表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
135/634

3-9-9

3-9-9

 あれから一週間が過ぎた。ヒカリからの連絡は無く昴さんにもまだ返事をしていなかった。

このままじゃ拙いとアラタとよく話をしてみたが、やはりあいつは初めから乗り気ではないし、南に相談した事を話すと彼女と同じように今回は断わった方がよいのではと説得された。

 俺も良く考えてみたが受験勉強と警察の仕事とを両立できるほど賢くはない。

どっち着かずになり後で昴さんを困らせる訳には行かないと思った。たぶんヒカリに相談しても結果は同じだろう。

 それに年が明ければ春の全国大会に向けての地方大会が始まる。そこで負ければ俺には最後の大会になる。今回のようなベスト8ではどこの大学にも推薦してくれないので頑張るしかない。


 昴さんが異世界に戻るので最後の練習をしたが、全然相手にならなかった。

どこがどうのとか言う問題ではなく全てだ。全て格下、大人と子供だった。そして彼からの提案は

「すみませんが、年明けから受験勉強が忙しくなりますので」と断った。

「残念だが、それは仕方ないな。こんな話を受験前に急にしてすまなかった」と諦めてくれたが

「来年の交流会の話しは聞いているか?」と尋ねられた。

「未だですけど。何ですかその交流会って?」と逆に尋ねると

「詳しい連絡は大会事務局から来ると思うが、言わば武術の国際親善試合だ。相手は順番からだと今年はバンパイア国との試合じゃなかったかな」と教えてくれた。


「国際親善試合。それもバンパイア国とですか」

「親善とは言っても本気だがな。毎年国は変わるが相手がバンパイア国なら、相手は戦士の半獣だ。下手をするとケガじゃすまないな。君は準優勝者だから話がある筈だ。たぶん俺にもあるだろうがテロ事件の捜査が忙しいので出場は無理かもしれないな。それにアラタ君にも出場の依頼があるかもしれない」

そんな大会もあるのかと、まぁ、そのうち事務局から連絡が来るだろうと俺は余り気に留めなかったが、横にいたアラタは終始無言だった。


 昴さんが剣道場を後にすると

「交流会かぁ、今年の相手国はバンパイア国だったか。たぶん、事務局から出場の依頼が来ても俺は出ないだろうな」とアラタは呟いた。

「どうしてだ、受験勉強が忙しいのか?」

「レベルが違いすぎる。相手は戦士の半獣だ。姫様の半獣とは訳が違う。あそこに出られる選手は昴さんぐらいなものだ」と答えた。

「じゃ、俺は?」と訊くと

「大人と子供の試合になる。それだけならいいが、相手が半獣だと下手をすると大ケガをする。決して、出場の依頼が来ても受けるな。必ず断れ」と注意された。

確かに半獣は凄いのは分っていた。でも、あれから俺も少しは腕を上げたけど、アラタがこうも拒否をするとは交流会とはどんなものか興味が湧いた。


 それから平日の朝と放課後は学園で剣道の練習を行い、休日にはアラタの剣道場で剣術の練習と頑張っていたが、やはり受験勉強は全然進まなかった。

それにヒカリからの連絡が一切無かった。彼女が忙しくて連絡できないのか、伝える手段が無くてできないのか分らないが、楓から遅く入る新聞の情報では首都のテロ事件の捜査はかなり良い方向に進んでいた。

 それに、ヒカリが元気にしている事は楓から聞かされていた。ただ何を根拠にそう言っているのかは分らなかったが、俺は安心していた。ただ、彼女がいつ戻ってくるのかは依然として分らなかった。


次号から3-10になりますが、次号からは会話を多めにしト書きを少なにしております。

なるべく読みやすいように変更しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ