朝倉英林壁書 家臣の評価
朝倉英林壁書
第一条 宿老
朝倉の家では宿老を一定に定めてはならない。
彼自身の能力と忠節にて登用せよ。
第二条 団扇・奉行職
代々その役職であると言うだけで軍奉行やその他奉行職を任じるな。
第八条 家臣評価
身体付きが悪くとも勇敢な者には情けをかけよ。
また、臆病で勇気無くとも体格が立派で印象が良ければ共や使いの役に立つ。
両方欠けたる者を扶持するは所領の無駄である。
第九条 家臣評価
良く奉公した者と無奉公を同じく扱うな。
何で忠節を尽くし奮い立つ者があろうか。
府中
奥座敷
武衛様。まだ怒ってらっしゃいますや?
敏景か。
お主らこそ何をしておる。
わしを武衛として分家より迎えておきながら守護代全員がわしに反対するはおかしかろう。
幕府が間に入ってやっとわしが府中に帰れる等面目丸潰れじゃ。
甲斐も国人達に代官職返すが和睦の条件であったに。一向に進んでおらん。
はっ、義敏の敏の偏諱を受け教景から敏景に名を改めましてよりこの敏景の心は武衛様と一緒に有り申す。
然るに、武衛と言う威は更なる威である大樹(義政)殿には勝てませぬ。
甲斐殿の後ろには幕府がおりますれば。
大樹は関東公方討伐の為武衛殿に三カ国の兵をもってこれをなせとの事。
この度の和議も関東に入れずにいる堀越公方を武衛殿が助力出来る様にとの御意志。
ここは御役目に注力されたく。
敏景わしに意見するか?
なんなら敏の字を返すか。
わしにはもう堀江ら国人達がついておるし、将景らもついておるわ。
叔父御達も!
なるほど。
武衛殿の織田殿がかねてより剣神社の出ゆえ武威のある家紋が、欲しいと申しておりました件
我が朝倉の三つ盛り木瓜を差し上げようかと思っております。
宜しいでしょうか?
何故今その話を。
わしの二両引きは足利の証。
幕府の許しなく容易くやれぬが。
お主の木瓜紋も源頼朝公より直に授かった由緒ある紋であろうに。
はっ、某の先祖が関東に出現した白猪が誰も倒せなかったところ見事討ち取った褒美の家紋。
間も無く尾張に下向なさる織田殿へ手向けとして差し上げたく。
まあ、良かろう。
同じ越前ならややこしいが尾張ならまた相見える事そうあるまい。
それでは我と甲斐殿の軍は伊豆に赴く準備があります故。
ふん、まあ行くが良い。
帰る処が有ったら良いがのう。
武衛様
これは武衛様への御下命。
武衛様も準備をお願い致しますぞ。
朝倉家条々で教科書に載ってますよね。
覚え書きとなってますが
非常に現実的な領内の法で初の戦国大名としての萌芽の現れといえます。