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414回目 ティアナの指輪

 ☆5『加護の指輪(ティアナ専用装備)』

 ・《運命神の加護》運命の道として決まってしまっている物に関して、その内容を装備者にとって有利な方向へと動かす加護。動かせる物は因果関係がしっかりしている物に限られる。

 ・《慈母神の加護》装備者と装備者が愛する者に対して、病や怪我からの回復を早めてくれる加護。魔法によって受ける回復力も強化する。

 ・《薬神の加護》装備者が手にした薬の効果を強化する加護。装備者が手を触れただけで『ポーション』は『ハイポーション』となり、毒消しなどには回復効果が付与される。

 ・《慈愛の祈り》神々に祈る事で、パーティーやクランなどの関わりのある人々を、少しだけ回復する。弱い状態異常も回復させる事が出来る。

 ※スキル所持者との強い絆を確認。及び、スキル所持者の強い要望により☆5『加護の指輪』は『ティアナ専用装備』となりました。



 …………うん。神様の加護を三つも貰えるブッ壊れ性能なのは知ってた。しかもこれ、書いてないけど加護によってステータスも強化されているんだよ。メチャクチャ良いアクセサリー装備なんだよ、コレ。


 しかも何か、俺の知らない項目が増えているな。専用装備なんて初めて見たけど? いや、むしろそれで良いんだけど、そんな事になるとは思ってなかった。やっぱりプロポーズに使ったからだろうか? 俺が持ってる間はこんなの無かったし。


 ティアナの父であるレクターから娘との婚約を打診されたのがきっかけになり、俺はティアナと結婚しようと心に決めた。俺だってティアナの事は好きだし、良い感じの関係になれているとも思っていた。


 そこで、婚約をするならプロポーズは外せないと色々と準備をした。レクターからの話がきっかけだとしても、プロポーズは必要だからな。これはやはり、俺からティアナに申し込むべきだと考えたのだ。


 ティアナに渡す婚約指輪についても頭を悩ませた。テルゲン王国は貴族の贅沢が極まった街なので、貴族用の服飾関係の店も多い。そこに行けば指輪くらい買えるだろうが、俺がティアナにプロポーズする為の指輪としては、物足りないと感じた。俺が用意出来る最高の物は、やはりガチャアイテムになるからな。


 そこで俺は、『サリアナイト』の三人が貴族女性との交渉の末に入手した『禍津像』を砕いた『禍津勾玉』を使って手に入れた、数々の☆5アイテムを思い出した。


 結構な数の☆5アイテムが手に入ったのだが、その中に『加護の指輪』があったのだ。


 銀色のリングに、紫色の小さな宝石とその両脇に薄い緑と濃い緑の小さな宝石が三つ並んで埋め込まれ、その宝石を中心として異なる紋様が彫られた指輪だ。割りとシンプルなのも、婚約指輪として相応しいと思った。


 この世界の貴族の結婚では、婚約指輪を『婚約式』の前に贈り、女性はそれを結婚式まで嵌めている事で結婚の返事とし、そのままその指輪が結婚指輪になるらしい。ちなみに男は無しである。一夫多妻の貴族とかがいる関係で、そうなのかも知れない。


 しかし、良いタイミングで『加護の指輪』が手に入ったものだ。デザインも良いよな。ずっと身に付けている事を考えたなら、シンプルなデザインのヤツで良かったと思う。



「…………ふふっ」


「指輪、気に入ったか?」


「うん! ありがとう、ガモン!」



 桜のある丘にシートを敷いて座る俺の横で、ティアナは寝転びながら、指輪を嵌めた左手を空に向けたり桜に向けたりして、何度も見ている。



「そう言えば、この世界でも婚姻の指輪をするのは左手の薬指なんだな。俺の世界でも…………いや、俺の国でもそうだった。他の国は違うかも知れないけど」


「これね、元々は小指だったらしいよ? 勇者様の国が薬指だったから、それを真似している内に薬指が主流になったんだって」



 そんな事を言いながら、ティアナはコロコロと転がって俺の膝を枕にして見上げてきた。今度は指輪の背景に俺の顔を選んだらしい。


 指輪を眺めながらニコニコして、俺と目が合って更に笑顔になるティアナ。…………俺の婚約者、可愛い過ぎませんかね?



「ねぇガモン、婚約式の日取りってまだ決めて無いよね?」


「ん? ああ、まだだよ。だって準備が色々といるんだろ? レクター殿が各国から人を呼びたいから少し待ってくれとも言っていたしな。人を迎えに行く時は『飛空艇』を出してくれと言われたよ」


「私とガモンの婚約を、大々的に広めたいんだろうね。最近、お見合いの話が凄く増えていたから、それを無くしたいんだと思う」



 まぁ、ティアナと結婚できれば次の代でテルゲン王国が手に入ると考える奴は多いだろうからな。国同士の繋がりにも毎回お見合いの話が出ていたらしいから、レクターとしては辟易しているんだろう。


 いくらレクターが次代に王は引き継がせないと明言したとしても、結婚さえしてしまえばコッチの物だと考える奴は多いだろうし。


 …………あれ? それって、そいつらの恨みを俺が一身に背負う事になるのでは?


 ふと、そんな嫌な予感を覚えたが、俺の膝を枕にして飽きもせずに指輪を嬉しそうに眺めるティアナを見ていると、どうでも良くなる。


 もし、国の力でも使って俺からティアナを奪おうとする奴が現れたなら、俺の持てる全ての力を使って蹴散らせばいいのだ。そう決めた。

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