534回目 武道大会、始まる
住人達から様々な大会の申請書が出たその後、アレスと各部族の代表達が話し合い、幾つもの大会の開催を決定した。
☆5『料理神『ルカタルト』のリストランテ』のクールタイムも考慮して数日おきに大会を開き、クールタイムが明けたらその優勝者と選ばれた五人を招待してリストランテを利用する。そういう事になった。
それらが決まった決起集会としてルカタルトのリストランテを利用するあたり、代表達もずいぶんと強かだと思わず感心してしまったよ。まぁ、俺も便乗したけど。
そして、ルカタルト杯・第一回目の大会種目は『武道大会・剣術』が開催された。
場所は『レナスティアの街』にある広場に出した☆5『闘神『ガルネシア』の闘技場』だ。ここならば、俺のフレンドとなっていない者でも街にさえ来ていれば観戦できるので選ばれた。
選手の身内も特別に招待されているので観客席は満員であり、闘技場はかなりの活気に包まれていた。
ちなみに闘技場の操作をしているのは『レティア』である。レティアならば、危なくなったら試合を中断する事も適切にやってくれるだろう。
そして大会ルールは以下の通り。
《武道大会・剣術の取り決め》
・年齢制限15才以上。男女の取り決めはナシ。フレンド認定者のみ参加。
・武器は剣のみ認められるが、双剣や魔法剣なども認める。
・ガチャ装備は☆3までとし、アクセサリーと『クラン機能』によるスキルの付与は認められない。
・明らかな不正や、過度な相手への挑発行為、嫌がらせ行為は一発退場。その判定は『レティア』に依存する。
・ギルドランクA以上は、参加資格ナシ。
このルールで、概ね異論は無かった。ただし、最後の一文に関しては参加できない仲間内から少々文句が出たが、仕方ないと思う。むしろギルドランクBはいいの? と心配になった程だ。ランクBでも十分すぎるほど化物なのに。
満員の観客が声援を送る中、代表者挨拶を行ったアレスの開始の合図でまず予選回が行われた。
ルールはくじ引きで四ブロックに分けられた八名によるバトルロイヤル。最後に残った二人が本選に出られる為、ここだけは誰かと手を組んだ方が勝ち残り易くなっている。
これが中々に面白かった。勝ち残りが二人と言うのが良かったらしく、知っている者と組む者もいれば、知らない者と組む者。
あえて一人で挑む者もいれば、手を組もうと話しかけて来た者をアッサリと打ち取る者と、組んだ相手を背中から刺す者までいた。最後二つに関しては、個人で強い者ほど狙われた訳だが、これもルールの内であり『卑怯とは言うまいね?』といった感じだ。本当に強い奴は返り討ちにしていたし。
そして始まった本選だが、ここで一躍大躍進を見せたのは冒険者パーティー『ノーバスナイト』のリーダーにしてトルテの兄でもあるザッパであった。
ザッパは、俺のクランの中でもかなりの働き者だ。ガチャ食材でバフを掛け、ガチャアイテムを駆使して、仲間と共に様々なダンジョンを踏破している。
その結果、剣士として大きく成長したザッパは強者達をなぎ倒し決勝へと駒を進めた。
決勝の相手は『仮面の騎士』と名乗る、何だかどこかで見たような気がする大柄で仮面を付けた剣士である。
凄く見覚えのある背格好なのだが、いったい彼は『何グレゴ』なのか、審判役のアレスが手で顔を覆って天を仰ぐ中、その正体は謎に包まれている。
そう言えばアレスの父であるアルグレゴは冒険者登録はしてなかった気がするが、それは今は特に関係は無いだろう。実力的に登録したらAランクじゃないの? と疑問も浮かぶが、万が一彼の正体がアルグレゴだったとしても、ルールには抵触していない以上、参加は正当なものなのだ。…………まぁ、ルールは後で見直すが。
そして始まる決勝戦。
ぶつかり合う仮面の騎士とザッパ。パワーとテクニックは仮面の騎士に軍配が上がるが、スピードと柔軟性においてはザッパが優れていた。
ザッパは特に、魔法と剣術の組み合わせが上手かった。目眩ましなどの小技を巧みに使いつつ仮面の騎士を翻弄する。
だが、仮面の騎士もまた強者であるため、目眩ましを物ともせずに突っ込んでいき、その圧倒的なパワーでザッパを追い詰めていった。
その攻防はまさに一進一退であり、その試合を観ていた観客席も大いに湧いたのだが、魔力の少ないザッパが目眩ましの魔法を使えなくなった事で均衡が崩れた。
そして最後は、仮面の騎士の剣がザッパの首に突きつけられて、ザッパは敗けを認めたのだった。
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