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ミオは動いた
ミオは動いた
ビシンは、事の成り行きを、天井の近くに浮かんだまま、見守ることにした。
ミオは、ビシンの体から、飛び降りていって、
倒れたまま、仰向けになって、
息絶え絶えになっている敵の脇に、ゆっくりと着地した。
敵の男は、動くこともできず、力なく話した。
「殺すなら、早く殺せ。」
ミオは、その言葉を無視して、手をその者の頭の上に置いた。
すると、その男は、その手を、頭を振って頭から降りは払おうとしたが、
頭はピクリとも動かすことができなかった。
そして、体全体も抑えつけられている感じで、
体の自由が利かなくなっていた。