531回目 ルカタルトに依頼
☆5『料理神『ルカタルト』のリストランテ』を利用すること十数回。俺はパーティーメンバーと共に、ルカタルトの元を訪れていた。
クランメンバーとフレンドの多くが利用した結果、ルカタルトとの距離も近くなったと思う。何せ利用する度に、仲間達がルカタルトの要望が書かれたメモを持ち帰り、俺はその要望に沿ったガチャアイテムを送ったからな。
もうそろそろ、要望を伝えてもいいと思ったのだ。
◇
『神々も誘った食事会ーー? それを私のリストランテでやりたいのねーー? いいわよーー』
「軽い!? え? いいんですか?」
『もちろんいいわよーー。だって、ここはリストランテですものーー。お客様を迎えるための場所だからねーー』
ルカタルトは意外とアッサリと受け入れてくれた。場所や人数についてもちょうど良い所を用意してくれるらしいし、神々への招待状を送る事についても了承してくれた。
『ガモンちゃん達がーー、これを目的に通っているのはーー、最初から知っていたものーー』
「え? 最初から?」
『ロー…………今はダイスちゃんだったかしらーー? 貴方達が来る前にーー、教えてくれたのよねーー』
「ダイスか。まぁそりゃそうか」
何せ俺、運命神ダイスのアドバイスでここに来ているしな。知っていて当然か。
『あーーでもーー、協力してもいいかなって思ったのはーー、ガモンちゃん達が私のリストランテをいっぱい利用してくれたからよーー? 珍しい物も調理できたしーー、本もいっぱい貰ったしねーー』
「あ、本も役に立ちましたか?」
『もちろんよーー、今は美味しさで服が弾け飛ぶ料理を研究しているわーー』
「…………やめてください!」
いくら美味しくても、食っただけで全裸になるのは嫌だ。現実にそんな事になったらずっと全裸だろうが、気まずいわ!!
『冗談はさておいてーー、私のリストランテを使う事は了承しますねーー。ただし! 一つ条件をつけますーー』
「条件、ですか?」
『はいーー。これからも、時々でいいから私のリストランテを利用して下さいねーー』
「それは…………、はい! もちろんです! 何度だって食べに来ます!!」
ルカタルトの料理は、もうファンがとても多いのだ。今回は基本的に一度ずつの利用だったが、自分で金を払ってでもここに食べに来たいと言っている奴はたくさんいる。
もちろん、俺だってそうだからな!
『それとーー、珍しい食材を見つけた時も利用してほしいわねーー』
「…………ん? は、はい!」
『あとねーー、お酒もいっぱい欲しいのよーー。ワインやウイスキーは樽でもいいわねーー。お店の地下に貯蔵庫もあるからねーー』
「…………ちょ、え?」
『本もいいわねーー。料理の本もそうだけどーー、あの漫画は楽しかったわーー』
「いやあの、多い多い。一つって言ったじゃないですか…………!」
『…………あら?』
俺の言葉にルカタルトは、おっとりと首を傾げ、少し考えてから、『条件を四つにしますねーー』と後出しジャンケンを決めて来た。
ま、まぁ無理な物は無いから、それでも良いけど。珍しい食材に酒に漫画。全部ガチャで何とかなるからな。
『そうそうーー、私はこの身体があるから良いけどーー。他の神は身体を持ってないだろうからーー、食事会が出来るまでに半年はみておいてねーー』
「あ、はい。それはダイスからも聞いてます」
『ダイスちゃんに聞けば出来る時期を教えてくれると思うけどーー、できれば私に聞きにきてねーー。大掛かりなパーティーになりそうだしねーー』
「パーティー…………。いや、間違いでもないのか」
世界中の各国から、かなりの数の参加者が集まりそうだし、確かに規模としてはパーティーだな。神々と一緒にパーティーか。
一応、女神ヴァティーや亜神ハクラテンとの付き合いはあるが、地上に居着いた神とは違うだろう。
…………なんだか、ちょっと怖くなってきた…………。
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