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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-0-2

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新年そうそう福が来るどころか最悪が来てしまって少し熱が出てきたようだ。

「確か10月の結婚式とハネムーンは最高にアツアツだったよな。それから僅か3ヶ月でこれかい。勿論彼女には俺と別れるような素振りはなかったが・・。

確かに新婚なのにあれから全く連絡がないし、もしかして彼女に他の男と結婚しなくてはいけない何か事情があったのか。それとも俺とそいつとを両天秤にかけていたのか。まさか二股王子に二股を掛けていたのはお姫様の方だったのか、昔話しのラストは残酷なものが多いが、まさかこれだとは」


もしかしたら俺の見間違いかもと葉書をもう一度じっくり見てみてもやはり新郎の顔は俺ではない。

「遊ばれたんだ、捨てられたんだ、終わったんだ」と悔しくて悲しいが今更どうしようもない。武道大会後のホテルで意地を張らずにじいさんの結婚話しにすんなり乗って婿入りしておけばこんなラストにはならなかったと後悔していたがもう遅かった。


無気力にソファーに横になっていると南が振袖を着て初詣に誘いに来たのも気付かなかった。

「平助、初詣に行くわよ。なに新春早々寝ているのよ。そんなことじゃ福は来ないわよ」と朝から元気がよかった。

「あぁ、もうそんな時間か」と無気力な返事の俺を見ると自分と比べて青い顔でげっそりしているので

「なにどうしたの、風邪でも引いたの、お腹の調子でも悪いの、おばさんは、どうしたの?」と俺の頭に手を当てて心配をしてくれている。


やはり俺には信頼のおける南しかいないのかなと思っていると、自然と俺は南の手を握って見詰め合っていた。その時にアラタ達がやって来た。

「あけまして、おめでとうございます。平助さん、初詣に行きましょう」と楓の声がした。

「はーい、今行きます」と居間から南が元気よく返事をすると

「なんだ、南さんがもう来ているのか、それじゃ、失礼します」とアラタはズカズカと居間の方に上がってくると、俺が南の手を握っているので2人がソファーでいちゃついていると思って

「平助、新年早々南さんに」と機嫌が少し悪くなったが、南の振袖姿を見ると機嫌が良くなり

「少し気分が悪くてな。それに南も誘っておいたんだ。さぁ、一緒に行こうか」

「そうなのか、南さんと初詣に行けるのか」と笑顔になった。


それから各自新年の挨拶を済ませると、楓の振袖姿に俺は驚いた。

「楓も振袖とか着るのか。本当、馬子にも衣装だな」と感心すると

「初めて着てみました。勿論借り物だけどね。どう平助、似合うでしょう?」と一回転して顔を赤くして尋ねるので

「最高、最高。写真でも撮ろうか」と、またお決まりの写真撮影会が始まったが、一番喜んでいたのは振袖を着た南と2ショット写真を連発していたアラタだった。


写真撮影会が終了すると少し遅くなったが近くに初詣に向かった。

神社でお参りをしておみくじを引いて、帰りの参道で剣道部員や同級生に出会ったが、軽く新年の挨拶だけすると各々に用事があるので直ぐに分かれた。

4人仲良く参道を歩いていると、祭りにヒカリと2人で来た事を思い出した。そう言えばあの日彼女はここの屋台でよく飲んでいたな。それも遠い昔のように思えた。


振袖の2人が参道で屋台のチョコバナナを買っていると一緒にいた俺に

「今日は、いつもの綺麗なお姉さんと一緒じゃないんですか?」と祭りの時にお世話になった屋台のお兄さんから声をかけられた。

「えぇ、今日は一緒じゃないんですよ」

「でも、もてるね。今日は若い娘と一緒なんて。お姉さんに知られたらただじゃすみませんよ」と冗談を言ってきたが、俺は苦笑しかでなったが

「平助は意外と知り合いが多いね」と南が感心していたが、お兄さんは元々はヒカリの知り合いだった。

それから4人とも午後から大した用事も無いので、旅行で母さんがいない俺の家でお茶でもしようと戻った。


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