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397回目 幻獣戦・致命の一撃

 ☆5『機動鎧『トライフォース』』の熟練度が、今回の戦いの中でカンストした。


 それによって使える様になったスキルは二つ。《トライフォース・キャノン》と《機動武装・トライフォース》。


 始めの《トライフォース・キャノン》は、『ホーク』『レオ』『ドルフィン』の三つの機動武装と『フォース・トライデント』を一つに合体させた強力な武器だ。


 そして《機動武装・トライフォース》は、もう想像ついているだろうが、三つの機動武装を全て身に付ける事ができるトライフォースの最終形態である。



『当然、使うさ!!』



 スキル《機動武装・トライフォース》を発動すると、赤・黄・青の三色の魔方陣から『ホーク』『レオ』『ドルフィン』がそれぞれ飛び出し、俺の側でバラバラに分解される。


 そして、頭部から肩と背中にかけては『ホーク』、胸部から両腕には『レオ』、両脚には『ドルフィン』が装備され、それぞれの残ったパーツは『フォース・トライデント』に装着された。


 ☆5『機動鎧『トライフォース』』の最強形態。この全身に漲る力を一点に集中させたなら、幻獣『ブレイドロックドラゴン』をも貫けるだろう。


 幻獣を貫く為に準備をしていたのは、何も俺だけではない。ティアナも、アレスも、カーネリアも一撃のもとに幻獣を貫く準備を整えた。


 もうすぐ日も落ちるだろう。次の攻撃で、決める!!



『ギィシャァァーーーーッ!!』


「下がりなせぇ!!」



 自分に巻き付いた『神罰の鎖』を何とか解こうと、ブレイドロックドラゴンは絶えず暴れている。一連の事で学習したのか、自分を縛っている元凶がシエラだとも解っているようで、執拗にシエラを攻撃している。


 しかしそれも、バルタが間にいては達成するのは不可能だ。


 俺達もそれが解っているから、余裕を持って力を溜める事が出来た。



『準備はいいな? ただ一点を貫くぞ!』


「私の方は、準備できてる」


「俺も大丈夫です」


「さぁ、方をつけましょ!」



 ティアナ・アレス・カーネリアの三人から返って来た返事に頷き、俺はバルタの名を呼んだ!



『三秒だバルタ! 頼んだぞ!!』


「ええ、任してくだせぇ!!」


『三!』



 等間隔に広がった俺達が武器を構え空を見る。



『二!』



 狙う場所は空の一点。等間隔に広がった俺達の攻撃が集中する場所である。今そこには、シエラが浮かべた緑色に光る玉が浮いている。それが目印だ。


 そして、再び襲って来たブレイドロックドラゴンを前にして、バルタが左手に☆5『時神の懐中時計』を持った。



『一! 『フォース・インパクト』!!』


「『氷華爛貫』!!」


「『白夜雷轟』!!」


「『クリムゾン・グレイブ』!!」



 四つの攻撃が空に向かって放たれる。俺達の攻撃が交差する場所にはまだ目印の光しかないが、攻撃が交差する瞬間、そこには幻獣『ブレイドロックドラゴン』の姿があった。


 それは当然、バルタがやった事である。☆5『時神の懐中時計』を使い、時間を止めた上で俺達の攻撃が当たるようにブレイドロックドラゴンを打ち上げたのだ。


 バルタの上げたタイミングは絶妙で、ブレイドロックドラゴンはただ致命の攻撃をその身に受けるしかなかった。


 唐突に突き刺さる攻撃に、ブレイドロックドラゴンは何も抵抗が出来ず、その断末魔の悲鳴すら、俺達の攻撃による轟音の中に掻き消された。



『――――――――ッ!!??』



 そして巻き起こる大爆発の中で、幻獣『ブレイドロックドラゴン』は完全に燃え尽きて、その全ては塵となり風の中に消えていった。



『……………………終わった』



 気がつけば、ボロボロなのは俺達だけでなく、この☆5『◇天空城『レナスティア』』も、かなりの広範囲に渡って瘴気に汚染されてしまっていた。


 ☆5『桃源の酒泉』があるとは言え、この被害は簡単には消えないだろう。美しかった草原が、見るも無惨な汚染された沼地になってしまっているからな。


 広範囲に広がる瘴気による汚染、そして何よりも幻獣の強さ。


 たった一体の幻獣に、世界は滅ぼされる所だった。緊急クエストが起きたと言う事実が、それを物語っている。



「……………………ふぅーーっ。参ったな…………」



 ☆5『機動鎧『トライフォース』』を解除して、俺は盛大にため息をついた。


 俺の中にある思いは、きっと幻獣と戦った全員が抱えている。


 …………足りない。何もかも足りない。


 幻獣一体でこのザマだ。魔王だけでなく、その幻獣すらも数体は抱えている方舟を相手にするには、俺達の戦力が足りな過ぎる。


 それに場所もだ。☆5『◇天空城『レナスティア』』の上で『方舟』と、それに連なる全てと戦うつもりだったが、()()()()()()


 まさか北海道よりデカイ面積で足りないとは思わなかった。ここでは多分、いや確実に、瘴気が溢れる。魔王や幻獣も地上に逃げるだろう。


 全てを一から考え直さないといけない。戦力も、場所も、対策も、俺が持つ手札では不足しまくっている。



「はぁーーーーっ! あーーあーー!! まずは後だ後! おいレティア! 宴会の準備だ! まず今は酒飲んで忘れる!! 取り敢えずこの勝利を喜ぼう!!」



 俺の言葉に、俺と同じ思いを抱えていた仲間達が、苦笑しつつ頷いた。

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