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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-0-3

4-0-3 1月1日 昼

俺が朝から元気がないので、家に戻ると南が気を利かせてさっさと台所に向かって準備をしてくれていた。俺達は居間で以前撮った写真などを見て寛いでいたが台所が気になった楓が

「何か手伝いましょうか?」と声をかけても南は淡々とコーヒーの準備をしながら

「楓さんはお客様よ。それにこの家は我が家と同じなので気を使わなくていいわよ」と、慣れた風に居間で寛ぐ俺達にコーヒーを持って来てくれた。そして、今度はお菓子を出そうと水屋を探し始めた。

「平助、お菓子はここでいいのよね?」

「おっ、いつものとこだよ」

「はーい。平助はこれが好きなんだよね」

「おっ、隣の引き出しにお前の好きなお菓子もあるぞ」

「はーい、ありがとう。あった、あった」と、その様子はまるで新婚さんのようだったので

「お前はここでも新婚さんか。絶対罰が当るぞ」とアラタは少し機嫌が斜めになったようだったが、俺が直ぐに南との2ショットを写真の山から見つけ出すとそれは治った。


「それで、あれから新妻・・、いや姫様から連絡が来たのか?」

「あぁ、連絡と言うか、葉書が今朝来たんだが・・」とモゾモゾ答えると

「葉書って、なんだか変だな。もしかして年賀状か。それはどんな内容だったか。元気にされていたか」

「あぁ、元気だった。ニコニコしていた」

「それじゃ、よかったじゃないか。ニコニコしていたとは? 何だ、写真付だったのか。よかったら俺にも見せてくれ」

「写真、私達にも、見せてよ」と南と楓も頼むので

「この葉書が来たんだ」と嫌々ながら見せた。


「この写真は結婚式の写真じゃないか。前に見せてもらったのは少し違うけど、

おいおい、新郎がお前じゃないぞ」とアラタがコーヒーを噴出した。

「なに冗談言ってるんですか。新郎が平助じゃないなんて。新年早々そんな冗談は怒りますよ・・。

あら本当だわ、それにしても素敵な男性。2人が幸せそうに笑っているわ。

飽き性な姫様がもう他の男性に乗り換えられたのかしら?」と楓も驚いていた。

「どれどれ、私にも見せてよ。本当に綺麗な新婦さんね。羨ましいは私もこんなドレスが着てみたいな。でも、どうして私達を呼んでくれなかったのかしらね。

知らない間柄でもないのに」と南から愚痴が出たが

「南さん、今はそんな事を言っている場合じゃないでしょう」

「そうそう、彼女の大人の顔ってこんな顔だったんだ。遠くから見たきりだから、

でも本当に綺麗ね・・って平助、これってどう言う事なの。説明してもらったの?」


「俺も、今朝葉書が来て驚いている。それで朝から気分が悪いんだ」

「そうだったの、でもよかったじゃない。これでヒカリさんと手が切れて、綺麗に二股は解消したわね」と南は素直に言ったので

「南さん今のはちょっと平助には厳しいのでは?」

「あら、アラタさんも二股がいいのかしら」

「いいえ、二股は最低ですよ。男は一筋がいいです」

「そうよ、男は一筋よ、平助は気が多すぎたのよ」と楓も同意すると

「みんな頼むから静かにしてくれないか、さっきよりも気分が悪くなった」


「そもそも気分が悪いとかの問題か、これはどうなっているんだよ。結婚したのはお前じゃないのか?」

「アラタさん、平助が結婚したって、どういう事なの?」

「それは・・」

「俺もどうなっているのか分らないし、本当かどうかの確認のしようが無い。そうだ楓、この送り主の名前読めないのか?」

「読めますよ。でも本当の姫様の名前は長いし、全部は知らないんですが、送り主の名前はだいたい姫様の名前と合っていますね」

「えっ、名前が長いって森ヒカリじゃないの」と南が驚くと

「あいつは、王族なのでそんな簡単な名前じゃないよ。自称森ヒカリ的な感じ、でも俺も本当の名前を知らないんだよな」

「平助、今夜は早く寝ろ。これは夢かもしれん。俺はそう思うぞ。じゃ、楓、長居をしちゃ悪いので、さぁ帰ろう」とアラタと楓は俺に気拙いのでそそくさ帰っていった。



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