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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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4-0-1

第4章バンパイア国偏です。

主に交流会についての内容です。

4-0-1 年末年始

10月に結婚しても実際には今までと何も変わらない生活が続いた。

そして今日はやっと2学期の終業式だったがお決まりのように貰った成績表は見ずに明日から冬休みだとぼっと教室の窓から外を眺めている。

「校庭には冷たい風が吹いているな。あいつは今頃何をしているのだろうか? 

バンパイア族でもない俺でも寒いのだからヒカリはもっと寒いのだろう」と感傷的になっているが、周りの同級生は年末年始の約束でもしているのだろうか? ワイワイ騒いでいるが、俺はそんな気分ではなかった。

「あぁ・・、もう直ぐ仕事納めも済む筈なのに、何も連絡をしないで、また急に訪ねて来て驚かせるつもりだろうか、それとも夏休みから今までの事は本当は夢だったのだろうか?」

 そう言えば明日はクリスマスイブだが家でケーキでも食べる予定もなかった。

「そうだ、南の部屋でも押しかけようか・・、でもあいつも何もしていないか・・」去年とは違い、一人だと少し寂しかった。


予定と言えば年末年始は剣道部の練習が29日までで年明けは5日から再開し、そして5日から学校も始まる。従って30日からは久しぶりの長期の休みだが、彼女から連絡がないので今のところ年末年始には予定が入っていないと言うか入れられなかった。昨年は配送のバイトをしてお小遣いを稼いでいたが今年はアラタ達の練習に参加させてもらおう。


冬休みに入ってもヒカリは戻ってこなかったので毎日アラタの練習に参加していたが、その練習も大晦日の午前中までで午後からは3人で剣道場の大掃除をした。

毎日の練習後には床の拭き掃除は必ずやっているが、窓拭きや隅々まではやっていないので結構汚れていた。

この大掃除が終わるとアラタと楓はさすがに明日の元旦と2日は練習を休むので、明日初詣に行く約束をして家に戻った。


家に戻り南にも元旦の初詣を誘うと一緒に行きたいと答えた。南が一緒に行く事は俺からアラタへのお年玉だから当日まで黙っておこう。新年早々あいつには南と言う福が来るのは確実だった。

それに反して大晦日になってもヒカリからの連絡がまだ無かった。とっくに仕事は休みになっている筈なのに、何をしているんだ。早く俺にも連絡があり新年早々に福が来るといいんだが。

 母も仕事納めから家でゴロゴロしていたが元日から友達と2泊3日の温泉旅行に行くので大晦日と言っても遅くまでは起きておらず、今年最後の夕食を母と年越しそばを食べると俺も早めに寝てしまった。


早く寝たので早く目が覚めると寒い朝だったが年が明けていた。年賀状が来ていないかと玄関のポストを確認すると未だ来ていなかった。朝食にはまだ時間があったので駐車場で竹刀を振って時間を潰していると郵便配達がやって来てポストに年賀状を投げ入れた。

やっと着たかと暇なので直ぐに確認すると毎年のように何通か着ている。

温めていた居間で次々に確認していくと同級生からの物が多く、5日からまた学校で会えるのに年賀状を出す必要があるのかと感じたが、そんな俺も毎年出しているのでお笑いである。


そんな中、珍しく海外からの1枚の葉書に目が止まると差出人は何語で書いてあるか分らず読めないが裏を返すと写真からたぶん「私達 結婚しました」との報告葉書だと分った。

「おいおい、待てよ俺の知り合いで去年結婚した人・・」と思い返しても俺以外に誰もいない。それも外国語だし、高校生の俺にそんな友人はいないし親戚もいない。間違いかなと写真を見ると見たことのある式場だった。


「あっ、新婦はヒカリじゃないのか。アッハハ、バカだな、自分と結婚した相手に結婚式の写真を送るなんて何を考えているんだ。それに母さんにでも見られたら一大事だ」と笑い飛ばしたが、自分がどのように写っているかとよく新郎の顔を見たら、俺ではなく全然知らない男の顔だった。それも筋肉質の大柄な男だった。

「はぁ? なな何だこれは。それに誰だこいつは? いくら冗談が好きでも、これは酷いぞ」と怒鳴ってみたが、これは冗談ではないのかもと・・

「そういえば、結婚申請書を王族会議に出せなかったら、諦めると言っていたな、もしかして出せなかったのか。それに裸のお付き合いを俺が拒むので引きに引きまくっていたな。あいつは赤ちゃんも妙に欲しがっていたし、そうだ、あれも、あれも・・。やばい、これは、本物だ、どうしよう・・」と一気に血の気が引いて気分が悪くなったので居間のソファーで横になった。



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