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606/607

606回目 狂った神獣、残党戦

この作品が終わりに近づいている事もあって、新しい作品の投稿を始めました。


タイトルは『勇ましき者が極めるは道 ~任侠道を極めた漢、ダンジョン世界を無双する~』です。


面白く書けてると思うので、ぜひ一度読んで見て下さい。あらすじから読むのをオススメします。


「急げ! 気絶している今がチャンスだ!!」



 ウシュムガルが気絶したのを確認した俺は、仲間と共にウシュムガルの頭部近くに集まった。そして、スキル倉庫から出した大量の爆弾を設置していく。


 巨大生物を気絶させられたら爆弾。それはモンスターをハントするゲームで培った俺の常識だ。もし、強力な幻獣との戦いの中で相手を気絶させられた場合は、こうして爆弾を設置すると言うのは、仲間内で決めておいた事だ。


 まさかそれを神龍相手に試す事になるとは思っていなかったが、むしろ好都合だ。


 手持ちにある爆弾は、そのほとんどがダイナマイトだが、これだけ大量にあればかなりの大爆発になるだろう。たとえ神龍となったウシュムガル相手でも、大ダメージを与えられる筈だ。



「! ガモン、今ウシュムガルの魔力が動いた!」


「クソ! もう目覚めるのか! 退避だ! ウシュムガルの後ろに回れ!!」



 ティアナがウシュムガルの目覚める兆候に気づき、俺達は爆弾からウシュムガルの身体を盾にするように背後に回り込んだ。俺の手には起爆装置が握られており、俺は走りながら爆発のタイミングを計っていた。



『グウゥゥ…………ム? な、何が…………?』



 背後の方からウシュムガルが唸る声が聞こえたのは、仲間達がシエラの構えた『七星の盾』の後ろに入ったのと同時だった。



「全員、衝撃に備えろ!!」


『…………なんだこれは?』



 どこか呆けたようなウシュムガルの声は、俺が押した起爆スイッチの直後に起きた大爆発の中に埋もれて消えた。


 途轍もない大爆発がウシュムガルを呑み込み、爆炎と衝撃波が俺達をも襲う。


 ガチャから出た爆弾は、そのほとんどが俺の『スキル倉庫』で死蔵されていたのだが、その全てを出し尽くした大爆発は、俺の想像以上の物となった。


 ☆5『七星の盾』によって護られているから俺達は無事だが、結界の外を流れる爆炎に途轍もない恐怖に襲われる。


 多分、『七星の盾』の影に隠れずに通常の装備でガードしていたら、爆炎と衝撃波、そしてそれに伴う爆発音によって死んでいただろう。少なくとも、それ以降に戦える様な状態ではいられなかった筈だ。



『グゥ…………オォオォォ…………!!』


「…………まぁ、そりゃこの位で倒れてはくれねぇよな…………!」



 爆炎の中にまだウシュムガルの姿は見えないが、その強烈な怒りを感じる呻き声を聞きながら、俺は少し身を震わせた。



 ◇



 一方、我聞達が居ない『方舟』の周辺では、我聞の仲間達が狂った神獣やその眷属との戦いを繰り広げていた。



『…………やれやれ。こんな事を言いたくはないが、神々も適当なものよな。『方舟』の中ばかりに眼が行き、外の事が見えておらん』


「神々も浮ついているんでしょうぜ。なんせ、あと一歩という所まで『方舟』を追い詰めてんでやすからね」



 ウシュムガルのドラゴンブレスで崩れた☆5『◇天空城『レナスティア』の一部分、浮かぶ残骸と化した瓦礫の上には、幽霊状態のドゥルクとバルタがいた。


 浮かぶ残骸となった部分は特になんの力も無いが、元が『レナスティア』の一部とあって魔力との相性が良い。


 ドゥルクはその瓦礫に魔力を浸透させる事で、バルタと共に戦場を飛んでいた。


 神龍となった『ウシュムガル』が『方舟』の瘴気や狂った神獣を喰い荒らした時に、『方舟』からは多くの狂った神獣が逃げ出していた。それは自我では無く本能によるものであり、『方舟』にばかり注視していた神々はそれを見逃していた。


 バルタの言う通り、神々も『方舟』を追い詰めているこの状況に浮ついているのだ。


 狂った神獣が逃げ出した場所は『方舟』を中心に広範囲に広がり、ここまで広がってしまっては☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』も意味を成さない。


 それ故に、現在はこの場にいる全ての戦力を投じて、狂った神獣との総力戦をしている所である。


 ドゥルクとバルタは広大になり過ぎた戦場を回りながら、戦力的に薄い所を補強して回っていた。


 大きく広がり過ぎた戦場は外側をアラムとカイザー・ジュエルドラゴン率いるジュエルドラゴン部隊と『キャンパー』が操る無数のドローン部隊が囲んで戦場の外に出ようとする狂った神獣とその眷属を足止めし、それを内側の戦力で挟み打ちにする形でなんとか食い止めていた。


 一見すると、狂った神獣は数を減らし、新たな戦力が『方舟』から出て来る事はないからこのまま殲滅できそうに見えるが、狂った神獣の出す眷属は、弱いが数がとにかく多い。その為、このままだと自分達の武器や魔力が先に疲弊すると、ドゥルクは考えていた。



『ぬぅぅ。小動物型の神獣は弱いが、生み出す眷属数が多すぎる。眷属の特性となる呪いや疫病を防げているから戦線を保っていられるが、このままではそれも長くは持たんな…………!』


「仙酒はともかく、ガチャ食材の料理は食うにも時間が掛かりやすからね。今はローテーションがまだ生きてるんで保ってやすが、もうちょい余裕が欲しい所でやすね…………!」



 と、ギリギリのバランスを保っている戦場だったが、その様相はあと少しで一変する事になる。


 水と浮かぶ陸地の世界となった星の裏側から、多くの戦力を積んだ大量の飛空艇が戦場へと迫っていたからである。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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