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565回目 残せる物

 陸地が空に浮かぶという、今はまだ信じがたい、だがいずれは当たり前になるであろう景色を眺めながら食べるルカタルトの料理は最高だった。


 食事をしながら仲間達と意見交換もした。


 俺がスキルの大部分を失う事については、確かに痛手なのだが、ガチャについてはそれに頼りきる訳にいかない事は前々から解っていた。


 これは、俺が生きている間だけ使える限定的な力なのだ。俺に子供でも出来れば、スキルが受け継がれる事もあるとは聞いた事もあるが、それにしたって『ガチャ・マイスター』が丸々受け継がれる事など無いだろう。精々が分割されたスキルの一部とかになる筈だ。


 だから、ゲンゴウなどは俺のガチャアイテムから出て来る地球産の品々を、この世界で再現しようと頑張っている。一番研究が進んでいるのは化粧品関係だが、既に駄菓子の幾つかを似たようなクオリティで作ったりしているので、カップラーメンなどのインスタント食品の開発にも期待している所だ。


 ちなみに、☆4『◇キャンピングカー』や☆5『◇天空城『レナスティア』』などの、俺しか使えないタイプのアイテム(クラッシュレア)については、血縁関係での譲渡は出来る、とレティアが前に話していた。…………まぁ、未来の話ではあるのだが。


 だから、スキルの弱体化については俺の仲間達にも割りと受け入れられている。問題は何を失い、何が残るか、だ。



「代償については了解した。代償を払うのは、世界を変える時でいいんだよな?」


『そうだね。君が『魔神のサイコロ』を使う時に、僕らは君のスキルを通じて君の魔力回路を上書きする。そして、その回路を利用して☆5のガチャアイテムを改変する世界に溶け込ませて、世界を神々の力で安定させる。世界に☆5のガチャアイテムが完全に吸収されて溶け合うまでには数ヶ月掛かるだろうね。その間だけなら、僕らは改変後の世界に干渉出来る』



 コーヒーを飲みながら俺達の前に座っているのは運命神ダイスだけだ。創造神ジーウスはこちらをダイスに任せ、他の神々や、今回参加している王侯貴族達の相手をするために向こうの島に残ったようだ。


 創造神は神々の中でも立場が上らしいので、そのトップの話を聞いておきたい者達が多かったのだろうと、ダイスは言っていた。



「…………つまり、『方舟』との戦いの中では、俺はもうスキルをマトモに使えない訳だな…………」


『そうだね。でも、『方舟』との戦いに必要な、最低限の☆5アイテムは残すから、☆5アイテムが完全に失われる訳では無いし、君のステータスや得たスキルも失われないよ。それに、フレンド機能にフレンドチャットも残るから、一人でもないよ』



 ダイスの言いたい事は解る。だが俺からしてみると失う物は大きい。それもラスボス戦の前にゴッソリ無くなる訳だから、不安にもなるってものだ。



『取り敢えず『安心』を一つあげるよ。☆5『◇天空城『レナスティア』』は残る。あれは『方舟』との戦いにも、その後の世界にも絶対に必要だからね。どう? まずはひと安心でしょ?』


「…………そうか、正直『レナスティア』が残るのはデカイ。俺は『レナスティア』その物だけじゃなく、管理AIの『レティア』も戦力に数えていたからな」



 あの『方舟』との戦いでは、全体を見れる眼が絶対に必要だ。俺は『レティア』ならそれが出来ると考えていた。



『それと、☆5『◇創造神の『神威』工房』も当然残る。あとは☆5『桃源の酒泉』とかもだね。ただ、この辺りの強力なアイテムを残す以上、これ以外に残せる☆5アイテムは少ないよ? 特に装備に関してはほとんど残らないと覚悟しておいて。『方舟』との戦いでの主力装備は、☆4になる』


「解ってる。大丈夫だ」



 その話は、先程の仲間達との話し合いでも出てきたのだ。それに、☆5装備は性能は凄いが数が少な過ぎるのに対して、☆4装備は性能面では☆5に劣るものの、☆5『技巧神の大工房』で量産できる。これなら頑張れば、全員に行き渡るのだ。



『…………世界の改変をいつにするかはガモンに任せるけど、絶対にやっておいた方が良い事を伝えておくよ』


「絶対に? それは?」


『☆5『技巧神の大工房』や、☆5『飛空艇造船所』は残せない。それに☆5『ジュエルドラゴン製作キット』もね。ああ、勘違いしないように言っておくけど、その二つのアイテムが消えても、造った物までは消えないからね。ただ、そのアイテムを使って新しく生み出す事は出来なくなる』


「…………☆5『技巧神の大工房』に☆5『飛空艇造船所』もか? …………それは、キツイな」


『あれらまで残しちゃうと、少し足りなくなる恐れがあるんだよ。だから今の内に大量生産をしておいて。同時に、『飛空艇』の作り方も習得した方がいい』


「習得? 出来るのか?」


『『飛空艇』の方なら、出来るよ。あれはあくまでも設備だから。『飛空艇』を造るのに必要な材料は、『レナスティア』の浮島にあるダンジョンで手に入るし、ドワーフやエルフに頑張って貰ってくれ』


「…………お、おう。そうするよ。…………ジュエルドラゴンも、可能な限り作っておくか…………」



 これまでも準備はしてきたつもりだが、ここからは更に大変な事になりそうだ。

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