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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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3-10-6

3-10-6

 異世界から一人で自分の部屋に送喚された。ヒカリは未だ仕事があるので向こうに残っているが、直ぐにこちらに戻ってくるとは言っていた。でも、当てになるかは分らないので結婚しても今までとは変わらない。単に呼び方が遠距離恋愛から別居状態に変わっただけだった。

 今回彼女が急に結婚を急ぎ子供を欲しがったかはバンパイア族の生殖習慣によるものかもしれないが、これが毎年の春と秋にやって来るなら大変だ。一生で子供が何人できるか心配になってくる。詳しくはヒカリが正常に戻る冬にでも尋ねよう。それにしてもバンパイア族の恋する季節は大変だな。


 朝食を済ますとお土産を渡そうとアラタの剣道場に向かった。今日は休日なのにあの2人は朝からきっちりと練習している筈だ。

「おはよう、悪いが今日の練習は休ませてくれないか?」

「珍しいな、平助が休みたいなんて体の調子でも悪いか?」

「病気じゃないけど調子が少し悪いんだ。もしかすると時差ボケかも知れない。

突然召喚されて昨日までバンパイア国で色々あって疲れが取れないんだ」

「また急に召喚されたのか。お姫様の婚約者になると大変だな、向こうで色々用事もあるのだろう。俺にはそんな事はできないな。お疲れさん。俺も嫁さんを選ぶ時は相手の家も気にしないと・・」

「いや、大した用事じゃないけど、前にヒカリと旅行の約束していたので、それで軽く結婚式と新婚旅行をして来た」

「なに、大した用事じゃないって、旅行の約束が新婚旅行だと、飛躍過ぎじゃないのか?」


 俺の答えを聞くと準備体操をしていた楓が笑顔で話に飛びついてきた。

「それは本当ですか、結婚式って素敵。それで式はどこでしたんですか?」

「春の宮殿だ。ヒカリは大人と少女の2パターンあるから衣装を色々変えて写真を撮るのが大変でさぁ、それから直ぐに2泊3日の新婚旅行だろ。疲れた、疲れた」

「春の宮殿か、女性の憧れですよね。でもよくできましたね、この時期は人気があるんですよ」

「やっぱり、この時期なんだな」

「知らなかったんですか? バンパイア族の生殖時期を・・」

「それがヒカリから聞くまで知らなかったんだよ。それで半年前からヒカリが予約をしていたのか・・。どうりでカップルでいっぱいだぞ。それにヒカリがどうしても写真を楓に見せろって、ほら、沢山あるから見てくれ、それにお土産もあるぞ」

「姫様が私に見せろと・・。それは勝利宣言ですね。私も負け組みにならないように頑張りましょう」

「凄い写真の量だな、全部2人の写真なのか? こりゃ撮られる方も大変だ」

「俺は途中から、諦めたぞ、あれは忍耐しかない」

「わぁ! このドレスが素敵。私も着たいな」

「そっか、じゃ今度一緒に行くか」


「おいおい、平助、口が軽いぞ」

「しまった、いつもの癖が出てしまった。もう結婚したんだった」

「そもそも結婚したって、それは本当なのか?」

「婚姻届は出したし、結婚証明書も貰った。ヒカリは一応夫婦とは言っていたな」

「どう考えても一国のお姫様がそう簡単に結婚できるものか。もちろん国王の許可は貰ったよな?」

「それがまだだ、俺はまだ国王に一度も会った事が無し・・」

「会った事がないって、じゃ、結婚式には誰がいたんだ?」

「俺達2人だけだ。何か変か?」

「それはおかしいな。それにお前な、おばさんに相談もしなで結婚は拙いんじゃないのか?」

「だって、異世界の女性と結婚してもいいかなとは訊けないだろう。

朝起きたら行き成り異世界だ、お昼には結婚式で相談も何もできないよ」

「それもそうだが、これからが大変なんじゃないかのか?」

「それがな、既に大変なんだよ」



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