466回目 『レナスティア』本格始動
☆5『◇天空城『レナスティア』』にある四つの浮島。『海湖の浮島』『鉱山の浮島』『森と遺跡の浮島』『軍事の浮島』に、居住者がついた。
まず『海湖の浮島』にマーメイドが。『鉱山の浮島』にドワーフが、『森と遺跡の浮島』にはエルフとレプラコーンが、『軍事の浮島』には邪眼族がそれぞれ定住している。
エルフとレプラコーン達の引っ越しも全て終わっており、エルフについては年寄りと若者が、レプラコーンの方は一族全員が移住して来た。『レナスティア』本島にも世界樹達がワチャワチャしており、全体で見ればかなりの大所帯になった訳だ。
「エルフ、ドワーフ、レプラコーンの三種族が揃ったおかげで、☆5『技巧神の大工房』がフル稼働で使えるようになったよ。材料さえあるなら、☆4のガチャ装備は熟練度がほぼMAXの状態で作れるよ。☆3なら、逆にMAX以外の物が作れない程に、品質は最高水準だね」
「エルフの魔法薬や魔道具、ドワーフの鍛冶、レプラコーンの服飾技術、どれを取っても儂はおろかアルジャーノンですら追い付けておらん。やはり本職には勝てんのぅ。これはもう、☆5『技巧神の大工房』については、あの者達に任せた方が良かろう」
まさかアルジャーノンとドゥルクにそんな事を言われるとは思って無かった。この二人が舌を巻くとは、どれ程の技術力なのか。
ともかく、アルジャーノンとドゥルクは☆5『技巧神の大工房』でのメインの作業を三種族に任せる事にしたようだ。
☆4の装備を作るのに必要な素材も、四つの浮島にあるそれぞれのダンジョンから取れる物で、かなり賄えてしまっている。
水にまつわる『海湖の浮島』のダンジョンは、入口こそ小さな島の洞窟ではあるが、中に入ると水に潜る事が多く、マーメイド族に任せてしまうのが最善だが、その他の浮島にあるダンジョンでは、邪眼族達が活躍している。
邪眼族は数が多く強者も多いため、全てのダンジョンにおいて数チームに別れて継続的に潜る事ができる。
おかげで素材も潤沢で、作られる装備も多くなってきた。『方舟』との決戦に向けた準備が着々と進んでいた。
本島の街においても、各国と繋いだ『リミテッドゲート』を通っての観光事業が始まっている。
各国から来た者達は、ここぞとばかりに大量に買い物をしていってくれるので、とてもありがたい。買い物で使われた金の一部が、俺の懐に入ってくるからな。ガチャを回す金が稼げるのは、凄く良い事だ。
…………それにしても、良い流れが作れているな。
本島に人を呼んで買い物をさせる。→売上から手に入った金でガチャを回し、☆4アイテムの種類を増やす。→浮島にある四種のダンジョンを攻略し、素材を手に入れる。→☆5『技巧神の大工房』で☆4アイテムを作成する。
この流れで☆4アイテムの充実が凄いよね。これならば地上の国々から戦力を集めて、☆4装備を身につけさせる事すら可能だ。それが出来るならば、『方舟』との戦いもグッと楽になる筈だ。
◇
☆5『◇天空城『レナスティア』』が本格的に始動した事で、この『レナスティア』自体が、一つの国として認識され始めた。
まあ城もあるし広い土地もあるし、様々な種族が多く暮らす上に『リミテッドゲート』を使って城下町限定で人数も制限しているとは言え、フレンドでもない他国の人間を招いて商売もしている。
普通に自給自足で生活ができる施設もそろっているし、国として見るなら、かなり生活しやすい国ではあると思う。
これならば、普通に『王』を名乗っても良いのだろうが、…………と言うか、すでに俺を『レナスティア』の王として捉えている国もあるらしいが、俺は王様なんてやる気がない。
「まあでも、この☆5『◇天空城『レナスティア』』が、俺のガチャアイテムである事実は変わらない。そこでウチは、半君主制…………というか、半共和制を取りたいと思います」
「「…………半共和制?」」
要は『君臨すれども統治せず』だ。俺がトップだと思われるのは仕方ないかも知れないが、王様なんてやらない。そんなに暇でもない。
だが国として扱われるなら、代表者が居ないとナメられる。足元を簡単に掬われかねない。だから、国同士の掛け合いにも耐えられる人材を前に出すのだ。
ここがガチャアイテムの上である事は変わらないが、この『レナスティア』の中での政治と、他国との外交については、人間・エルフ・ドワーフ・レプラコーン・マーメイド・邪眼族からそれぞれの代表者を集めて決定して貰おう、と言う事である。
対外的にも半共和制で通して、出来るなら俺が煩わされ無いようにしてもらいたい。
そんな訳で、『レナスティア』は多数の種族が代表者として立つ多国籍国家として認識される様にもっていく。
国として扱われる流れは俺としては不本意であるのだが、しょうがないと言う気持ちもあった。正直、目立ち過ぎるくらいに目立つからな、『レナスティア』は。
ちなみに人間として代表に立ったのは、俺ではなくてアレスである。アレスは元はと言えば王族でもあるし頭も切れる。代表者の一人として、きっと上手くやってくれるだろう。
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