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492回目 我聞の腹案

『アルモノダト!? 貴様ハ神ノ力ヲ使ッテナイトデモ言ウノカ!!』


「使ってるに決まってるだろ!! こちとら普通の人間で普通に会社勤めのサラリーマンだったんだぞ!? ただのサラリーマンに世界が救えるか!? 使える物は使うさ!! 俺が言いたいのは、神々が万能ならそもそも『方舟』を事故らせたりはしないし、俺達みたいな勇者を連れて来る必要も無いって事だ!!」



 色々考えたのだが、神々の力の限界点は結構低い。いや、と言うよりも出来る範囲が限定され過ぎている、と言うべきだろう。


 それはおそらく魔法の系統のような物だ。火系の魔法をいくら突き詰めても、どれだけ極めたとしても、物を凍らせる事は出来ないし、闇を作り出す事も出来ない。それと近い事が、神々にも言えるのだと思う。


 だからこそ『○○の神』と名乗る。あれは司る力の事でもあり、それ以外には力が及ばない証でもあるのだ。


 そして次元の壁を越えて、世界への干渉も出来ないってのも神々の限界点の一つだ。間に何かしらクッション的な物を挟まなくては録に干渉出来ない。


 例えばそれは人々のスキルだったり、こことは別の異世界の人間だったりするのだ。


 それに多分、神々は『方舟』によってこの世界が壊れ掛けている事に気づくのも遅かったのだと思う。まぁ、神という存在が、この世界だけを見ているとは思えないから、当然だとも思うがな。


 言葉を交わしながらも、俺達の戦いは続いている。激しく打ち合っては離れるを繰り返しながら、俺達は言い合いをしていた。



「与えられた物、使える物は何でも使うさ! 必要なら神々にも働いて貰おうと俺は考えているからな! 俺がやろうとしている事は、かなり大掛かりになりそうなんでな!!」


『ヤハリカ! ヤハリ貴様! コノ世界ヲ創リ変エルツモリダナ!?』


「……………………へぇ、わかるのか?」


「「…………!!??」」



 アレス達も、大魔王・ナラクに攻撃を加え、また攻撃を捌いたり防ぎながら、言い合いを聞いていた。そして、大魔王・ナラクが口にした『世界を創り変える』という言葉を俺が肯定した事で、驚愕の表情を浮かべた。



『貴様ノ船、『アベルカイン』トカイッタカ。アノ形状ハ飛空艇『ルフィナス』ダロウ!?』


「…………なるほど、あのゲームをやってるヤツだったか。なら、気づかれてもおかしくは無い! な!!」



 大魔王・ナラクの上段からの一撃を避けて『龍騎士の神装』のスキルで飛ぶ、そこに『ヘルメスの靴』によるスキルも発動して真横や斜めに飛びながら背後を取って一撃加えた!



『グゥッ!? …………アノ世界ヲ創ロウトデモ言ウノカ!? イヤ、アノ世界ニ変エルツモリナノダナ!! ソンナコトガ可能ダト本気デ思ッテイルノカ!!』



 俺が攻撃を当てた大魔王・ナラクの背中にあるひび割れから大量の炎が吹き出し、怯んだところで大魔王・ナラクは身体を回転させた。


 それが何を意味するのかと、一瞬考えてしまった俺の隙に、さっきまでは無かった筈のナラクの尻尾が襲い掛かって来た!



「うぉっ!? …………ああ、多分出来るさ。…………と言うよりも! それしか思いつかなかった!!」



 俺は『龍神の槍』に光の龍を纏わせ、体ごと回転する横斬りで、大魔王・ナラクの尻尾を迎え撃った!



 ◇



 ☆5『天空『レナスティア』』の島の上で、宇宙から落ちて来る『方舟』を受け止めて戦う。


 この当初の作戦は、幻獣を一体相手にした戦いの時に、不可能だと解った。幻獣のサイズから比較して、『レナスティア』では小さいと、受け止める事は出来ても、戦っている間に魔王や幻獣に逃げられる可能性も高いし、溢れた瘴気によって大地や海が汚染される可能性も高かったのだ。


 当然、そんな危険がある場所で『方舟』となんて戦える筈もなく、『レナスティア』での戦いは断念せざるをえなかった。


 となれば、『じゃあどこでなら戦えるの?』と言う話になる。


 今ならば、この西の大陸が最有力候補だろう。大きさとしては東の大陸の三分の一程度だが、広さは十分あるし、奈落の大量虐殺のせいで多くの人が亡くなり、唯一の大帝国はすでに滅んでいる。


 問題は、全ての人が殺された訳ではなく、大陸の端に行けば行く程に生き残った村や町はまだあるだろう、と言う事だ。


 さらに平坦な陸地であるために、魔王や幻獣に逃げられるリスクはやはり有る。幻獣が海に出る事は、本当に避けなくてはいけない。海の汚染は海洋資源の汚染であり、人類の今後を考えるのなら、一番避けなくてはいけない所だ。


 そんな事を長々と、悶々と考えて考えて考えて考えて……………………。


 そんなある日、俺は懐かしい夢を見た。それは俺が子供の頃の夢で、夢の中の俺は叔父さんの家で従兄の持っていたちょい昔のゲーム機を遊んでいる。


 そんな、とても懐かしくて平和な夢だった。

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