表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
518/607

518回目 進化先は

 仲間達との話し合いの結果、やはり最期は『マイスター・バー』で情報を買うのが良いと落ち着いた。


 いや、それは最初から解っているのだが、闇雲に質問をすると洒落にならない金が掛かるのが『マイスター・バー』だ。運命神『ダイス』が遊びに来ていても、それは変わらない。大金を代償として神の持つ『アカシックレコード』にアクセスするのが、あのスキルの本質だからだ。


 代償がなくては、アクセスが出来ない。時折サービスでくれる情報も、前回などに使わなかった代償を消費しているだけだと、ダイスは語っていた。



「幾つか☆5アイテムをピックアップして、それがクラッシュレアになった時の情報を買うのが一番良いだろうね」


『何故じゃアルジャーノン。素直に『方舟』を留めるアイテムについて聞いた方が早くないか?』


「ヴァティーの言う事も解るけど、それだとそのアイテムが手元に無かった時、そしてその後のガチャでもそのアイテムが出なかった時に後悔が残る。心のトゲは、なるべく無い方がいいよ」


『むぅ、それも一理あるが、ならば先にガチャを回しておくべきではないか? 『禍津勾玉』はまだ残っておるのだろう? ガモンよ』


「確かにあるけどさ、なんて言うか、まず今ある物で対処出来るようにしておきたいんだよな」



 今、俺の手にある『禍津勾玉』は二十三個。全ての魔王を倒した事で『禍津勾玉』が手に入る事はもう無いので、これが最期だ。


 ☆4『禍津像探知機』にも反応が皆無だし、『マイスター・バー』での確認もしているから、国が隠している魔王もいない。


 痛恨だったのは、俺達の手の届かない場所で破壊されてしまった『郷愁の禍津像』があった事だ。俺かフレンド以外が破壊してしまうと『禍津勾玉』が手に入らないため、それと同じ数の☆5アイテムを逃した事になる。


 ちなみに、その逃した正確な数は調べていない。後悔しか生まないしな。きっとそれは、知らない方が良い事だろう。


 ともかく、もう手に入らないとなると、後悔の残る使い方はしたくない。そんな俺が最も恐れるものは何かと言うと、『物欲センサー』である。


 ソシャゲのガチャなんかを回す人ならば、これの恐ろしさは良く知っている筈だ。冗談みたいだが、欲しいと思う物ほど出なくなる。逆にもう手に入った物は大量にダブる。


 これが現実で起きてみろ。憤死するまである。


 だから最期の『魔王討伐ガチャ』は慎重に回したい。アレが欲しいコレが欲しいと考えずに、自然な感じで回したいのだ。



「簡単に言えば、ゲンを担いでいるだけなんだけど、意外と大事なんだよ、こういうのが。だからまず、今ある物で対処出来るようにしておきたい。もっと良い物がでたならば、それはそれだからな」


『なるほど、ゲン担ぎか。それなら解らんでもない。運を引き寄せるのは、そう言った小さな積み重ねであるからな。大事よな』



 …………マジか。女神に肯定されるとは思ってなかったんだけど。ゲン担ぎの重みが一気に増すじゃん。



「それで、どうするのガモン? 『マイスター・バー』で聞くアイテムを、ピックアップするんでしょ?」


「そうだな。俺としてはやっぱり『神罰の鎖』を推したいな。一番可能性が高そうなのはこれだろ。ティアナは何かあるか?」


「そうね、私は…………。うん、『虚言の面具』かな。昔の勇者様に『言霊』っていう『口にした事が真実になる』ってのを信じてる人がいたみたいだからね。もしかしたら、そういうアイテムになるかも知れないもの』


「なるほど、確かにありそうだな」



 その後、仲間達にも聞いてみたが、一番人気はやはり『神罰の鎖』であり、理由も俺が話したものと似通っていた。


 そんな訳で、聞くべきアイテムが決まった俺は、スキル画面から『マイスター・バー』へと移動して、『神罰の鎖』をクラッシュレアにしたら何に変化するのかを聞いてみた。



『『神罰の鎖』をクラッシレアにしたら何に変わるのか、だね? その情報なら白金板一枚だ』



 相変わらず『マイスター・バー』の情報料は高い。だが、おそらくこのくらいは取られるだろうと言う予想の範囲内でもあったので、俺は用意しておいた白金板をスキルに放り込んだ。



『うん、確かに。…………では答えようか。☆5『神罰の鎖』がクラッシュレアになると、☆5『◇神罰の神眼』となる。その能力は対象者にくっつき、規律に違反した場合に『神罰』を下すというものだね』


「そうか、…………全然違ったな」



 まいったな『神罰の鎖』がハズレとなると、次に何を聞いたら良いだろうな?



『お困りかなガモン。何か聞きたい事があれば、質問に答えるよ? もちろん、対価は頂くけどね』


「…………ダイスか」



 画面の中のマスターが、姿はそのままで『運命神ダイス』へと中身が変わっていた。


 なんでこんな時に、とも思ったが、むしろちょうど良いかも知れない。せっかくだ、神の意見を聞いてみよう。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ