オゾン層
オゾン層の果てまで翔んでいけたなら。
今にも背中から真っ白、あるいは底の見えないような黒の翼が生えそうだ。
私は今すぐここから大空へ、広くてどこまでも続いているあの大空へ飛び立ってしまいたい。これはきっと、本当は私は鳥や天使だったに違いないからであろう。この地面に両足をつけて歩いていくのは、私にとって狭く、醜く、生きづらい。澄んだ青空に手をかざす。太陽の光が指と指の間を縫って目に入る。なんて美しいんだろう。
そうして私は2つ付いている肩甲骨辺りから日光を浴びて目を細めてしまう程眩しい、白い翼を生やした。