表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
奥手な勇者の恋の相手はモンスター  作者: ゴーヤウリウリ
129/634

3-9-3

3-9-3

 控え室でさっさと着替えて試合会場に入ると直ぐに軽く体操から初めて素振りなどの基本練習で体を動かした。対戦相手はどうなっているのかと、会場の大きな掲示板に張り出された対戦表で確認すると全部で4パートに分かれ、2人は同じ高校なので別パートになっていた。


「これで1回戦で奴に当たってあっさり負ける事もないし、他の選手もアラタに比べるとたかが知れている、準決勝戦までは負けはなさそうだ。これで母への面子も立つ。4戦勝ってパートを勝ち上がれば準決勝戦でアラタと当たるな。ここからが勝負だ」と対戦表でもう一度確認したが

「平助、お前が4回戦の準々決勝で当たる奴が強いぞ、注意しておけ」

「そういえば、そいつは団体戦の決勝で相手高校の先鋒だったな。確かうちの先鋒にあっさり負けた筈だよな。俺と先方は練習では互角だし、それなら勝てそうだ」と侮っていた。


 開会式が終わると直ぐにパート毎に第1回戦が始まった。試合は4分で2本先取した方が勝ちで、引き分け無しの延長戦方式だった。

 早速俺の第1回戦が始まったが、相手は試合に不慣れな初心者のようだったので簡単に面を2本決めて勝ち上がった。

 出場者が多かったので第2回戦までの間に時間が少し空いてしまったが会場では次々と試合が行われ熱気がムンムンしていた。俺は会場の隅の方で体を動かしていると応援に来ている他の男子剣道部員に紛れて南の顔が見えたが、部員以外の他の生徒は見当たらず彼女一人だったのでこんな小さな大会には誰も応援には来ないのかと思った。


 第2回戦の相手は、確か昨日の団体戦で見た記憶があったが、そこそこ強いがまだ俺の方が一枚上のようで面と胴の2本を決めて勝ち上がった。

 これで3回戦に勝ち上がったが、これからは昨日の団体戦で上位校の先鋒や大将が出て来るので気合を入れて体を動かした。

 

 第3回戦の相手は、昨日の団体戦で準決勝まで残った高校の先鋒だった。少し小柄だったが動きが早くうちの剣道部にいたとしてもレギュラークラスで、たぶん今の俺と同じぐらいのレベルだろうか。

 中央で対面し礼をすると相手は上段に構えて面を打って来たが、俺は竹刀で防ぐと相手はまだ体力が十分に余っているのか何故か面を何本も打ってくる。

俺もまだ十分に体力が余っているので同じように面を何本も打つと相手に隙ができたので、上手く胴を打つと1本目が取れた。


 2本目は相手は打ち合いは不利と考えて距離を置いて飛び込もうとしていたようだった。体の小さい選手はこちらが本来の戦法ではないかと思い、慎重に足の動きを見ていたが、飛び込んで着ては離れを繰返ししたせいか急に体力が落ちた。その時とばかりに逆に俺が飛び込み面を決めて2本目を取り勝ち上がった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ