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509回目 冒険者も集まる

 俺達と共に『方舟』と戦ってくれるのは、何も各国の騎士だけではない。冒険者などにも、力を貸してくれると言う奴等はいる。


 ただ、冒険者は我欲が強いと言うか、手を貸す代わりに要求される物がデカイのだ。


 いや、冒険者だから金を取る事には何の問題もない。それが白金板だろうとも、本人にそれだけの実力があるならば全く問題ない。


 だが、そんな事を自分から売り込んでくる奴に、実力のある者などいない。だって下卑た笑いで寄って来るんだぞ?


 一例をあげると、それは俺がジョルダン王国の王都にある冒険者ギルドを訪ねた時だ。



「俺を雇いな、俺は顔が広いからよ、大勢集めてやるぜ。そうすりゃ魔王なんざ敵じゃねぇだろ。報酬はあの『天空城』の将軍の椅子だ。集めた奴等は部下にするから、俺を将軍にしな。お前だって、優秀な部下は欲しいだろう?」



 とか言って来る奴がいた。俺はその物言いに呆れ果て、ポカンとしてしまった。


 まず、俺を『レナスティア』の王だと思っている時点で、情報収集能力に難がある。って言うか、王だと思っているならせめて態度に気をつけろ。何上から目線で来てんだナメてんのか。


 当然、そんなふざけた事を言って来る奴とは話にならないので無視をした。ソイツは無視をされた事に腹を立てて文句を言って来ようとしたが、スキルの『真なる威圧』を放ったら、へたり込んで股から流れる汚水で床を汚していたよ。


 流石は☆5『軍神の剣』のスキルだな。…………なんか泡まで吹き始めた時は、大丈夫だよな? 死なないよね? なんてちょっと不安に思ったが、俺が『真なる威圧』を既に切っている事もあって、その名も知らぬ冒険者が泡で呼吸困難になり、顔色が紫色になったあたりで仲間と思われる冒険者が助けていた。


 なので俺はそそくさとその場を離れ、ギルドの職員に取次ぎを頼んで、ギルドマスターである『エルドルデ』の所に向かった。


 決して、現場を目撃していた冒険者達が、俺を見ながらヒソヒソと何かを話し始めたのを気にしての事ではない。変な噂が広まる前に逃げた訳でもない。俺は元から、エルドルデに用があってギルドを尋ねていたのだから。



 ◇



「はぁいガモンちゃん。アタシが来たわよ」



 そう言いながら、迎えにやった飛空艇『アベルカイン』から降りて来たのは、ムキムキの鳥獣人でありジョルダン王国の王都にある冒険者ギルドでギルドマスターをやっている『エルドルデ』だ。


 本人も幾つも異名を持つ冒険者であり、その実力も高い。『華麗なるエルドルデ』『筋肉大車輪エルドルデ』などと呼ばれるのは伊達ではないのだ。


 本来、エルドルデは飛空艇など使わなくても、この『レナスティア』に来る事ができる。


 別に自前の翼で…………とかそう言う話でもなく、単にエルドルデは俺のフレンドなので、『拠点ポータル』を使えば移動は簡単なのだ。


 では何故、わざわざ俺は飛空艇を迎えにまで出したのかと言うと、それは飛空艇に乗って『レナスティア』にやって来た者達の為だ。



「信用できて、腕があって、口も堅い。ガモンちゃんの注文通りの人材よ? 彼らは信用してもいいわ。なにせ、ギルドが『魔王の封印』をせざるを得なくなった時に動かす人材だもの。バッチリよ!」


「へぇ、魔王の封印にまで関わっていたのなら信用できそうですね。あれって機密事項ですもんね」



 当然だが、まだ俺とフレンドになっていない彼らは『レナスティア』に降りられない。なので、俺の方から『アベルカイン』に乗り込んで、彼らとの顔合わせを行った。


 飛空艇の中にいたのは十九人の冒険者達だ。


 五人組のパーティーが一組、四人組のパーティーが三組、二人組のパーティーが一つで、計十九人だ。その全てがAAランクパーティーと言う、一流の冒険者だ。


 五人組パーティー『エレメントアッシュ』。暴走した『上位精霊』を討伐した事でAAランクになった冒険者パーティーで、この名前はAAランクになった時に改名したと言う、割と外聞を気にしているパーティーだ。外聞を気にしているだけあって一番名の知れた、有名なパーティーでもある。全員が男で、剣士・戦士・魔法使い・治癒師・斥候の、バランスが取れたパーティーでもある。


 四人組パーティー『クリフグリーフ』。こちらはモグラ獣人のみで構成されており、鉱山や洞窟系のダンジョンのみを専門としているパーティーだ。地下での戦いにおいては他の追随を許さない実力のあるパーティーである。


 四人組パーティー『イデアルアルク』。こちらは全員が弓使いの異色パーティー。中・遠距離でしか戦わないが、その矢の命中率は高く、ワイバーンすらも容易く撃ち抜く強弓が有名なパーティーだ。


 四人組パーティー『ヴァーミリオン』。真っ赤な鎧に身を包んだ、戦場では最も目立つパーティー。得意とするのは対人戦で、真っ赤な鎧は返り血を目立たないようにする為だと噂される。リーダーである剣士が使う炎の魔法剣も、見どころの一つ。


 二人組パーティー『オッドアイ』。実の兄妹である二人組のパーティー。兄が魔法戦士で妹が武術を使う治癒師だ。たった二人でAAランクになったのは、スタンピードに彼らが住んでいた街が襲われた時に、他の誰よりも活躍してランクアップしたらしい。


 …………と、これらのパーティーが、エルドルデの交渉の末に『方舟』との戦いに協力してくれる冒険者達である。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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