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524回目 楽しむ仲間達

 ☆5の鎧兵器『神威』。あれはかなり自由度が高い物であるらしい。装備するのに規定以上のステータスを要求はするが、装備出来てしまえば、空まで飛べる高性能な人型兵器だ。


 いちおう『鎧』なのにさらに装備を追加できるし、その装備によるステータスのアップやスキルの増加もある。


 それに元となった☆5アイテム『神罰の鎖』まで使えるのだから、☆5の装備の中でも抜きん出た性能だと言える。


 唯一欠点があるとするならば、それも致命的で巨大過ぎる穴があるとするならば、それは『俺』だけが乗れない事である。



「その問題は我聞だけの物だから私達は関係ないわね。あれは凄く扱いやすくて空も飛べるし、欲を言えばもっと数が欲しいくらいだわ」


「なんて贅沢な事を言うんだカーネリア! と言うか、俺が可哀想だろ!?」


「ガモンが、持っているガチャアイテムには私達じゃ使えない物もあるんだからいいじゃない。それよりあの『神威』は、戦闘には使わないのね?」



 カーネリアの視線を追っていくと、今は夕暮れの広い雲海の上で五機の『神威』が様々な動きを披露していた。


 その姿は初期状態からは考えられない程に様々であるのだが、その装備の種類から誰が乗っているのかは一目で解った。


 今『神威』を操縦しているのは、ティアナ・シエラ・アルジャーノン・ヴァティー・ドゥルクの五人である。


 まぁこの中で、ヴァティーとドゥルクは完全に遊んでいるだけだ。時折戻って来ては装備を変えて飛んでいく。その姿はやたらと楽しそうだ。


 そしてアルジャーノンはと言うと、こちらは完全に検証モードだな。どの装備にするのかが一番良いのかを確かめている。


 俺はそれらを眺めながら、先程のカーネリアの質問に答えた。



「そもそも『神威』は☆5『神罰の鎖』を量産するのを目的に造られているからな。やはりその使い道は『方舟』だろ」


 俺もガチャアイテムに出て来るテキストを鵜呑みにして、検証を怠っていたからなぁ。だが、『神罰の鎖』の本来の力は、巻き付いた敵の能力を一つ封じる事である。


 それならば、一番封じなくてはいけない『方舟』の能力とは、次元すらも移動する力だ。これが一番マズイ。次元を移動して逃げられたら、俺達に追うすべはなく、その時点で終わりだからな。


 だから『神威』には『方舟』に専念してもらうつもりだ。


 そして、雲海で飛び回る仲間達の中で、唯一それを解っていたのは、アルジャーノンだった。


 アルジャーノンは『神威』に乗ってから、先を見据えた装備に変えながら検証していた。アルジャーノンが求めている物は、どうやら防御力のようだ。物理攻撃にも魔法攻撃にも強い組み合わせを探しているようだ。


 本番で乗るのは俺達じゃないだろうが、いやだから検証しているのか。



「いやーー、面白いでやすね。あっしも年甲斐もなく童心に返っちまいやしたぜ」


「楽しかったですからね。感覚的には、自分の体が大きく、強くなった上に装備まで付けれるんですから、俺もついつい夢中になってしまいましたよ」



 しばらくの間、床が途切れるギリギリまで行って、雲海を飛び回る『神威』を眺めていたバルタとアレスも俺の元にやって来て椅子に腰を下ろした。


 まったくコイツらは。少しは乗りたくても乗れない俺に気を使えよ。


 と、そんな風に談笑するなかでも、レティアは如才なくバルタやアレスのお茶を準備して提供し、バルタとアレスは軽く礼を言ってそのお茶を飲んで口を湿らせた。



「…………ところで旦那、そろそろせっつかれてやすぜ? 例の神さま達との会食はいつになるのかと」


「ん? …………ああそうだな。もうちょい時間が必要だな。☆5『霊酒の壺』の酒も溜まりきって無いしな。悪いけどもう少し待っててくれ」


「そうですかい。まぁ言われれば待ちやすけどね。なるべく早く頼んますぜ?」


「おう」



 …………バルタにはああ言ったが、実はもう『霊酒の壺』には十分な酒が入っていた。なら何故もう少し待つように言ったのかと言うと、下手したら『霊酒の壺』ごと持っていかれる事を懸念して、少し酒を確保しているからである。


 …………でもまぁそうだな。そろそろいい頃合いかも知れないな。

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