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Chapter 1 - 平凡な日常の中 (1)

"...."

夜に眠る夜は濃く孤独だ。

あちらでフードをかぶっている少女が平和で孤独な森の抜け灯と音楽で満ち溢れている場所へと向かう。


”やべぇ、楽しみすぎじゃん?”

にやりと笑いながらドラムとギターの音が響く閉鎖された製材所に向かった。


’やった!今日はここでアンダーグラウンドバンド[オーバーキル]が講演するって聞いたけど、本当だったんだね。’

少女は前に’立ち入り禁止!’と書いてある板が、ゲートをふさげていた。

幸いジャンプで通れる高さだったので無視してジャンプしてゲートに向けて中指を立てた。


’ゲートなんてクソ食らえ、今宵は私の物よ!’


そしてその少女はフードを後ろにめぐって顔をさらした。

そう、その少女の名前はキヨ・ホシノ…’私’だった。


今日は特別な日だ、アンダーグラウンドバンドの中で一番ハードコアなファンキーロックを奏でるオーバーキルがルナティック島の閉鎖された製材所で講演するなんて…!


ゆっくりと足を運び製材所へと向かうとドアーの前には酒に酔って倒れてる人がいた。まあ、あれは何の興味もない。


もちろん、私が興味あったのは三人の少女と巨体のガードだった。

そして三人の少女は普通の少女でもなかった。


確か私が知っている少女たちだった。

ウィットニー、アジュール、キムがいた。


”あれ?みんながなんでこんな場所に?”

私は少し早歩きで彼女たちに近づいた。


”あ、キヨさん…!”

アジュールは笑顔で私を迎えてくれた。


”おぉ、いいタイミングに来てくれたね~!”

そしてちゃめけなキムは両手を腰においてアジュールよりにっこりとした。


”まったく、お嬢ちゃんたちがいい気にして集まってね。みんなチケット持ってないなら出ていけ。”

みんなの前に立っているガードのおじさんは手をブンブン振りながら出ていけと言った。


”一体誰に帰れって言ってるの?はい、ちゃんとチケット持ってるよ?”

私はスマホにあるオンラインチケットの画面を見せた。ガードは確認するとそれでも不機嫌そうにしている様子だった。


”君は入っていいけどこの三人はだめだぞ。”


”ねぇ、おじさん。私たちも入りたいの、本当に!”

キムが色仕掛けを使おうと体をぐにゃぐにゃしてたけどだめそうだった。


”あぁ、もう鬱陶しいな!金どれくらい欲しいの?”

ウィットニーは自分の財布を出しながら質問したけど、ガードは動く気配もなかった。

ガードはウィットニーの’賄賂作戦’にも反応することなく耳を閉じていた。

しかし…


”お、おじさん…お願い、入らせてくれませんか…?”

アジュールが涙を目に浮かべて今にでも泣きそうな顔をしていた。その姿を見て慌てだしたガードのおじさんは目を泳がせながら視線をよけようとするが、片目でチラッとアジュールの泣きそうな姿を見るとふぅとため息をついた。


”はぁ、そうか、入ってもいい。問題起こすんじゅあねぇぞ。”

ガードのおじさんはドアの前から少し退いてくれた。


”あっ、本当にありがとうございます!”

アジュールは涙を拭いて喜んでいた。


”…ふん”

ウィットニーは予想通りまだ’ふん’と腕を組んでいるだけだった。


”みんな、早く!おじさんの気が変わる前に入ろうよ!”

私はそう言って製材所のドアを開けて素早く入った。


”アジュール、よくやった!ナイス!”

キムが親指を立てながらアジュールを褒めた。


.


.


.


”ふぁ~、やっと入って来れたね。オーバーキルの舞台!”

私は両手を上にあげてハハッと笑った。


”キヨ、どうやってここを知って来れたの?”

ウィットニーが私に問いかけてきた。


”私こそ聞きたいんだけど、あなたたちはどうやって知って来れたの?オーバーキルってそんなに有名なバンドでもないのに…”

私はどうやってこんな場所までこれたのか気になっていた。


”えぇ。キヨさんがこの前メールでシェアしてくれたじゃないですか。講演ポスターも見せてくれたし…”

アジュールがゆっくりと説明してくれた。


”あ、それでこうやって来たの?”

それにしても何の用なんだろう…?


”うん、ロックについてもっと勉強してみようと思ってね!しかし、なんのことやら!無料公演だと思ったのに有料だったね!”

キムがそうやって説明してくれた。無料公演だと思ったって、ポスターに堂々とチケット売り場のサイトが書いてあるのに…


”ふん、キムのバカみたいな’とりあえずやってみよう!’計画は盛大に失敗してだめになってしまったけど。”

ウィットニーはそんなキムの無謀な計画に嫌気がさしたように顔をすっと避けていた。


”あははは…”

私は焦ってそのまま後上触るしかなかった。

せっかくロックバンドメンバー同士で集まってるんだし楽しんでみようかな…


”とりあえずこっちに来て飲み物でも持って行こう!”

ゆっくりと足を運び仮に作られているようなバーに向かった。


”いらっしゃい、お嬢ちゃんたち。何にするかい?”

バーに立っている髭の生えたおじさんが私たちに声をかけた。


”コーラ、四つ。”

私は淡々とそう言った。


”あ…私はサイダーでお願いします。”

ウィットニーが言った。


”あら、うちのウィットニー暗いのが苦手なんだね?”

私はいつものようにウィットニーの好みをいじめた。


”暗いのが苦手だったらこんな暗い森の中に来ないでしょ、バカ。”

いつものように、ウィットニーは悪口で返してくれた。


”あ~、はいはい。私も好きだよ~”

私は彼女の悪口を流しながらコーラを受け取って蓋を開けて三人に渡して瓶を持った手を持ち上げた。


”乾杯!”


”””乾杯!”””

みんなが蓋を持ち上げてゆっくりと炭酸が少し溢れそうな甘い飲み物を口にした。

キムは蓋を一気に空にして”きゃ~!”という音と息を吐きだした。

他の人たちは飲み物をある程度残したまま蓋を下した。


”しっかし、ここに来たのなら修羅場に入ってみないとね。部隊の前行く?”

私は口を開いてそう提案した。


”修羅場だって?私はいいよ!”

キムは興奮して顔を激しく頷きながら反応した。


”へぇ~、なんとなくだけどおもしろそうですね。もちろん少し緊張するけど…”

アジュールは緊張して大人しくしていたけど、特に反対する気はないと言わんばかりに顔を頷いた。


”…ふん、こういう時に限って気が合うんだから…行こう・”

ウィットニーは彼女の特有の’ふん’という声を出して蓋に残っている飲み物を一気飲みして顔を頷いた。


ゆっくりとみんなが舞台へと足を運んだ。そして…


”イェェェェーイ!!”

…とポンポンとジャンプしているボーカルとそれに合わせて情熱的な演奏しているバンドが目に入った。

ライトがあっちこっちでキラキラと輝きながら舞台と観客たちを照らしていた。


”うわぁぁぁぁ…ここ本当にすごいですね…!”

アジュールは関心して目を丸く開いていた。


”すごいってだけじゃないよ、演奏すごいな~!”

キムはもう体を音楽に任せたのか軽くリズムに乗っている。


”ふっ、すごいね。ここに来てよかった。”

ウィットニーはただ腕を組んだまま軽く笑みを浮かべていた。


”ははは、ここでこうやってみんなが集まっていると本当にすごいな!”

観客もみんながそれぞれリズムに乗ったりヘッドバンキングをしながら、現場の空気を熱く盛る上げていた。


私たちもその雰囲気に乗って体を揺らしたり軽く踊り始めた。

みんながハハハと笑いながらすごいロックフェスの雰囲気を楽しみながら夜は早く過ぎて行った…


.


.


.


そして世は明け朝日が昇り始めた…

せったくカーテンでふさいでおいたのにもかかわらず朝日が部屋を明るく照らした。

その時着た服を着たままベットで寝ていた私を鏡で見ることになった。


目をゆっくりと開けて手をベットの下に出して飴箱を探し始めた。

手に何かが引っかかって動かしてみると何かが手に捕まった。


’当たりだ…!’

そのまま手を引っ張ってみるとこれは…ビール味の飴だった。


’今日の朝飴はこれか…’

なんか足りないと思ったら朝の音楽を流してなかった。

ブルートゥーススピーカーにスマホを繋げて指をしゅっしゅと動かしたら魔法のように音楽が流れ始めた。


モーニングソングに合わせてゆっくりとしたテンポと低い音が特徴のロックバラードの音楽が流れた。

ゆっくりと耳を満たすにはちょうどいい曲だった。


”キヨ、起きて!朝ベーコンサンドイッチできたよ!”

ゆっくりと音楽を聴いてると下の階からママが大きな声で私を呼んだ。


’もう朝ごはんの準備終わったのか…’

ゆっくりと起き上がって目を丸くしたまま時計を見つめた。


’…ち…ちぃ…’


”遅刻だぁぁぁぁぁ?!?!”

のんびりと飴なんか舐めている場合じゃない、スクールバスが来るまで20分しか残ってなかった。

私は素急いで飴を捨ててスマホを手にもって会談を走るように降り素早くキッチンに向かった。


”ママ!なんで早く起こしてくれないの?!”

私はママに大声で叫んだ。


”そりゃ、うちのかわいいプリンセスが昨日は夜遅く帰ってきたし、早めに起こすときっと’なんでこんなに早く起こしたの?’って怒るに決まってるからね~。妹のユイとお父さんはもう車で出発したよ?”

ママはいつものように皮肉るような言い方で叱り始めた。いくらなんでも起こしてくれてもいいじゃん…


”ママ、今スクールバスが来るまで20分しか残ってないから、朝ごはんは抜きにしてもいい?”

今から急いでも15分くらいかかるのに残りの5分を食事で埋めてしまうと危ない!


”ふうん?それじゃ、サンドイッチに入ってるベーコンでも食べていきなさい。”

’そんなに急ぐ必要ある?’って顔で見つめるママ。


”いいアイディアだね、ありがとう、ママ!”

急いでリビングに駆け寄りテーブルの上に乗せてあるサンドイッチの間に挟まっているカリっと焼けてあるベーコンを口の中に急いで入れて、扉を開け外に出ようとした瞬間忘れ物を思い出した。


”あ、バック。バック!”

急いで会談を駆け上がり学生用のタブレットが入ってるスリングバックを手に取り、扉の外へ向かった。

道路は出勤する大人たちの車で少し渋滞気味な状況だった。


’このままだとバスも遅れてるはず、今のうちに急ごう!’

私はそのままバス停に向かって全力疾走し始めた。


.


.


.


’ふぅ、セーフ。周りに生徒は誰もいないし、ちょっと早く来れたのかな?’

周りに誰もいないので私もそれなりに早く来れたみたいだった。

…と思っていたけど隣で聞き覚えのある声が聞こえてきた。


”あ、キヨさん…?”とアジュールが私に声をかけてきた。


”ふぅ…ふぅ…あ、アジュールおはよう。”

私は息を整えてアジュールにあいさつで答えた。


”おはようございます。キヨさん。もしかして…走ってきたんですか?”

アジュールは私が息を整えてる姿を見てそう話した。


”そうそう、バス逃すかと思って全力て走ってきたよ…!”


”へぇ、そうですか。私はバス停と近いのでゆっくりと歩いてきましたけどね…”

アジュールはにっこりとした表情でキョトンと顔を傾けた。なかなかかわいい姿だった。


”ハハ、それはうらやましいな。”

私はバス停の椅子に座ったままバスを待っていた。


”どういうことは、ここの近くに住んでるってこと?”

私は彼女に質問した。


”はい、近所に住んでます。”


”ということはなんで私はあなたをここの近くで見れなかったんだろう?”

私は彼女に質問した。ここに住んでいるのなら何回か会ったよしてもおかしくないはず。


”私、普段は自転車で登校しているんですけど、昨日自転車が…えっと…消えたんです。”

あ、自転車を盗まれたのか?それは運がないね。


”それは残念だね。”

顔を頷いた。

”いいえ、もう古くてガタガタしてる自転車だったので大丈夫ですよ。”

顔を左右に振りながらアジュールは大丈夫と話してくれた。


”ハハハ…あ、バス来たみたい。”

バスがゆっくり減速してバス停の前に止まった。

アジュールと私は扉が開くなりバスに乗って同じ席に座った。


私はゆっくりと窓の方に体を傾けてイヤホンを耳にし心地良い音楽を再生した。

窓の外に見える無数の風景が目に入ったけど疲労が溜まっていた私は目を閉じ段々と眠りに落ちた…


.


.


.


-To Be Continued-

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