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相談か、ここはその道に詳しい南にでも思い切って相談してみるか。
待てよ、以前彼女はヒカリの心臓に早く杭を打てと俺を即した。
それに杭や木槌まで貸してくれた。いくらこの頃ヒカリを見る目が少し良い方向に変わったとしても、彼女はサクラと大の仲良しだ。
絶対にヒカリを聖剣で切って呪縛から開放されろと言うに決まっている。
答えが決まっている彼女に相談しても無駄だ。
じゃ、アラタに相談してみるか。でも、あいつはヒカリを姫様と呼び、彼女とは俺が出会う前から親交がある。それに俺に彼女を守れとも言っていたし。絶対に彼女を聖剣で切れとは言わないだろう。逆にそんな事を相談すると俺がやつに聖剣で成敗されるかも。
苦肉の策として聖剣を何処か遠くに捨ててくるのはどうだろうか、誰も知らない所に埋めてしまうとか。それじゃ、後々不安だけが残るだけかも、もし誰かに見つけられて真実の剣を悪用されたら一大事だ。
それに、捨てた事をサクラが知ると、絶対に怒るに決まっている。
あんなに喜んだ彼女を悲しませる訳には行かないし、これは何の解決にもならない。
異世界に行った時にでも図書館で調べるか、でも俺は異世界の文字が読めないし
「これ、拾いました」と異世界に行って警察に届けるか、やっぱりそれも駄目だ俺は異世界には自由には行けないし、ヒカリは警察官だ絶対に彼女の耳に入る筈だ。
こちらの世界で聖剣に詳しい専門の先生にでも訊いてみるか、でもそんな先生がいるのか、いる訳がない。聖剣に詳しいのは俺とアラタだ。じゃ、他に他に勇者はいないのか、それならいる筈だ。勇者を探すかな。それはもっと難しそうだな。
俺の頭は自問自答がグルグル駆け巡り熱が出そうになった。結局結論は特になく、今の俺にはどうしようもなかった。あぁ、時間の無駄だった。
ただ分ったのは、今は真実の剣はサクラ以外の誰にも話せないと言う事だけだ。後は何も考えずに秋の都大会に全力を尽くすだけだと切り替えた。
「そうと決まれば、部屋でダラダラしていてもしょうがないし」とお昼までバットでも振ろうと駐車場に出て、また練習を始めてしまった。今日一日休む筈だったのに、これじゃ、アラタと同じじゃないかと思った。