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ショートショート3月~エッセイ特化編~

いい大人になった時にちょっとだけ思い出してほしい、喪服に関する事

作者: たかさば

 どうも、どうもどうも。


 現在喪服を所有していないものです。

 本日はお葬式の時に着用する黒い服について思うところをつぶやいてみようと思います。よろしければお付き合いくださいな。


 私がはじめて葬式というものに参列したのは、小学5年生のころです。父方のおじいさんがなくなって、初めて葬儀場に足を踏み入れましてね。

 昔って近所の人も呼んだりして盛大にやってたんですよねえ。お経は長いわくそ暑い時期に扇風機がひとつしかないお寺にすし詰めにされるわで、なかなか悪印象がものすごくてですね。最後のお別れだから見ておきなさいと、ほとんど交流がなかった人の亡骸を見せられ、なかなかにこう…苦手意識のようなものが生まれてしまったことはまあ置いといてですね。


 お葬式に参列する時って、喪服を着用するじゃないですか。中学校~高校は制服が使えるのですけど、それ以外の時期に葬式に参列する場合、喪服を用意しないといけないわけでしてね。

 当時小学生で制服を持っていなかった私は、黒っぽい服を着て参列することになったんですけれども…黒系の服を一枚も持っておりませんでして、祖母の持っている黒い服を借りていくことになったんですよ。

 もうじき制服を買うし、成長期だし、わざわざ新しい服を買う必要はないとのことで、真夏の暑い時期に黒いタイツに黒い毛糸の巻きスカート、セーターを着せられまして、あせもだらけになって大変でした。当時から私は体格の良い子供だったため、ごく普通のSサイズを着こなしていた祖母の服は小さすぎて、通夜と葬式の二日間が苦行でしかなくてねえ……。まあ、ろくでもないエピソードはさておき。


 その後、制服があった六年間は葬式に参列することがほぼなくて、大学に入学した時に、絶対に使うから喪服一式は買っておけと言われたんですよね。わりとうるさく言われたので、自腹で揃えたんですよ。初めてのバイト代が半分以上吹っ飛ぶレベルの結構なお値段でした。

 ところが、その喪服一式、祖母が三~四回ばかり借りて着て行っただけで…自分は袖を通すことがないままサイズアウトしてしまったんですよね。

 いつか痩せた時に使うからとタンスの肥やしにし続けたのですが、結局やせることはなく、加齢に伴いデザインも明らかに不相応な感じになってしまって、着ることができなくなったのです。


 葬儀というのは頻繁にあるものではないので…、急にお葬式があったら、とりあえず着られるものを買って、参列をすることになりましてねえ。

 で、着用後にクリーニングに出して、しまいこんで、また葬式があったときに引っ張り出してみればサイズアウトしていて…みたいなことが何度かありましてですね。


 ふと気が付けば…、クローゼットの中に黒い集団がわんさかとですね。


 不要品を処分している時に、ふと…、昔、ふくよかなおば様方が和服の喪服を着用していたのを思い出したんですよ。


 和装ってサイズアウトする心配がないじゃないですか。和服を買っておけばよかったという後悔がぼちぼち脳裏をかすめましてね。

 和装の喪服は近しい身内しか着てはいけない的な礼儀もありますが、喪服が必要な時って…身内の葬儀がほぼほぼなんですよ。まあ、知人の少ない自分だからこそなのかもですけど、買っといたほうがよかったなあと思わないでもなくてですね。自分が体型維持ができなかったがために起きた悲劇であるという、残念な面はさておき。


 ちなみに、自身が一度しか袖を通さなかった喪服の皆さんは、ゼリーの詰め合わせやビールひとケースなんかと引き換えに、一回りふた回り小さなご婦人方にもらわれていきました。

 リサイクルってすばらしいですね、ええ。


 ということでですね。

 ある程度大人になりましたら、喪服を準備しておいた方が良いと言われる事がありますよ…、喪服を買おうと思ったならば、和服も考えてみるとよろしいですよ…というアドバイス的なものをしてみた次第です。


 よかったら参考にしてください…。

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