続 これからのビシン
続 これからのビシン
「ああ、いいさ。俺のせいだ。」
「ミオ、今までの俺を、ゆるしてくれ。
許してくれるか、おれは、変わるから。」
ミオには、わからなかった。なぜ、こんな言葉を、ビシンの口から出てくるのか。
なぜ、変わったのか。わからなかった。
「許すとかの問題?どう変わったの。離婚はしないという事なの?」
「ああ、一言で言えば、もう一度、やりなおしてくれないか。
と、これが、ミオへの唯一の頼みだ。」
「決まってるでしょ。わたしは、ビシン、あなたと別れたくない。
あなたが別れたいと言ってただけじゃない。
あたりまえでしょ、またやり直したいのは、わたしの方よ。」
「すまなかった。これからは、絶対、幸せにする。
まず、2年間、この仕事を休む。
傷が治ったら、三人で、旅行に行って、これからを考えよう。
ただ生きているという人生ではなく、いっしょに、いい人生だったと思えるような
ものにしよう。ミオ。」
「凄い変わるものね。こんなに変わるのなら、たまに、死ぬような目にあわないとね、
ビシン。」
と、ミオは、言いながら、ほおを一筋の涙が、流れていた。
「もう、簡単には、やられないさ。そのようになってみせる。
そのようになるさ。」
「凄い自信ね。ビシン。わたしも、ビシンに、そうなって欲しい。」
「ああ、ミオのためにも、やるさ。」
こんな流れになるとは、ミオは、信じられなかった。
でも、これは現実なんだと、確信した。
「ミオ、キスしてくれ。」
と、ビシンが、くちびるにしてくれというように、唇を尖らせた。
そして、ミオは、ビシンの言うがままに、唇を重ねた。