536回目 『獣神』と『神獣』
『各武道大会、及び料理やコーディネートなどの各大会を開きながらデータを集めた結果、☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』は『方舟』との戦いでも有用だと判断します。闘技場の大きさも変えられるので、幻獣との戦いでも使用可能です』
「この管理は『レティア』に一任するのがいいだろうね。この闘技場なら、相手に対して味方の交代もできる様だし、凄くちょうどいいガチャアイテムだよ」
「ウム。☆5『◇創造神の『神威』工房』で☆5『神罰の鎖』の力を持たせた『神威』五体で縛れば『方舟』は動けぬ。そして鎖を一部緩めて外に出した『魔王』や『幻獣』を闘技場を使って個別に撃破する。…………何とかなりそうだの」
『☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』には『獣神』もいるのであろ? 何かあれば、それらに時間稼ぎを任せる事もできよう』
天空城の中庭、そこに出しっぱなしになっている『◇キャンピングカー』の中で、俺はレティア・アルジャーノン・ドゥルク・女神ヴァティーの四人と話し合っていた。
いや、天空城にはもちろん会議室とかもあるんだけど、落ち着くんだよ『◇キャンピングカー』。キャンパーがいるから給仕も頼めるし、何より秘匿性が高いからな、ここ。
ちなみにティアナとシエラにカーネリアの三人は、本日開催の『コーディネート大会』に審査員として招かれており、アレスはフラウスとの新婚生活で少しの間お休みです。俺だけヒマだったのだ。
ま、まぁ良いんだよそんな事は! 今はそれよりも☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』が『方舟』との戦いに使えるかって大切な問題があるのだから。
「そう言えば、闘技場の『獣神』って『神獣』とは違うのか? それとも、言葉がちょっと違うだけで同じものなのかな?」
『何を言うか!! 『獣神』と『神獣』は全くの別物じゃ! 妾はまだ許すが、そんな事を他の神に聞かれたら怒りを買うぞ! 二度と口にするでないぞ!!』
「お、おう。…………そんなに怒られる事だったのか」
獣神。確かにあの兎は強かった。体感的には魔王より強かったのは確かだ。あの杵を振り回す兎の姿は、何度か悪夢で見てしまった。
で、『獣神』と『神獣』の違いだが、これにはかなり明確な違いがあるのだと、ヴァティーが説明をしてくれた。
その説明によると。
『獣神』
・限りなく獣に近い『神』。見た目は完全に獣だが、その本質は神であり神域の力も使える。
・神であるがゆえに、その力は信仰心によって大きく増減する。そして自身と同じ見た目を持つ獣が周知されるほどに存在感も増していく。
『神獣』
・限りなく神に近い『獣』。その本質は獣であり、どんなに神に近い力を持っていたとしても、神になれる訳ではなく、あくまでも近い力を持っているだけである。
・神ではないので、信仰心などで力を得ることは無く、神界に行ける訳でもない。
「『神獣』は『神』ではない?」
『ウム。だから妾も、次元を越える為に力を落としたが本質は『神』であるから、『神獣』ではないのよな。かといって獣神かと言えばそれも違うのだがのぅ』
「一応、壁を越える例もあるよ? 身近なところだと亜神『ハクラテン』がそれになるね。まぁ正確に言えばハクラテンも『神』からは少しだけ外れるらしいけど」
『よう知っとるのう、アルジャーノン。その通りよな。力を落とした妾も『神界』には行けないが、ハクラテンは別の要因で行けないはずじゃ』
「よく知ってるって、僕はヴァティーから聞いたんだけど? まぁあの時は相当に酔ってたから、覚えてないかもとは思ってたけど…………」
『そ、そうだったかのぅ?』
フィッと目を逸らすヴァティーを、アルジャーノンはどこか呆れを含んだ冷めた目で見ていた。
ちなみに『方舟』にいる者達は、現状もっと複雑な事になっているらしい。まぁ、動物→神獣→魔王と変わって、今は『方舟』の上だからな、そりゃあ複雑にもなるだろう。
それに、例えどんなに『神』に近くても、結局は倒すんだけどな。『方舟』に乗ってしまってきる以上、彼らは明確に敵である。
 




