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388回目 ☆5『縁結びの五色糸』

 時間を止めてまで頭の中を整理した俺がまず最初にやったのは、情報集めだ。必要なのは『瘴気の中でも戦える方法』と『瘴気に侵された場所を元に戻す方法』だ。


 存在するだけで瘴気を撒き散らす『幻獣』と戦うなら、この二つは必須だ。いざとなったら天空城を犠牲にする覚悟はあるにはあるが、積極的に失いたい訳ではない。本音を言えば、絶対に失いたくない。


 そして、それらの情報をどうやって得るかと言えば、答えは一つだろう。『マイスター・バー』で情報を買う、だ。



「…………その二つを解決できるガチャアイテムの情報を買いたい」


『呆れる程に大変な状況のようだな。だが不幸中の幸いか、その二つならば、一つのアイテムで解決できるね』


「本当か!?」


『もちろんだ。…………白金板六枚になるよ』



 白金板六枚、つまり日本円で6億か。払える金額で済んで良かった。この情報が本当に役立つかどうかは運次第なんだけど、これが無いと始まらないからな。


 俺はスキル画面に白金板を六枚投げ込んで話の続きを待った。



『白金板六枚、確かに。…………アイテムの名前は☆5『桃源の酒泉』。このアイテムから湧き出る『仙酒』なら、一口飲むだけで半日は瘴気から護ってくれるだろう。瘴気に侵された場所を清めるのにも十分な力を発揮する。今回のケースなら、これが一番効率が良いだろうね。ちなみに☆4のアクセサリーで瘴気を防ぐ物もあるよ、これはお客さんも三つ程持っているようだ』


「え、マジで?」


『☆4『邪気払いの御札』がそうだね。ただ、一定量までの瘴気にしか耐えられないから、戦闘中に破壊される可能性は高い』



 ダメじゃん。いや、普段なら使えるんだろうけど幻獣との戦いでは使えないやつだ。


 しかしだ。取り敢えず欲しい情報は得た。


 …………いや、もう一つ聞いてみるか。



「幻獣との戦いについての情報は幾らだ? 倒し方とかが解るなら助かる」


『…………お客さんが居なくなるとコチラも暇になるからね、サービスで教えよう』



 言ってみるもんだ! ラッキーな事に、マスターは幻獣の情報をサービスしてくれた。


 その内容とは。


 ・幻獣は魔力による回復力が高く、魔力がある限り再生する。

 ・幻獣には魔力を生み出す器官と、魔力を吸収する器官がある。幻獣を倒すにはこの器官を全て潰す必要がある。

 ・幻獣が周囲の魔力を吸収しきると、その場所では一時的に魔法が使えなくなる。



『注意するべきはこの三点だ。武運を祈っているよ』


「ああ。本当に助かったよ。ありがとう」



 スキル画面を閉じて、俺はレティアを呼び幻獣と戦う上での注意点を伝えた。


 クランメンバーは既にこの天空城に集っているので、レティアから全員に注意点を伝えて貰い、作戦会議をしていて貰う。


 俺は一人で自室に籠っているが、サボっている訳ではない。俺の役目は『瘴気を何とかする』事だからな。



「…………俺の予想が正しければ、多分いける筈だ」



 何としても、☆5『桃源の酒泉』を手に入れる。その為に必要なアイテムは、既に俺が持っている。


 それは、☆5『縁結びの五色糸』だ。


 この、人であれ神であれモンスターであれ物であれ、その全てと縁を結ぶ事が出来るアイテムならば、もしかしたらガチャアイテムとの縁も取り持ってくれるかも知れない。


 ちょっと反則…………と言うか裏技っぽいが、使えるなら使うべきだ。



「…………で、これがその『縁結びの五色糸』か」



 スキル倉庫から出してみた『縁結びの五色糸』は、赤・青・黄・白・黒の五色の糸が使われた、パッと見でミサンガのような代物だった。


 色違いの五色の糸が編んで纏められており、輪になって結ばされた後に飾りとしてか丸く作られた玉から五本流されている。


 この五色の糸には意味があり、それぞれ『愛情(白)』『友情(青)』『尊敬(黄)』『嫉妬(赤)』『怨嗟(黒)』となっている。この糸が、俺と俺が望むモノの間に縁を繋いでくれるのだ。使用者が使えるのは、一本につき一度のみ。何が選ばれるかは使用者の心掛け次第。


 俺はこれを使って、☆5『桃源の酒泉』との間に縁を繋ぐ。そしてガチャを回すのだ。上手くいけば、『桃源の酒泉』が出て来てくれる筈だ。


 ただ、もしも『怨嗟』が選ばれた場合、一生出て来ないなんて事も有り得ると思う。それを考えると、結構ヤバイ賭けにもなるな。…………さすがに無いと信じよう。


 俺が願うのは『尊敬(黄)』だ。瘴気を完全に防いでくれる☆5『桃源の酒泉』! 本当にその力が必要だ! この想いは、尊敬に値する筈!!



「…………頼む!!」



 両手で☆5『縁結びの五色糸』を握りしめ、☆5『桃源の酒泉』との縁を願う! すると俺の手の中の五色糸がモゾモゾと動き、手の隙間から黄色い糸が一本出て来て、俺の左手首に巻き付いた!


 黄色い糸は『尊敬』の糸! そして今、俺は自分の中で俺と☆5『桃源の酒泉』の間に縁が結ばれたのを確かに感じた!!



「今だ! 『魔王討伐ガチャ』!!」



 俺は即座にガチャを起動し、☆5が確定で出て来る『魔王討伐ガチャ』を回した! 魔王『ウズシオトカゲ』の『禍津勾玉』、使わないで取って置いて良かった。


 そして、ガチャから出てきたアイテムを見て、俺は拳を振り上げた!



「よっしゃーーっ!!」



 そこには確かに、☆5『桃源の酒泉』の表示があったのだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 方舟を「縁結びの五色糸」、黒で繋いでヘイトをこっちに向けるってのは作戦的にも誤爆を防ぐためにも良いかもしれない 残りは、地球、ティアナ、異世界と縁結びしとけば、行き来が自由になるね
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