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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-2-1

4-2-1  

深夜まで2人の将来について話し合い俺が疲れて寝てしまうと、俺を起こさないようにそっと春の宮殿に戻った。そして、深夜にもかかわらず父親である国王と秘密裏に会っていた。

「それで、あの馬の骨は宿で眠っているのか?」

「はいグッスリと、それを見届けてから戻って参いりました」

「そうか、それならこの話をあやつに聞かれる心配はないな」

「はい、お父様。絶対にありません。もし彼に聞かれたら、それこそ大変です」

「それであの馬の骨はどこまで思い出したのだ?」

「もう嫌でよ、私の大切な婿様を何度も馬の骨呼ばわりとは酷いですわ。

それにお父様も納得されて2人の結婚をお許しになされたのでしょう」

「お前の言う通りに結婚を許したが、元よりわしの本心からではない。あやつが古の勇者で我等の最期の望だから仕方なくだ。それでも2人の結婚を許したのが正しかったのか否か今でも迷っているところだ」

「もう迷う時間などありません。あの方しかいないのですから、それに・・」


「しかし、ああも貧弱だとは思いもしなかった。病気のこのわしよりも弱そうだ。仮に伝説の勇者であってもそんな男が果して秘術を習得してあの技が出きるのか」

「できるか否かは体格には関係ありません。精神力と魔導の力によるものです。

それにバンパイア族とは人種が違いますから、向こうの世界ではあれでも普通の体格なのです」

「そうかもしれんが・・、映像とはまるで違うな。まったく覇気が感じられない。本当にあの男が武道大会で活躍した勇者なのか? 

あやつを目の前にしてもわしには信じられないぞ」

「勇者はバンパイアの兵士とは違いますのでいつも覇気や闘気を出しているわけではありません」

「そういうものなのか、それに・・」

「もう、お止め下さい。娘を嫁に出したくないのは分りますが、これ以上私の婿様を貶すのは辞めて下さい。国王であってもこれ以上は許しませんよ」


「分った、分った、そう怒るでない。これもお前の望なら仕方があるまい。

それでどこまで進んだのだ?」

「それですが、やっと昨晩聖剣の名前を思い出しました」

「やっと思い出したのか、それにしても時間がかかったな」

「仕方ありませんわ、数百年間その名前を口にしなかったのですから、

それに人格が数世代も流れておりますし、直ぐに思い出すのは無理です」

「それにしてもよくお前はここまで我慢したな、既に5ヶ月だぞ」

「本当に何度も私の口から名前が出そうになりました。そこをぐっと堪えました」

「よくそれを辛抱したな。わしなら直ぐに名前を教えてさっさと次に進むがな」

「それも考えましたが、もしそれをしてしまうと後が困ります。そして彼が全てを疑い始めます。もし私達の出会いから疑われますともう修復ができません」


「その通りだな。それでどうなったのだ、名前を呼び上手く発動したのか?」

「どうにか発動しましたが、まだまだ使いこなすには時間がかかると思われます」

「そうだろう、いくら古の勇者の生まれ代わりだとしても本人ではなく、別の人格だからな。それで次からはどうするつもりなのだ?」


「はい、お父様から指輪を頂き、これで魔導の力も上がりましたのでこれからは本格的に真実の剣を発動させたいと思います。その為に彼を鍛えます」

「やっと本格的に始まるのか。果たしてあやつにあの剣を上手く使いこなせるのだろうか?」

「既にご報告が上がっていると思いますが、彼も相当腕を上げておりますし・・」

「確かに武道場での2人の戦いぶりは聞き及んでいるが、他にその根拠はあるのか?」

「はい、婿様は私にメロメロですので飴と鞭で・・、いや、きっと古の勇者の彼ならできます」

「相当な自信だな、さすがにお前の目にかなっただけの男だ」

「やっと見つけ出した婿様ですから、できてもらわないと困ります」

「困るかぁ・・」

「はい、困ります」

「お前は他人事のように話すがお前達の命がかかっているのだぞ」

「はい、それは分っております」



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