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新世界っていう出目が出ました

今後はサイコロ判定の結果を後書きに記載。

ネタバレイクナイ。

明日は飲み会なのだ。

この前はハブ酒飲んだから今度は何にしよう?

ゲテモノ料理にはロマンがあると思います。

『そうそう、そろそろ着くから準備してね』


とりあえず、ステータスの問題は見なかったことにした。

お互いに暗黙の了解を視線だけで行う。

それぐらいは幼馴染特有スキルだ。


「着くって何処にだ?」

『窓だよ、窓だよ』


俺たちは顔を見合わせ、壁の丸い窓を覗いた。

見ると外は真っ暗な夜であった。

星々が都会では絶対に見れない程の一面に広がる絶景である。

いや、現実逃避は止そう。

俺たちは…


「弁慶、僕の勘違いでなければここって宇宙ではないかい」

「宇宙だな」


そう、宇宙である。

そして、下を見ると青い大きな星、地球と酷似した星。

あれがガーデンとかいった星なのであろう。


『それではそれでは当機は只今より、大気圏突入を開始します。乗客の皆様はシートベルト…は無いよね。根性で頑張ってください。まぁ、ほとんど揺れないから大丈夫かも』


いつの間にかテレビの画面にねこたまの顔が表示されていた。

そしてなぜか、ねこたまはパイロットの服に着替えている。


『それではそれでは大気圏突入します』


画面は切り替わり、この宇宙船らしきものが大気圏に突入し、真っ赤に加熱する映像が流れる。

まるで、どこぞのロボットアニメで見るような映像だ。

ちなみにその宇宙船はねこたまの形で胴体部分に丸い窓ガラスが複数映っていることからここに俺たちはいるようだ。


「ねこたま君、大気圏突入から目的地まではどのくらい時間がかかるんだい?」


確か、授業で大気圏は地表数百キロと習った。

地表までとなると時間がかかるかもしれない。


『あれあれ、大気圏突入にはあまり興味なし?それじゃあ、観客サービスは中断して、ワープで一気に飛ぶよ』

「ワープ出来るんかい」


なんだそれ。

そして、景色が一気に変わった。


緑。


大自然である。

山々と青々とした緑と大きな湖。

テレビでしか見ることが出来ない地平線まで続く大森林である。

何処か神々しくも感じるその光景に言葉が出なかった。

先ほどの宇宙やこの景色だけで今までの不安もろもろが全て吹っ飛んだ。


『それではそれでは皆様、左方向をご覧ください』


ねこたまのいう方向を見ると何かが近づいてきた。

それは大森林の上を、青空の中心を裂くように徐々に近づき、その姿を大きくする。


「飛行機?…っておいおい、マジか!?」

「ベンケイッ、町があるよ。それも、飛行機の上にッ!」


そう、途方もなく大きな飛行機、いや、島に近い。

巨大な台形の形の、空を飛ぶ羽の生えた鋼鉄の浮島。

その上に広がる町並みは外観と違い、昔の町並みでレンガとか石造りの物だ。

屋根の上には子供たちがいて、こっちに手を振っていた。


「おおッ!?」

「弁慶、何あの人たちッ!?」


それは子供達であった。

元気にこちらに手を振る無邪気な子供の姿。

その姿に俺は歓喜に、葵は驚愕に包まれた。

葵はアニメ、ゲームの娯楽にはほぼ無縁なのでわからないだろうが俺は違うのだ。


「ワータイガー、鬼、妖精、人間、ドワーフ…実にファンタジーだ」

「えっと、なにそれ?」


葵は首を傾げるが俺はここ数年、覚えがないぐらいのテンションの上がり具合だ。

ロマンとか夢とかがそのまま俺の目の前に広がっているのだ。

俺だって男だ、冒険に、ヒーローに憧れた時代もあるのだ。

それが目の前にあるのだ。


「この世界、俺は気に入ったぞ、ねこたまッ!」

『実に実に、それは素晴らしい』


ねこたまと俺の笑い声が宇宙船の中に響き渡る。

隣の葵はため息を吐き、外の光景に目を光らせる。


『さてさて、それではようこそ【航空城塞都市 グランマッシ】へ。当機は只今より、着陸態勢に入りますよ。後で詳しく説明するけど、この世界ではメニュー画面は見せない事。君たちの世界の事を話さない事。以上を守ってよ』

「了解っと」


宇宙船はグランマッシの船体横の格納庫と思われる場所から入った。

窓から覗くと中はいかにもSFチックな機械だらけの場所だ。

見たこと無い機械がそこかしこにあり、メタリックな光が目に入る。

しかし、なぜか人が誰もいない。


「何で誰もいないんだい」


葵も同じ疑問を持ったらしく、テレビ画面のねこたまに尋ねる。


『それはそれは、ここは僕以外誰も知らない場所だからさ』

「えっ?」

『まぁまぁ、葵君の疑問も確かだけど、また後で。中は秘密でいっぱいだから客室に転送するよ。その先は客室にいる人に聞いてくれよ』


そういうと俺たちの足元から徐々に光に分解される。

たぶん、転送されているとは思うのだが変な気分だ。

事実、隣で葵がパニックになっている。

そして、俺たちは消えた。


………

……


「よう、ようこそ。お客人?」

「きゃああああぁぁーーーッ!?」

「おわっ!?」


俺たちが光に分解され、しばらくして目を見開くとそこには黒人がいた。

それも体格の良い2メートルは超える大男。

皮のズボンと半袖のシャツを着ており、袖から見える腕は丸太のように太い。

見た目は完全にギャングである。

そいつが俺たちの目の前で不敵にニヤリと笑みを浮かべているのだ。

はっきりいってビビる。


「おっとすまねぇ、御同郷様に会えると聞いて楽しみにしてたもんでな。驚かせるつもりはなかったんだ」

「御同郷?」


俺が問いただすと彼は右手を差し出す。


「おう、お前さん方とはこっちに来た事情は違うがな。こっちではダグラスと名乗っている。この世界には苗字は貴族以外はないんだ。まぁ、よろしくな」

「えっと、俺はベンケイ。こっちはアオイです」


とりあえず、ステータスにあった名前を名乗り、握手を交わした。

ちなみにアオイは俺の背中で涙目で「アオイ…です」と震える声で言った。

おびえている様だ。

そして、ダグラスさんと握手を交わすとグイッと背中にいたアオイごと引っ張られ、抱き寄せられた。

というか背中から葵の悲鳴と俺の背骨が軋む音が聞こえた。


「まさか、こんなチビッ子がくるとは思わなかったぜ。これはご機嫌だ、期待以上に面白くなってきやがったぜ」


ダグラスは俺たちを開放し、高笑いを上げるが俺たちは深呼吸と咳でそれどころではない。

見た目通りの怪力である。


「おっと、とりあえず説明だったな。そこに座んな」


俺たちは部屋の中心にある木製のテーブルに腰を掛けた。

そして、ダグラスは部屋の棚から瓶とグラスを持ってきた。

見間違いでなければ酒瓶に見える。


「オーライオーライ、まずは口を動かす前に喉を潤さねぇとな。お前らは特別に水で割ってやるよ」


グラスを置き、見たことも無い文字が書かれたラベルが貼られた酒瓶をテーブルに置くダグラスさん。


「あの僕たち、未成年なんですけど」


葵がおそるおそる言う。

確かに俺達は高校生である。


「こっちじゃあ、酒が飲めて一人前なんだよ。俺なんか母乳代わりに父親がウィスキーを飲ませるような家庭だぞ。少年は嫌いかね、こういうのは?」


そういってダグラスさんはグラスに並々注いだグラスと俺用の半分程度入れたグラスを用意し、水を淹れようとする。

まぁ、隣に葵がいるがいいだろう。

俺はグラスを、ダグラスさん用のウィスキーが並々と注がれた薄めていないグラスを掴み、一気に飲み干した。

ガンッとグラスをテーブルに叩きつけ、俺は笑みを浮かべて、呆けているダグラスさんに笑みを浮かべた。


「…Groovy。良い、実にいかしてるじゃねぇか。少年、いや、ベンケイと言ったか。いける口じゃねえか?」

「母親に隠れて、親父の晩酌に付き合ってたから慣れてるさ」


これは実は母親とアオイには秘密の事だったりする。

その葵は隣で目を丸くしている。


「O.K.だったら話は別だ。煙草はどうだ?といってもこっちの世界には葉巻モドキしかねぇがな」

「むしろバッチ来いだ。親父も各国の葉巻を吸ってたからな。そっちの方がなれてる」

「良いね良いね、実にいかした親父さんだ」

「オジサンェ…」 


ダグラスさんは火のつけた煙草を咥えながら手を叩いて笑い、アオイは頭を抱えていた。


「ってそうそう、この世界の生き方を教えとけとかボスがいってたな。さて、何から教えるかねぇ」

「ボスってねこたまか?」


ダグラスさんは煙を吐きながら笑みを浮かべる。


「キャット・ボールってあいつがそんなかわいらしいもんかよ。まぁいい」


ダグラスさんは煙草をスッと口元から離し、俺達の目の前に差し出す。

そして、その煙草を手の上に弾いた。

煙草はボッ…と炎を纏い、火の玉を化した。

ガタッと俺たちは驚いて、椅子を鳴らす。

その様子を見たダグラスさんは不敵に笑みを浮かべた。


「種も仕掛けも無い。文字通りのマジックだ。ここはそういうものがある世界だ」


煙草は灰も残らずに消え去る。

テーブルの上は微かな熱気が残っていた。


「お前らの事情は詳しくは聞いてねぇし、聞く気もねぇ。だが、お前らの国に比べてこっちでの命の価値はこのコップ一杯の酒より安い。明確な法が無いし、あっても貴族に有利なルールなんてざら。外は魔物に追いはぎ、町の中は人殺し程度の犯罪者はもちろん、スラムのガキがスリや泥棒をしなきゃ生きられねぇ世界だ。この世界は誰でも受け入れるが誰も守っちゃくれねぇ」


ダグラスさんは酒を煽り、コップに新たに注ぐ。

そして、俺のコップにも注ぎ、その時なってさっき飲んだばかりなのにすでに喉が渇いていた事に気づいた。

それは緊張か酒のせいか。


「この世界の絶対的ルールは【強くあれ。雄々しくあれ】だ。聖書にもある、いかした言葉だ」


………

……


その後、ダグラスは俺達に語った事。

①ステータス画面は俺たち特有の技能。他者に見せてはならない。

②レベル、経験値は無い。鍛えるためにも俺たちはギルドに入り、戦闘技術を学ぶ。

③ダグラスはある程度、俺達と行動を共にする。

以上が俺達の最低限覚える事だと言われた。

後、虫唾が走るから呼び捨てにしろと言われた。

葵にさん付けで呼ばれた時に苦虫を噛んだ様にいやな顔をしていた。


「まぁ、とりあえず実践だな」


そう言ってダグラスが懐から何かを取り出した。


「ねこたま?」


そう、こぶし程度の大きさのねこたまだった。

見た目は人形なのだがこのギャング顔にはとてつもなく似合わない。


「ボスの端末だ。くそったれな見かけの割には携帯電話より役立つんだよ」


じゃなきゃ誰が使うかよ…と悪態を付き、ねこたまの頭を押した。


『それではそれでは、チュートリアル開始だよ』


それからねこたまの声が聞こえたと思った途端に俺たちは転送された。

拠点=地下、国、町、村、空、無し

サイコロ判定=5の空

新キャラ=鬼、エルフ、妖精、人、天使、機械

サイコロ判定=4の人

追加人設定=王族、貴族、同郷、奴隷、人工物、幽霊

サイコロ判定=3の同郷

どんな人=高校生、年下、年上、犯罪者、精神異常者、ギャング

サイコロ判定=ギャング

性格(二回判定)=1に近いほどに善人で善行、6に近いほどに悪人で悪行

サイコロ判定=3、6でそれなりに優しいが目的のためなら悪行有り

『総評』

ダグラスさんが任侠の人になった。

こういう時って現地の人が案内するんじゃないのかな。

というか私は任侠とかギャング作品見ないからあまりわからんよ。

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