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400回目 レナスティアの『世界樹』

 何かを悩む時、隣に誰かが居てくれるのは凄く助かる。心が軽くなるのもそうだし、二人で話していると、凝り固まった思考が解れていく気もするからだ。


 例えば、『方舟』を『レナスティア』で受け止めてドゥルクの造る異世界に隔離する、なんて案を俺が出した時なんか、ティアナは「うーーん。次元を移動する船なんだから、出て来ちゃうんじゃない?」とバッサリ斬ってくれた。うん、ホントだね。それはムリだね。


 となるとだ、別の方法が必要になるのだが…………。まぁ、ガチャだよね。実は『美容グッズで貴族女性を釣る』と言うサリアナイトの三人の策が上手くハマっていて、結構な数の『郷愁の禍津像』が集まっているのだ。


 女性の美に対する追求は『沼』だ。それも底がなく、どこまでも広がっていく沼である。本気でのめり込んでいる女性は、それこそ何でもやるだろう。


 今回の件で、自分の美を更に追求出来ると知った貴族の女性達は、自らが望むモノを手にする為に様々なコネや伝手をフル活用して、『郷愁の禍津像』を集めに集めたのだ。


 ちょっと伝え聞いただけでも、国の有力貴族である旦那さん達の頑張りが凄かった。『郷愁の禍津像』を持つ商人の家に何人もの貴族が押し掛けて、店先で突然オークションが始まった所もあったとか。


 そんなこんなで、全部合わせると二十個を越えるくらいの『禍津勾玉』が手に入る事になっている。いや凄いね、貴族の奥様方は。俺の想定以上の成果だよ。



「『サリアナイト』の三人も頑張っているのね。サナは、お父様と面会した事もあるみたいよ? 前に誉めていたから」


「貴族社会に飛び込んで、やっていけているのは凄いよな。俺は無理だなぁ…………」


「大丈夫。ガモンが貴族になる時は、私が支えるから!」



 俺が無理だと溜め息をつくと、ティアナが顔を寄せて支えると言って来た。いや、凄く可愛いから離れてほしい。俺の免疫力では動悸が起きてしまう。



「そ、そうか。ま、まぁその時はお願いするよ」



 一つの国の下に俺が付くとか、俺でも問題が起きるのは解るから無いだろうけどな。命令されて☆5『◇天空城『レナスティア』』を動かすのも嫌だし。



「ああ、そうだ! それよりちょっと出掛けないか? と言っても、『レナスティア』の上なんだけど」


「どこに行くの?」


「『レナスティア』の浮島の一つだよ。アルジャーノンからチャットが来たんだけど、何でもアルジャーノンが『世界樹魔法』とか言う物を使った時に、この『レナスティア』の浮島から反応があったんだってさ。反応があったのは『森と遺跡の島』だ。もしかしたらそこに『世界樹』があるんじゃないかって。…………どうした?」



 俺がそう説明をしていると、ティアナが少し青い顔をしていた。しかも若干震えている。



「せ、『世界樹』って、ガモンは『世界樹』を知っているの?」


「名前くらいは? 俺の世界じゃ空想の産物だったけど、世界で一番大きいとか、世界で一番神聖だとか、そういう樹だろ?」


「ま、間違ってはいないけど…………。『世界樹』って言うのは、とんでもなく貴重な素材の塊で、決して傷つける事が出来ない樹なんだよ? それを管理できるのはエルフだけって話で、エルフが中々素材を出してくれないから、『世界樹』を原料とするポーションやアイテムはとても高額なの。…………それが、『レナスティア』にあるの?」


「…………アルジャーノンによればそうだな。あ、そうだ! レティア!」


『はい。何でしょう?』



 俺が呼ぶと、スッと現れるレティア。相変わらずルービックキューブみたいな見た目だけど、凄く有能である。



「『森と遺跡の島』に、『世界樹』があるって聞いたんだけど?」


『はい、あります』



 アッサリ。こっちが拍子抜けするくらいに、レティアは貴重な筈の『世界樹』があるとアッサリ認めた。



「…………えっと? なんか、管理が難しいとか、エルフしか管理出来ないってのは?」


『それは違います。『世界樹』は世界と繋がっている浄化装置で、意思を持っています。世界樹を大切に扱わない者が世話をすると元気が無くなりますが、『世界樹』を愛する者が世話をすると元気になります。おそらくはその事を言っているのだと思いますが、種族は些細な問題ですね。ですが確かに、森の精霊族であるエルフは『世界樹』の世話には向いていますね』


「ふぅん? ウチの『世界樹』って、素材は取れるの?」


『今は無理ですね。まだ『世界樹の若木』ですので。しかし育てたならば、素材も取れるようになるでしょう』



 若木だったのか。いやちょっと待て。『世界樹』を育てるって、それハチャメチャに時間が掛かるヤツじゃないのか?



「…………素材が取れるようになるまで、どのくらい時間が掛かるんだよ?」


『通常ならば万年単位ですね』


「はいムリーー。無理でーーす」


『ですがこの『レナスティア』の『世界樹』はあくまでも☆5『◇天空城『レナスティア』』の設備です。どれ程『世界樹』を育てるかは、マスター次第ですね』


「…………具体的には?」


『一日につきランダムで一つの素材を得られる程度の成長でしたら、設備も含めてガチャポイントで『一億ポイント』ですね』



 いちお…………!? え、今ガチャポイントで一億ポイントって言った!? バカじゃん! どんだけアイテム売らないといけないと思ってんだよ!!

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モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

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