恋罰の男、美心
恋罰の男、美心
美心は、恋罰、すなわち恋に罰せられていると、ずっと思っている。
どんなに好きになっても、実を結ばない。
フラれること多し。いい男だし、付き合うけど、ダメ。
まあ、恋に向かない性格、嫉妬深い、飽きっぽい、等々。
こんな恋罰な人生だったが、俳優という職業に就き、これについては、大成功だった。
そして、女優とのうわさも多々あったが、どれも、恋罰を引きずっていた。
しかし、同じ映画に出た恋人役の女優と付き合いだして、この女性とは初めてうまくいき、結婚し、子も出来て、しあわせな人生を続けると思われたが、なかなか、そうはいかなかった。
恋罰な美心であったので、妻となったミオとは、すれ違いの道を歩いていく事となってしまった。
ついには、遊びにはまり、自堕落な日々を送る事となっていった。
それでも、仕事は、順調であった。
同じ映画で、知り合った女優とダブル不倫の仲となってしまった。
そして最悪なことに、いろいろな良くないことに、手を染めることとなっていった。
酒、ギャンブル、等々、最悪である。
そのような日々が続く中、この日はやってきた。
その日は、人生のなかで特別な日となったのです。
その日は、ロケが忙しく、ホテルに泊まることとなり、不倫中の女優を呼んで、
部屋で一緒に過ごして、そして、早めに寝入ってしまった。
普段、あまり夢は見ないのだが、この日は、不思議と夢を見た。
それも、やたらとリアルな夢の世界だった。
【次日曜日につづく】