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558回目 集う神々

 数多くある世界の中で、さらに次元すら違う世界に存在する、神からすれば砂粒のように小さな星のひとつ。


 その件の世界の命運を、その砂粒程度の星が握っているのは確かなのだが、たった一粒の星の為に上位次元の世界に住まう神々が呼ばれると言うのは、永劫とも言える神の時間をして始めての出来事だ。


 たかが砂粒が! と、不敬の極みだ! と、その世界を消し飛ばしてしまえ! などと言う意見もあったのだが、それは一部の神の意見だった。


 大方の神々はこの砂粒からの招待状を歓迎し、喜んで協力すると準備を進めた。


 何故これ程までに協力的なのか。もちろん小さくて下位次元の世界でも、その綻びは無視できない。と言う理由もあるし、事が『方舟』を起点として起きている為に責任を感じている。と言うのもある。


 だが、数多の神々の中で最も多い理由はシンプルなものだ。


 …………神々は、退屈しているのである。


 故に、普段は世界の行く末などに全く興味も示さない神ですらも、我聞達がいる世界に興味をもった。しかも我聞は、世界を暴走した『方舟』の脅威から救う為に、世界の在り方から変えてしまうと言う。たかが人間が、世界の仕組みそのものを変えるなどと、興味を持たない方が無理と言うものだ。



『で、実際のところ、そのガモンってのは本当に世界の在り方を変える気なのかい?』


『世界を救う為に世界の法則から変えてしまうとはのぅ。世界を救う為に世界を滅ぼすと言っておるに等しかろうに』


『大体どうやって変えるのさ? 僕達『神々』を集めておいて、『お願いします』なんて言う訳じゃ無いんだろ?』



 我聞に興味を持った神々が、料理神『ルカタルト』から招待状を受け取った創造神の元にやって来た。


 その神々は、ただ漫然と集まった訳ではなく、下の次元に降りる為の体も用意してから集まっている。招待状が届く前から、創造神が参加する条件として『下の次元に降りる体を用意する事』と、出していたからだ。


 創造神、そして運命神は、この体の事について以外にも幾つか条件を出していた。それは今回の事に参加する神々を少なくする意図があっての物だ。


 何故なら、いくら力を抑えていたとしても、神々が大挙して押し寄せれば、結局そのエネルギーは膨大になり、世界が壊れる事に繋がるからである。


 だから最初から関わっている神以外には、結構厳しい条件を付けたのだが、それでもかなりの神が集まってしまったので、更に参加人数に縛りを付ける事にまでなった。


 その事に思いを馳せて創造神と運命神は密かにため息を漏らした。



『それで、どうなのだ創造神よ。そのガモンとやらは、本当に世界を作り変える事が出来るのか?』



 大柄な体を忙しなく動かしながら発言したのは猛獣神『クロブファイト』だ。その周囲には慣れない人型の体で格好が定まらないのか、同じ様に忙しなく動いている獣神達が並んでいる。


 集まった神々の視線を受けて、運命神『ダイス』が声を上げた。



『そうだよね、皆知りたいよね。じゃあ、この場で説明しちゃおうか。本当ならガモンに説明させたい所だけど、長くなりそうだからね』



 そう言って、ダイスはその手の中に一つのアイテムを出した。それは神々から見ても途轍もない力を秘めた()()()。本来ならば即座に破棄されるべき物であり、ましてや人の手になど渡ってはいけない狂った神器。


 ☆5のアイテムとして我聞の手に渡り、我聞が即座に封印を決めたアイテム。『魔神のサイコロ』である。



 ☆5『魔神のサイコロ』

 ・世界の在り方を変質させるサイコロ。何が起きるか解らないが、出た目によって必ず何かが変質する。

 ・それは良い変化であり悪い変化でもある。場合によっては、世界から魔法が消える事も、言語が変わる事も、生命体が別のナニカに変わる事 任意に世界を変質させる事ができる。

 ・『魔神のサイコロ』を破壊する事で、一度だけ任意に世界を変質させる事ができる。

 ・どの方法を取っても、一度変えた世界が自然に元に戻る事はない。



『知ってる者もいるだろうけど、これは魔神が作った失敗作のアイテムだよ。本来なら破棄されたアイテムで、今この手にあるのすらレプリカでしかない物だ。これの本物が、ガモンに与えたスキル『ガチャ・マイスター』から出現したんだよ。仕組んだのは悪戯神『ロゥギィ』。ちなみに彼へのお仕置きは済んでいる事も、明言しておくよ』



 悪戯神ロゥギィは、別名で『終わらせる者』や『破滅の使者』と呼ばれる神だ。その目的は『終焉』である。


 だが今回に限っては、この悪戯が鍵となった。



『このアイテムを破壊すれば、確かに世界を任意に変える事ができる。ただし、100パーセント失敗する。これは人が使えば、確実に失敗するアイテムなんだ。人が使えば、確実に邪念が入るからね。その綻びから世界が滅びる事も、容易に想像できる』



 故に失敗作。だが、それを成功させる抜け道もある。確信は無いが、我聞はそれに賭ける事にした。


 それこそが我聞が神々を呼ぶ本題だ。我聞は☆5『魔神のサイコロ』の調整を、神々に頼む腹積もりなのだ。

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モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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