息を切らしてばてていた。

「どうだった。少しは真実の剣の事を思い出したかしら?」

「少しは思い出したかな。それに周りを気にせずに思う存分動かせたよ、本当にありがとう」

「そう、それはよかった。ここには時間はまだあるので、少しずつ思い出せばいいのよ、それに私の技も少しずつできるようになるわよ」

「それじゃ、またここに来られるのかな?」

「来られるけど、来過ぎると時間の感覚がおかしくなるので、ほどほどにね」

「時間の感覚がおかしくなるって、どういう事だい?」

「それは部屋に戻ると分るわよ。それと私と一緒じゃないとここに来ては駄目よ」

「どうしてだい? 一人でも練習したいんだよ」

「だって、私と喧嘩でもして平ちゃんにここに逃げられたら私でも探せないもの」

「そっか、いざとなれば、ここに逃げ込めばいいんだな」

「バカ、その時は指輪ごと壊すからね」と恐ろしい事を言われた。


来た時と同じように俺はヒカリを確りと抱きしめて彼女が呪文を唱えると無事に部屋に戻ったが、確か指輪の世界には1時間ほどいた筈なのに時計を見るとそんなに時間は経っていなかった。

「時間が経っていない。あれだけ立合いをしたのに、でも疲れているのは確かだ」

「そう、体は疲れているけど時間が経っていないのよ。感覚的には数分でどっと疲れるから頭と体にズレが生じるの。だから日を空けてから寝る前ぐらいに一時間ぐらいやるのがいいかもね」

「そうなのか、じゃそうするよ」と理解した。今夜が初めてだったし、酷く汗を掻いたので、それぞれ風呂に入ると2人とも疲れていたので別々の部屋の戻って寝てしまった。これで、心配事がまた一つ片付いた。今年の俺は恐ろしくつきまくっていると感じていた


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