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399回目 足りないモノ

 今回の『幻獣』との戦いで解った足りないモノ。


 その一、シンプルに戦力。


 なんとか倒しはしたものの、今の戦力でも幻獣一体にあれだけ翻弄されるとは正直考えていなかった。


 幻獣相手にタイマンを張るのはまず無理。人数を揃えて戦った上で、その戦闘において☆5アイテムをいくつ使ったか。せめて☆5『時神の懐中時計』くらいは温存したまま勝ち切りたかった。


 時間を止めた上で☆5『神罰の鎖』を使わなければ、本気で逃げ出した幻獣は止める事が出来なかった。一時的に足止めをしたアレスですら、☆5『聖騎士の神装』を装備しているのである。


 足りない、装備も人手もまるで足りない。


 例えば、幻獣一体に対して本物の数百人規模の軍隊を用意出来るなら、装備は☆4で済むだろうか? ☆4までなら作れるのだ。とても☆5の装備やアイテムを、広く配れるとは思えないからな。


 しかしそうなると、今度は装備の数と熟練度が問題になる。


 …………いや待てよ? 確かアルジャーノンとドゥルクが試しに作った☆3の装備は、熟練度が最初から一定量溜まっていたな。


 確かアルジャーノンが作った物が52で、ドゥルクが作った物で27だったか。ドゥルクが、「儂が、まだまだ未熟とはのぅ」と言って嬉しそうに笑っていたのが、印象に残っている。


 戦力的にガチャ装備は必須だ。そうなるとやはり、エルフやドワーフを仲間に加える必要があるな。


 その二、場所。


 今回の戦いで、☆5『◇天空城『レナスティア』』では、『方舟』との戦闘場所として狭い事が解った。


 例えば幻獣やら魔王やらが、方舟を背にして纏まって戦ってくれるなら戦える。それなら『レナスティア』の上でも十分に戦えるかも知れない。


 でもそんな、コチラに都合よく布陣してくれるか? …………無いね。俺は『方舟』を中心に放射状に散らばると思う。


 そうなったら『レナスティア』から一匹も逃がさないなんて事は不可能だと思う。何せ空を飛んだ訳でもないブレイドロックドラゴンですら短い時間にかなりの距離を移動したのだ。


 多分、『時神の懐中時計』と『神罰の鎖』を組み合わせて使ってなかったら、『レナスティア』の外まで逃げられていたと思う。


 今『レナスティア』では、瘴気に汚染された場所を『仙酒』を使って浄化している。だがそれでも、あまりに深く汚染された場所は、完全に回復するまで数年は掛かるそうだ。


 これが地上や海だったらと考えると、ゾッとする。


 しかしだ。そうなるとどこで戦うかが問題になる。『レナスティア』よりも大きな場所など地上にはいくらでもあるが、人も動物も住む場所だ。もっと言えば国だ。


 そんな所に、「ちょっとお宅の国を決戦場所として使っていい?」なんて聞いてみろ。絶対に戦争になる。


 日本でだって、廃棄物を捨てる場所でかなり揉めていたからな。この世界の中でとなると、本当に戦争になるだろう。もしくは立場の弱い国に押し付ける。



「うぅーーん」


「ずいぶんと考えこんでいるね、ガモン。悩みごとなら、聞きましょうか?」



 部屋に籠るのもアレなので、リビングに来て考え事をしていた俺の所に、コーヒーが入ったマグカップを持ってティアナがやって来た。そしてソファーの真ん中に座っていた俺を体で横に押して、俺の隣に座った。


 一応、テーブルを囲むようにソファーは並んでいたので、別のソファーでも良かったと思うのだが、もっと言えば他のソファーには誰も座っていなかったのだが、ティアナは俺の隣に座りたかったらしい。


 そう考えると、なんかちょっとテレくさくなったので、俺は熱いコーヒーを少し飲んで、一息ついた。



「それで? ガモンは何を悩んでいたの?」


「え? …………ああ、『方舟』と戦う場所をどうしようかってさ、悩んでた。だって基本的に、瘴気を振り撒くような奴らと戦っていい場所なんてないもんな。汚染されたままだと死の大地になっちゃうし」


「そうね。あらかじめ『仙酒』を振り撒いておいた『レナスティア』であんな事になっていたものね。それに、結局『仙酒』を使ってない所にまで逃げられちゃって、そこはもっと酷い事になっていたものね」



 ティアナの言う通りなんだよな。かといって、戦う場所に『桃源の酒泉』を設置するのは論外だ。絶対に破壊される。


 これまでの感じからして、☆5とクラッシュレアは、この世に一つの物じゃないかと俺は考えている。多分だけど、『魔王討伐ガチャ』を最大限回したとしても、☆5の装備やアイテムがダブる事は無いんじゃないだろうか? そんな気がしているのだ。


 唯一無二の物を、破壊されると解っている所に置くなんて、賭けで出来る事じゃない。もちろん、それで方舟との戦いが終わるならそうするけどな。


 それで言うなら、俺の中に一つの策はあった。上手くいく策なのかは解らないけど、『方舟』をこの『レナスティア』で受け止めて、瞬時にドゥルクの造る異世界や、ダンジョンの中に隔離してしまう。と言う方法だ。


 まぁこの方法だと、上手くいったとしても俺達も閉じ込められるし、『レナスティア』はほぼ確実に沈められると思うけどな。


 ……………………うん、他の方法を考えよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] 男装やめてからちょっとした行動が可愛いですね こういうのかなり好きです
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