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46回目 到着! タミナルの街

「見えてきやしたぜ旦那! あれがタミナルの街でさぁ!!」


「おおーーっ! とうとう着いたのか!!」



 早朝に出発した宿場町から続く街道で、通行人や馬車などとすれ違う事が多くなって来た頃。俺達は旅の終着点にして、これから俺が暮らす街。その名も『タミナルの街』に、ついに到着した。


 馬車の窓から顔を出して街を見てみる。と、高い城壁に囲まれた街と、その壁の向こう側には突き出している屋根やら塔やらが少しだけ見えた。


 テレビでしか見た事のないその光景に、俺のテンションが高まっていく。



「壁に囲まれているんだな…………。これまで通った町は壁とか無かったから、てっきり壁は無いのかと思ってた」


「壁があるかどうかは、街の規模と周囲のモンスターによるからね。壁があった方がモンスターによる被害は防げるけど、壁は維持費も掛かるし、それなら強いモンスターが出ない所に町を作った方がいいんだ」


「ここは要所でやすからね、街を作らない訳にはいかなかったんでさぁ。それに近くには危険な場所もあるんで、壁は必須でやすよ」


「まあ周囲はともかく、タミナルの街は比較的安全で治安もいいから、きっとガモンもすぐに慣れるよ。数日したら僕達は帰るけど、ガモンの事はカラーズカ侯爵家と深い繋がりのある商会に頼んでいくから、安心していいよ」


「そっか。何から何までありがとうな」


「いいさ。友人としてってのもあるけど、カラーズカ侯爵家としてもガモンとの繋がりは切りたくないからね。何かあったら頼ってくれていい。『フレンド・チャット』もあるから、いつでもね」


「ああ。ティムとバルタからも、チャット繋いでくれよ。雑談とか喜んで付き合うから」


「わかった。ガモンもね」


「お二人とも気が早いですぜ。この街でやる事はまだまだあるんですから、涙の別れは最後にとっときやしょう」


「いや泣いてねーよ」



 街道を進みタミナルの街に近づくにつれて、その大きさと共に道に出来ている行列に気がついた。人数はそれほどでも無いようだが、馬車や荷馬車に荷車があるので、けっこう長い行列になっている。


 もしかして、街に入る為の列なのか? と、俺は辟易としたのだが、バルタはそれらを気にする事なく行列の横を抜けていった。行列に並ぶ人達も通り過ぎる際にコチラを見るが、馬車に描かれている紋章に目を止めると、フィッと目を逸らした。



「並ばなくていいのか?」


「ああ、この馬車はカラーズカ侯爵家の紋章入りだから行列に並ぶ必要はないんだよ。この街では、カラーズカ侯爵家の影響力は結構大きいからね」


「大きな商会に出資してるんだっけ? そう言えば何ていう商会なんだ?」


「言ってなかったっけ? 『タカーゲ商会』だよ。日用品から薬から衣類から、何でもやっている豪商さ」



 俺達は街の門をほぼ顔パスで通り抜けた。俺については何か聞かれたりするかと身構えていたのだが、それもなく平然と抜けられてしまった。


 警備としては甘いようだが、カラーズカ侯爵家の馬車に乗っているだけで、俺の身元保証はカラーズカ侯爵家がしているものと見なされたらしい。


 この街において、カラーズカ侯爵家がいかに影響力を持っているのか、見せつけられた形だ。


 そして街の門を抜け、馬車はこれから俺が暮らす街となる『タミナルの街』へと入った。



「おおおおおっ! きれいな街じゃないか!!」



 タミナルの街は、石畳で舗装された広い道と、大きな三角屋根の高い建物が建ち並ぶカラフルでお洒落な街並みをしていた。建物は四階建てや五階建てが多いが、三角屋根の部分は屋根裏だろうか? 日本ではあまり見ない形の家が並んでいる。


 この辺りにある建物の壁には、金属製で彫刻のような看板が突き出していて面白い。丸い円の中にベッドとランプの彫刻は宿屋だろうか? その隣には小さな樽に取っ手がついた物を持つ手の彫刻だが…………? わかった酒場だ! あの小さな樽から液体のような物が溢れているし、あれは酒を入れたジョッキだろう。小さな樽のジョッキか、後で絶対に行こう。



「あれは…………何だ? 篭に入った…………何だろアレ? なぁティム、あれってなんの店だ?」


「ガモン。看板だけじゃなくて店も見てみなよ」


「え? …………あ、ああ。花屋だったのか。篭に入った花だったのか、あの看板…………」


「正確には花飾りを作る店だけどね。ポプリとかも買える店だよ」


「花飾り…………へぇ」


「そんなに珍しいでやすか? あの手の看板なら、ちょいと大きな街ならよく見やすぜ。それこそ、テルゲン王国の王都にだってありやしたぜ?」


「あーー…………。いや、王都はすぐに出たし、それどころじゃ無かったからな…………」



 いきなり異世界に召喚されて、訳もわからず殺されそうになって脱出だもんな。王城どころか王都の街並みも覚えてないよ、見てないもの。



「まあ、観光ならこれから幾らでも出来るさ。バルタ、まずは冒険者ギルドに向かってくれ」


「おや、先にギルドですかい?」


「ああ。旅の中で得た素材の売却と、オークキングとシャドウウルフの事は報告しないといけないからね。それに、ガモンの身分証も必要になる」



 身分証については、既に二人と話し合って冒険者ギルドへの登録でまとまっている。俺としても異論はない。剣と魔法、それにモンスターがいる異世界とくれば、やはり冒険者ギルドだからな。


 そう、この世界での俺の職業は『冒険者』になります。…………まあ、暫定で、だけどな。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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