3-10-5
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「そして、めでたく2人が結婚できたら、庭付きメイド付きの宮殿が貰えてそこで毎日チュチュします。もちろん毎日裸のお付き合いも欠かさずにします。
そして可愛い子供を沢山作りましょう」
「毎日はきついけど頑張るよって・・おいおい、そこで暮らすって、収入はそれに俺の学校は?」
「収入は平ちゃんに確り働いてもらうわよ。そして私はゴロゴロして昼メロを楽しく毎日見ます」
「やっぱ、それが目的か」
「もし平ちゃんが就職しないで大学に行きたいなら、こっちで行けばいいでしょ。その間は私が確りと働きますので気にしないで大学に行って下さい」
「それでもいいのか、さすがヒカリちゃんはできている。妻の鏡だな」
「それじゃ、こっちで2人で暮らすねの?」
「待ってくれ、母さんはどうするんだよ?」
「そっか、おばさんが居たのよね。結婚に気を取られて2人の事しか考えていなった。おばさんはこっちで一緒に暮らせないのかしら?」
「それは無理だな、仕事もあるし、それに母さんは全く異世界を理解していない」
「ん・・今直ぐに私と向こうの実家では暮らせないし、よく考えないと姑の問題は大事よね。じゃ、一応申請書は書いておいてね。
問題が解決したら王族会議に出すから。駄目なら諦めるから」
「諦めるって、本当にそんなんでいいのかよ?」
「そんな小さな事は気にしないの」
朝食を済ませると今度は電車で風光明媚な東の方に向かった。
「それにしても、この電車も乗客が多いな。それも若いカップルだらけでイチャイチャしている」
「当たり前でしょう、今は結婚とハネムーンのシーズンよ。日差しの強い夏が終わるとどこもカップルでいっぱいよ」
「そうなんだ、だからまるで盛の付いた猫のようにイチャついているのか。それに君もチュチュしてくるのか」
「当然よバンバイア族は春と秋は恋する季節なのよ。そして子供を作るの。それが大昔からの種族の習性なのよ。ほら、私達もこう抱き合って座りましょう」
「そうだな。こうかな、それともこうかな? なかなか上手くいかないな」
「それにしても、平ちゃんは不器用だしそっちの方は苦手だよね。ちょっとした恥ずかしがり屋さんは可愛いいけど、度が過ぎると女性は引くわよ。もう私は既に半分引いていますけど・・、あと半分引くと離婚だから」
「そんなぁ・・。これから頑張ります」
「でも、そんな事を気にしていると旅行が楽しくなくなるので気にしない」
「そう言われると余計に気になるけど・・」
「でも不思議だ。出会って半年でこうなるなんて思ってもいなかった。俺は一目ぼれだったしな、こんな可愛い子と出会えて、結婚できるなんて幸せだな」
「そう貴方は幸せよね、でも私は・・、あぁ神様時間を返して下さい」
「昨夜はごめんって。今夜は頑張るから許して下さい」
「そう言ってくれると嬉しいわ。でも昔の方が筋肉質で男らしくてよかったかな」
「おいおい、それを言うなら君も昔は幼児体系じゃなくてボンキュボンだった」
「幼児体系って失礼ね。大人の姿だと拒むくせに。それに私の裸を見られないくせに・・。あぁ、こっそりとお風呂を覗いたのね、このスケベ、ロリコン・・」
「ごめん、我慢し切れずに、少しだから許して」
「駄目です、許しません。今日は一緒にお風呂に入るわよ」
目的の駅に着くと、そこから山の上にあるホテルまでバスでゆっくりと登った。海から山へ風光明媚なところを巡る計画だった。バスの窓から綺麗な風景が見えた。そういえば以前ヒカリにパソコンで見せてもらった写真と同じ風景だった。
「以前見た写真と同じだ。綺麗だ」
「覚えていたのね」
「覚えているよ、君の部屋で一緒に見た写真だろう。一緒に見に行こって約束して、こうして叶うなんて信じられないな。それにあの頃は君の部屋を尋ねる時はいつもドキドキしていたし」
「本当にドキドキしていたの?」
「本当さぁ、ずっと」
「じゃ、私と一緒ね。私もその時はドキドキしていたわよ。ほら、今も」とヒカリが俺の手を彼女の胸に乗せると確かにドキドキしていた。
次の日も旅行を続けて2泊3日で南部を巡ってまた首都に帰ってきた。
でも春と秋がバンパイア族の恋の季節とは知らなかった。この秋はどうやら乗り切ったが、春にまたイチャイチャの季節が来るとは・・。