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392回目 幻獣戦・魔力を奪う戦い

 幻獣は、その膨大な魔力によっての回復力が高い。受けた傷も、魔法によるダメージも、部位の欠損すらその魔力を使って回復してしまう。


 幻獣は体内に魔力を生み出す器官を持っているが、それと同時に周囲の魔力を吸収する器官も持っている。その二つの器官を全て潰さない限り、幻獣は回復し続けてしまう。


 宇宙で幻獣を倒せない大きな理由がこれだ。濃い密度の魔力で溢れている宇宙では、どう頑張ってもこの二つの器官を潰せない。宇宙での幻獣は、常に魔力のプールに浸かっている状態だ。一つを破壊したとしても、一秒を待たずに回復してしまう。


 さらにその膨大な魔力は単純に幻獣を強化している為、そもそもの破壊が難しいと言う側面もある。


 だから幻獣を倒すなら宇宙から引きずり下ろさなくてはならないのだ。魔力の濃度が低い地上ならば、幻獣の回復力にも限界がある。


 ただし、周囲の魔力を吸収され過ぎると俺達まで魔法が使えなくなるので、真っ先に潰すのは『魔力を吸収する器官』である。



「見つけたぞ! 背中じゃ!! ブレイドロックドラゴンの背中に二ヵ所、尻尾の付け根に一ヵ所、魔力を吸収しておる器官がある!!」


「よし! バルタ!!」


「任せてくだせぇ!!」



 周囲の魔力の流れを探っていたドゥルクが、ブレイドロックドラゴンの『魔力吸収器官』を発見し、バルタが走った。


 そしてスリングショットで撃ち出すのはガチャから出てきたアイテムである☆3『ペイント弾』だ。


 これは地球では強盗何かにマーキングする為のヤツで、蛍光色のハデな色と独特の匂いがある物である。匂いは警察犬が追跡する為の物だろうか? 何にせよ、目印に付けるには最適だろう。


 背中側に回ろうとするバルタをブレイドロックドラゴンが警戒し、尻尾を振って鱗を飛ばしている。大剣のような鱗はかなりのスピードで飛んでいるが、それでもバルタを捉えるには至らない。鱗が発射されると、バルタはグンッとスピードを上げて躱してしまうのだ。あの避け方は、スピード特化のバルタじゃないと出来ないヤツだ。


 バルタが何をするつもりなのか理解している訳ではないだろうが、ブレイドロックドラゴンはバルタを脅威だと捉えたらしく、バルタに背を向けない様に動こうとする。


 だが、戦っているのは何もバルタだけではない。アレス達やカーネリア達もバルタを援護するように攻撃を始め、シエラもブレイドロックドラゴンの拘束を強めようと『神罰の鎖』に魔力を込め、鎖の太さを大きくした。


 無論のこと、俺もただ見てはいない。『機動鎧『トライフォース』』の機動武装を『ドルフィン』に変えて、氷の槍をブレイドロックドラゴンの脚に放つ。


 全員で攻撃すれば、いかに幻獣と言えどもダメージはある為、その動きが鈍くなり、バルタはブレイドロックドラゴンの背中と尻尾の付け根にある『魔力吸収器官』を発見し、それをマーキングした。そしてついでとばかりに、武器をナイフに持ち替えて、尻尾の付け根にある『魔力吸収器官』をズタズタに切り裂いた!



『ギャオォォーーーーッ!?』


「あっしが引き付けやすんで! 今の内に攻撃してくだせぇ!!」



 尻尾の付け根をズタズタにされた事で、ブレイドロックドラゴンの尻尾の動きが止まり、よほど頭に来たのか、ブレイドロックドラゴンはアレス達の攻撃もお構い無しにバルタへと襲い掛かった。


 口から吐く瘴気に鱗を擦り合わせた火花で火をつけて、擬似的なドラゴンブレスまで吐いている。


 しかもその火がブレイドロックドラゴンの周囲に広がる瘴気にまで火をつけた為、辺りは一瞬にして火の海だ。


 しかし、挑発するように跳ね回りながら逃げるバルタを追うブレイドロックドラゴンは、恰好の的だ。アレスとカーネリアが一瞬顔を見合わせて頷き合い、ブレイドロックドラゴンの背を前にしてアレスは左側に、カーネリアは右側に照準を合わせた。


 そしてアレスはマジックバッグから出した槍、いや確かアレは☆3『貫く矛』を手に取り、☆4『白雷獣の剣』からの稲妻を纏わせて空へと飛び上がった!


 一方のカーネリアは、自身の頭上に螺旋状の巨大な炎の槍を出し、それを高速で回転させ始める。高速回転する炎の槍は、どんどん細くなり、やがては白く輝き始めた。炎ではない、純粋な魔力の塊にでもなった様だ。



「「はあぁぁっ!!!!」」



 そして、二人の手から同時に放たれた攻撃は、とんでもない速度でブレイドロックドラゴンの背中にある、色の付いた『魔力吸収器官』へと突き刺さった!!


 アレスの放った矛はブレイドロックドラゴンの『魔力吸収器官』から体の中へと深く突き刺さり、カーネリアの放った魔力の槍は、『魔力吸収器官』へと突き刺さった直後に爆発を起こした!



『ギィャオロロローーーーン!!??』



 背中に突き刺さった尋常じゃない攻撃に、ブレイドロックドラゴンはその場でのたうち回る。そして直後には再び瘴気を周囲に吹き出して大爆発を起こした。


 先程の爆発よりも破壊の規模が大きい為、仲間達は距離を取らざるをえない。だが、爆炎の中から出て来たブレイドロックドラゴンは、傷つけられた身体をそのままに出て来た。


 魔力を吸収する事が出来なかった為、回復力が著しく下がったのだ。


 破壊された『魔力吸収器官』も、その内には回復するだろうが、その前にブレイドロックドラゴンの体内にあるであろう『魔力精製器官』を潰してしまえば、回復力は更に落ちる筈だ。


 …………体内にあるのを破壊できれば、だな。その前に倒せるなら、それが一番良いだろう。

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