508回目 騎士達の一日
資金を調整すると共にある程度の物資を揃えつつ、俺は仲間と共に修行も行っていた。
主な修行はダンジョン攻略だ。ダンジョンの攻略は経験を積むにもダンジョン産のアイテムを手に入れるにも良い場所だ。
正直、ダンジョン産のアイテムにガチャアイテムを越える物は無いが、『ダンジョン・コア』を破壊して得られるアイテムだけは別である。ガチャアイテムに負けない程のブッ壊れ性能を持つアイテムは少なくないのだ。…………まぁ使い方を誤ると、とんでもない落とし穴があったりするんだけども。
俺達以外にも、パーティー単位でダンジョンへ行っている奴等は多いが、各国からの騎士達はクラン『G・マイスター』に登録後、初めてパーティーを組み、初めてガチャ装備を身につけ、ガチャ食材によるバフがけとクラン機能によるスキル付けなど盛り沢山の内容を詰め込まれるので、まずは『軍務の浮島』のダンジョンにある『修練の階層』での訓練から始まっている。
今までの自分の実力から一気に数段階アップしているため、最初は必ず戸惑うとは経験者であるアルグレゴ小隊の隊員達の言葉である。
「この上☆4装備とか過剰ですので、まずは☆3の装備から慣らしていきます」
とか言って、アルグレゴ小隊が中心となって訓練に勤しんでいる。アルグレゴ小隊には、ガチャ装備の熟練度上げでかなり世話になっている。特に副官のイージドには、熟練度の効率的な上げ方を解明して貰った事で、熟練度上げがかなり楽になったのだ。
俺は聞いてはいなかったが、彼らはその熟練度上げの時に、自分の元の実力とガチャ装備によって上がったステータスと付与されたスキルで、かなり混乱した時期があったらしい。
ガチャ装備は強力だからな。そういう事もあるだろう。
アルグレゴ小隊はそういった経験を踏まえて、徐々に慣らしていく感じで各国の騎士達を鍛えていった。
騎士達は一日は、まず早朝に軽いランニングの後に瞑想し、ガチャ食材を使った朝食を食べてからダンジョンへと向かう。
食事などの世話については、レプラコーンを数名雇っている。彼らは家事が得意だからな。ちなみに昼食は弁当を渡してあるので、それで済ませる事になっている。
そして、アルグレゴ小隊の指導を受けながら、ダンジョンの中で訓練をし、昼食を食べてから、バフが重ねがけになったのを利用して、さらに訓練をする。
日が傾き始めた頃になったらダンジョンを出て、浮島には必ずある図書館に移動。
本来ならその図書館は、浮島のダンジョンで入手できる素材や、その利用方法について調べる為の場所なのだが、そこで本を読むのではなく、そこから転移盤を使って『天空城』の大図書館へと移動するのだ。
かれらはそこで、自らの上げたいステータスに対応した本を読み、ステータスの底上げをして、訓練は終了となる。
後はそれぞれ『レナスティアの街』に繰り出して、食事と酒を楽しんだり、自分達の暮らす寮に戻って、自分で食事を作って食べてゆっくり休んだりと、夜は自由に過ごしている。
…………まあ正直、問題もあった。
ガチャ装備の性能と、ガチャ書籍と言うステータスを底上げする本は、各国から見ればとても魅力的に見えたらしく、盗もうとする奴等が出たのだ。
だが、管理をしているのは『レティア』である。例え全員の目を盗んでマジックバッグに入れたとしても、『レティア』にはバレバレだ。
悲しい事だがしょうがないので、盗んだ奴は捕まえて装備や本を取り返してからフレンドを解除して強制送還した。それに国が関わっていた場合は、厳重注意の上でその国から『レナスティア』にいける人数に制限が掛かる事になる。
と言うか、何で盗むかな? ガチャ装備やガチャ書籍が欲しいなら、普通に相談してくれれば交渉には応じるのに。ガチャ装備はフレンドしか装備出来ないけど、実際にテルゲン王国やジョルダン王国には『貸し出し』と言う形でだけど売ってるからな。
当初は、この盗む国ってのが何ヵ所か出た。だが、その度に送り込んだ騎士が強制送還され、フレンドの数が減っていくと、割りに合わない事に気がついたらしく、すぐに盗む国は無くなった。
でも、俺達のその国に対する信頼度は大きく落ちたと言っておこう。まぁ盗みなんかされたらな、当然だろう。
…………と、そんな問題はあったが、各国の騎士の育成は概ね順調だろう。このまま訓練していけば、いずれはひとつのパーティーで魔王を倒せる位にはなれるだろう。
別に残った彼らが悪い訳ではないのだが、彼らには俺達への失った信頼を埋めるためにも、頑張って貰いたいものである。
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