表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
150/634

4-1-1

区切りの150部です。長くお読み下さいましてありがとうございました。

第4章から本格的に話が進む予定です。

4-1-1 1月3日 バンパイア国

ベッドの横で何かゴソゴソする音で目が覚めた。そこには先に召喚されていたヒカリが来て何かしていた。

「おはよう、やっと起きたわね。気分はどう?」

「特に変わりは無いけど・・、でぇ、ここはどこだい?」

「以前話した春の宮殿近くの宿だけど」

「そっか春の宮殿かぁ。それで君は朝早くからゴソゴソ何をしているだい?」

「服とか靴の用意をしているの、国王に会うにはそれなりに準備が大変なのよ」

「確かにそうだな、朝早くからありがとう」

「あら、ありがとう何て、今日はえらく神妙じゃないの?」

「そうかな、いつもと変わらないけど」

「それならいいけど、普段通りにしていてね。そうじゃないと後で疲れるわよ」


「それにしても今日は素敵な衣装だな、今にも舞踏会でも始まりそうだ」

「もしかしたら今晩は祝宴の舞踏会があるかもよ。練習の成果を皆に見せてあげないと」

「舞踏会か・・それは勘弁してくれよ。知っているよな、俺がダンスが得意じゃないって事は・・」

「それは分っているけど、でも平ちゃんはうちの半獣達と比べるとダンスは上手な方よ」

「おいおい、あんな野暮な兵士達と俺を比べるなよ」

「それもそうね。だって平ちゃんはもう直ぐ貴族かもしかすると王族になるんですもの」

「はぁ? そんな者にはならないよ。俺は今まで通り異世界の馬の骨で結構です」

「それは駄目よ。馬の骨はお姫様とは結婚はできないのよ」


「貴族とか仕来りや作法が面倒くさそうだな」

「そうだけど、それは我慢しないと」

「はいはい、君と結婚できるなら仕方が無いな、分ったよ。それよりはお腹が減っているので朝ごはんをお願いします」

「もう、こんな素敵ドレスを着たレディーが横にいるのに、目が覚めるなりごはんだなんて・・」

「また、面倒くさいな。朝飯の前にダンスかよ」

「昨晩のおさらいよ。さぁ早く起きて」

確かに彼女の言う通りだった。こんなに綺麗なドレス姿の彼女を見たのは結婚写真を撮った時以来だった。ベッドから起されて顔も洗わずに軽くダンスの練習をさせられると余計にお腹が減ったが、俺が朝食を食べている間に彼女は謁見の準備をしてくれていた。


春の宮殿とは王族の避寒所になっている場所だが、寒い正月は多くの王族が集まっていた。そして10月に俺達2人が、先月には葉書の従姉が結婚式を挙げた結婚式で有名な宮殿でもあった。

朝食が済むと直ぐに礼服に着替えをして国王が冬に療養している宮殿に向かった。不思議な事に事前から設定してあったのか待たされる事もなく直ぐに国王に謁見する事ができた。

思うに国王との謁見と言っても非公式の家族の集まりみたいなものだったのか、それで直ぐに謁見できたのかもしれなかった。


厚く大きな扉が開かれ俺だけが妙に緊張してヒカリと入っていくと国王と数人の王族がソファーに座っていたが、なんと病に臥せっている筈の国王はバリバリに元気で、避寒に来ている王族達とワイワイと団欒していた。

国王はまるでプロレスラーのように大柄な人で筋肉質だった。

ひょっとすると俺より体力があるかもしれない。こんな人が病に倒れていたとは信じられなかったが、それは口にはしなかった。


俺は緊張しながら引き攣った顔でたどたどしく練習した通りに挨拶すると、にこやかな国王から一言貰うとそれで用が済んだのか俺だけが直ぐにお側役からその部屋から追い出されるように廊下に出された。

残ったヒカリは国王と何か長々話をすると後からニコニコ出てきた。

これから国王と王族とで俺達2人についての話し合いがあるとかヒカリは言っていたが、メインは父親が実家に戻ってこない愛娘と正月に会いたいだけだったのか、あの練習は何だったのか・・。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ