表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/607

56回目 五千回! ガチャ祭り!!

「…………うわぁ、これは壮観だね」


「ヤベェ光景ですぜ。ただただヤベェ」


「これが、ガモン様のお力ですか…………。想像以上です…………」



 仲間達が目の前の光景を見てドン引いている。うん。俺もドン引いている。いやだって、五千回のガチャを引いた所までは良いとして、それを部屋に並べるなんて正気の沙汰じゃない。


 なにせ五千回だ。俺はただガチャを引いて物を出す人になり、出て来た物はゲンゴウの部下達が並べていったのだが、終わってから部屋の中を見渡して顔が引きつったもの。


 まあ結局、部屋には並べきれないので倉庫に移動はして来たんだけど、それでも一目見てヤバイ量があった。


 だってドラム洗濯機とか冷蔵庫はともかくとして、大型バイクとか自動車とかまで出て来ちゃってるもの。って言うか、☆4の『キャンピングカー』も出て来ましたよ。クラッシュしてないヤツだけど。


 え? ☆5とかは出て来たのかって? いやぁ流石は万分の一ですわ。五千回引いても出なかったんだなこれが。


 ちなみにクラッシュレアもありませんよ? ☆4のクラッシュレアも、その確率は万分の一だもの。出ませんとも、ええ。普通の☆4が精々ですよ。



「いや素晴らしい! これは素晴らしい品々ですな!! それにトイレットペーパーやシャンプーなどもこんなに! さらにこの化粧品はもちろん避妊具! これが素晴らしい!!」



 大興奮。ゲンゴウの今の状態を現す言葉として、これほど的確な言葉は無いだろう。ゲンゴウは倉庫に所狭しと並べられた品々の間を縫うように、ひとつひとつを手に取っては、満面の笑みを浮かべていた。


 まあ、満面の笑みを浮かべてるのは俺も一緒だけどな。なにせ俺の『ガチャ・マイスター』に、新たなガチャが加わったからだ。


 その名は『食品ガチャ』。これが解放される条件は『ガチャから百種類の食料品を出す』だったのだが、それを合間に何十回か引いたノーマルガチャで満たした訳だ。


 ノーマルガチャからは漫画も何冊か出て来たし、ウハウハですよ。



「しかし、ノーマルガチャと言うのは曲者ですな。基本的には☆1や☆2の菓子しか出て来ないにも関わらず、他のガチャを解放する為の鍵になっている。他のガチャを出現させたいならばノーマルガチャを引くしかないとは、中々にエグいスキルですな」


「基本のガチャだから引かない訳にいかないってのはツラかった。一回金貨一枚だから、正直カラーズカ侯爵やティムの助けが無かったら、こんなに早く他のガチャを解放する事なんて出来なかったでしょうね。もちろん、ゲンゴウ殿にも感謝してます」


「いえいえ、こちらはあくまで商売ですから。…………本当ならば、その食品ガチャという物からどんな食品が出るのかも見たいのですが、まずはコチラを片付けるのが先ですな。まずはワシの取り分から行きましょう」



 この場に並んでいる数々の品々から約七割が、ゲンゴウの取り分となる。さすがに白金板五枚(五億円)も出して貰って、うめえ棒やチロリチョコなんて☆1の物を取り分に混ぜるのは気が引けたのだが、意外な事にゲンゴウは嬉々として駄菓子を袋につめていた。



「いやいや、ゲンゴウ殿。その駄菓子は数に含めなくても欲しいならあげますよ?」


「いえいえ、しっかりと取り決め通りにお願い致します。例えワシが得をするのだとしても、取り決めを守らぬ者は商売人とは言えぬのですよ。取り決めを遵守する事は信用を得ると言うこと。それは商売人として当然の事であり、言わばワシの誇りですわい。しっかりとこの駄菓子は、取り分として頂きますわい」



 そう言ってゲンゴウは、部下に手に入れた物品のリストを作らせながら、しっかりと規定通りの取り分を受け取った。


 いやあ凄いなぁ。俺からの信用を得る為だとハッキリと口にして、しっかりと決めた通りの取り分だけを取るって、こんな事を目の前でやられたら本当に信用しちゃうよね。


 俺は立ち並ぶ商品の中で、分かる事はゲンゴウに説明し、分からない物は一度スキルの中にしまって、その説明文をゲンゴウに話して聞かせた。


 ゲンゴウはその一つ一つを手に取っては検分していき、分け前はマジックバッグに入れ、買い取りたい物は別の場所へと分けていった。


 ここで意外だったのは、ゲンゴウが『キャンピングカー』を含む車やバイク、そして家電などを買い取りたい物から外していた事だ。



「あの、車とか家電とかは買わなくていいんですか? 洗濯機も冷蔵庫も、まして電子レンジとか物凄く便利ですよ?」


「そうですな、それらの品々は確かに魅力的ではありますな。しかし正直な所、それらは試してみん事には価値を計りかねるのですわい。洗濯機と冷蔵庫に関しては、かつての勇者様が開発した魔道具がありまして我が商会でも取り扱っております。故にその差異をまずは知りたいのです。そして、クルマやらバイクやらは難しいですな。これこそ、正しく『未知』なる物ですからな」



 ゲンゴウが言ったのはごく当然の事だった。確かにこっちの世界の人々は、車もバイクもその実物に触れる事はない。


 でもそれなら試して貰えば良いのである。どうせシャンプーとかトイレットペーパーとかも試すと言っているしな。車やバイクも、試してもらおうじゃないか。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ