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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-2-3

4-2-3

宿の食堂で俺はのんびりと朝ごはんを食べていると、彼女は昨晩立てたばかりのスケジュールを横から俺に手渡して

「残っている用事はこれよ。上手く計画を立てたから、じっりく見て」

「どれどれ・・、ここに一週間も居るのかよ。それに何だこのスケジュールは、

新兵の入隊訓練並だぞ、俺はどこで一息をつけばいいんだよ」

「仕方ないでしょ一週間しか居られないのよ、だから無駄なく動くのよ。

朝食後はこれから急いで宮殿に戻って魔導師から特別講義が待っているのよ」

「講義って、今は正月休みだろう。勉強もお休みじゃないのか、それに魔導師も正月休みだろう」


「バカなことは言わないの。宮使いに休みなんてないわよ」

「そうなのか、それは知らなかった」

「魔導の力を上手く使えるように専門家から講義を受けるのよ、だって平ちゃん今まで自己流でやっているでしょ。実力も付いたし指輪も貰ったし魔導の力は相当強くなっているから自己流は危ない危ない。もしかするとその力が暴走すると身を滅ぼすわよ」

「本当に身を滅ぼすのか、でも俺なら上手くできると思うけどな」

「駄目よ、平ちゃんにもしもの事があったら新妻の私が悲しむでしょ、それとも私を悲しませたいの、だからちゃんと講義は受けなさい」

「でも、正月休みが欲しいな・・」

「グズグズ言うならここで私が今すぐあんたの身を滅ぼしましょうか」

「はいはい、講義を受けますよ、受ければいいんでしょ」


朝ごはんを済ませて春の宮殿に着くと俺専用の部屋が用意されていた。確かに宿の部屋より広くて豪華だが今までの服装では宮殿内では駄目だというので宮殿服に着替えさせられたが、これがまた思った以上に動きにくかった。しかしそんな苦情は全く聞き入れてもらえず、直ぐに別室に移されると魔導師の特別講義が始まった。

今日は簡単な魔導についての講義とその心構えだったが、明日からは外に出て各論に入る予定だ。すなわち理論から実践に移るらしい。


俺は2、3日で特別講義は終わりかと思っていたが、次の日からは御殿医からの特別講義がスケジュールが入っていた。これは魔導の力を使った体力回復やケガの治療方法などの講義らしいので俺は楽しみだった。

ヒカリは俺と一緒には講義は受けないみたいだ。きっとその間にでも別室で寝ているのだろう、そうでもしてもらわないと俺が彼女が心配で講義に集中出来なかった。


スケジュールでは毎日お昼は宮殿で2人で食べる事になっていた。講義で遅くなるとヒカリは清清しい顔で既に食堂で待っていた。

「よく寝れましたか?」

「あら、何の事です。午前中は公務ですよ公務」と白々しくごまかしたが今の真実の剣を身に付けた俺には嘘がバレバレだった。

「それにしてもメイドさん達にずらっと囲まれていると気が休まらないよ。

明日からはお弁当にしてもらって外で食べよう。その方が気が楽だ」

「そうね、もう外は暖かいのでそうしましょか」

「それで夕食もこんな風に食堂で食べるの?」

「夕食は食堂で大勢で食べるけど、嫌いなの?」

「宮殿で食事とか作法なんかが面倒だし、王族や貴族に囲まれて食事だと萎縮するな、どうにかならない?」

「毎日の食事が辛くなると拙いわね。それは考えておきますので安心して」


お腹を満たすと午後からは武道場で彼女や衛兵達との剣術の練習があり、その後に広い庭で聖剣の技の練習をしたが、まだ上手く出せなかった。

厳しい練習の後に汗を洗い流す為にお風呂に入り自分の部屋で夕食を済ませると、夜は文字の勉強と書斎での本探しなど、一日があっと言う間に過ぎて行き、そんな日々が一週間続いたが気が付くと送喚の日が来ていた




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