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奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
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3-9-6

3-9-6

 それから5人で雑談をしていると、そろそろ午後からの試合が始まりそうなので

「じゃ、俺は試合に、後でまた」とアラタは控え室に戻った。

そして、一足先に昴さんと楓も観覧席に行ったので、南と2人で残っているゴミを片付けながら

「アラタの試合では大きな声で応援しろよ、そうしないと来週が楽しくなくなるぞ」と南に忠告すると、初めは何の事かとキョトンとしていたが

「そうね、次は確り応援します」とその理由を理解したようだ。

「お前に言っておくが、昴さんは異世界の人だから」と忠告すると

「そう、異世界の人なの。分った」と少し暗い顔で答えたので

「ほら、明るい顔をして応援に行くぞ。お前が暗いと俺の調子が悪くなる」

「私はいつも明るいわよ、でも、あんたの為じゃないからね」と2人でまた応援に向かった


 午後からの準決勝と決勝戦は1試合ずつは中央の会場で行われるので、応援席からも誰が試合をやっているのか良く分った。

 アラタの準決勝の相手は団体戦で準優勝した高校の大将だったが

「がんばれ! アラタ」と応援席から声をかける暇もなく、あっさりと面を二本決めて終わってしまった。

「あら、応戦する間もなく終わったわね」

「あいつの実力なら仕方ない。でも今度は決勝だ、南今度はしっかりと応戦するぞ」

 

 次の決勝戦は俺が一本も取れずに負けた先鋒の奴だったが

「がんばれ! アラタ」と今度もまた声をかける間もなく、これまたあっさりと面を二本決めて勝つと俺はこんな相手に負けてしまったのかと悔しかったが

「平助、剣道の試合ってこんなに早く終わるの?」

「相手が弱いと、こうなるかもな」

「じゃ、相手が相当弱かったのね」

「そうだね・・」

「それで、平助が負けた相手はどうなったの?」と訊いてきたが

「知らん」とだけ答えた。


 これで個人選は終わってしまい。昨年の全国大会優勝者のアラタには地方大会レベルでは無敵だった。

南はもっと試合が見たかったと残念そうにしていたがこれで心置きなくお買い物ができると言っていた。

 表彰式も終わり、皆で練習のために剣道場へと向かったが、車中で南がアラタを上手く持ち上げて話をしていたので奴は上機嫌でニコニコしていたし、来週を楽しみにしているようだった。

 帰る途中で南はお買い物のために車を降りて街の中に消えていくと、車の中は一気に静になった。さすがに試合よりも話疲れたのかアラタも静かになり、楓も朝早くから動いたせいだろうかウトウトしていた。俺は自分の実力の無さに悔しかったが、これで昴さんに指導してもらおうと決心が固まった。


 剣道場に着くと昨日と同じように4人で立会いを始めたが、俺は4試合しかしていないので体力が余っていたし、負けてしまって悔しかったので、思い切りしたが

「そろそろ本気を出せ」と昴さんから叱咤されても昨日と同じようにいつもの力しか出ず、彼の練習相手にはなれなかった。

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