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長禄の合戦 金ヶ崎城合戦

敏景の陣

よーし腹ごしらえじゃ腹ごしらえじゃ。


おーどうした穂積


大将。今日は鍋に入れる(するめ)と煮干しは無いんで?味がだいぶ違うんで。


悪いのう。

敦賀が取られて手に入らんでのう。


なんだって。

陣がざわついた。あいつら。海の幸を独り占めか。

怒号も聞こえて来た。

これから戦う相手。

親戚も居る。

怒る理由が必要だったのかもしれない。


大丈夫じゃ。

落ち着いた不思議と安心を誘う声が告げる。

この敏景が約束する。

戦に勝ったらそなたらは。おう橋本其方もじゃぞ。

金ヶ崎城を救った英雄じゃ。

功があった者には褒美は弾むし、無くてもガニ(かに)か鯛にささ(酒)を付けよう。

皆で生きて勝利の美酒を飲もうて。

あっ、相太は弱い故飲み過ぎるなよ。


昼の刻

おー盛大に煮炊きをした故敵も布陣が終わっておる。

馬に馬銜(ハミ)は噛ませたな。

よしゆるゆる進め。


半刻後

甲斐勢より

武衛殿は分家の小僧との嘲笑しきり。


殿。丘の上の敵の物見が帰りました。


戻る様子は?


ございません。


もう甲斐勢しか見えんか。笑


良し織田殿に伝令。武衛殿が突っ込む前に動こう。


これからの動きを天頂から眺めると

第一陣甲斐

引き続きゆるゆると前進

第二陣織田

斜め横に転進

第三陣朝倉

織田の後ろを超え更に転進


半刻後

月型の丘の後ろに3時方向半時計周り半包囲終了。


殿。

甲斐殿より時計周り9時に騎馬隊により敵側面を突く動きを実行との事。


よし、暫し待て。


次なる伝令

武衛殿、騎馬隊を抑える為予備の騎馬隊を充てたとの事。


良し丘に登れ。

ドラ。

どわーワーン・どわー〜ん。


織田勢・朝倉勢前進が側面より突っ込む。

完全なる不意打ちであった。

前方に備えていたところの左手からの攻撃。

大半が右利きであり対処が遅れる。

更に旗の家紋が同じであった為混成部隊の弱点を晒した。

同士討ちである。


その状況を本陣は把握する事が更に遅れる。

同じ旗である為敵が突入している事自体が分からない。

全て後手で有り側面からの攻撃に備えていた予備の騎馬隊を戻すには敵騎馬隊を潰し前進するか回頭するしかない。

しかし、間を自分達の隊が、塞ぐ。

更に騎馬隊を率いて敏景が背後まで周り込んだ。

即ち退路を断たれたと言う精神的動揺。


もう勝負は着いていた。

惨敗である。

義敏は逃げた。

大樹の怒りも恐れ周防(山口)の大内義弘の元まで。

後、越中・能登・加賀の軍勢が乱入。

踏み止まった堀江討ち死に。

義敏方は越前から撤退。

斯波の当主は義敏の息子松王丸が継いだ。

御歳3歳。

甲斐常治は戦直後に京にて亡くなり、今後朝倉氏の影響力が高まっていく事になる。

有力家臣に過ぎないが23回の戦で負け知らず。

実力にて歴史に名をきざんだ。



長禄の合戦終了です。

英林孝景はどんなに悪く書かれても、必ず部下に慕われたと書いてありますね。

実は本当の主人公まだ登場してません。

この複雑怪奇な時代をもてあましてます。

義敏もこれで終わりませんし笑。

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― 新着の感想 ―
 応仁の乱の前後の時代に関心があって、拝読しました。  中世の混沌が感じられ、興味深くて、面白いです。 「実は本当の主人公まだ登場してません」←あれ? 主人公は朝倉英林孝景だと思っていたのですが………
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