表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
382/607

382回目 『フォース・トライデント』

いつの間にか、この物語を書き始めて一年が経過していました。一年ってアッと言う間に過ぎるんですね。

『来い! 『フォース・トライデント』!!』



 俺が呼ぶと、『トライフォース』の手の上に小さな魔方陣が浮かび、そこを起点として稲妻が走り、その稲妻が形になったかの様に『フォース・トライデント』が出現した。


 濃紺の柄に白い稲妻が走っており、穂先は槍としては大きく、柄からストレートに伸びた刃と、柄の先から左右に伸びた刃の三つが先端で合流していた。


 三本の刃が完全にくっついている訳では無いので、これは確かにトライデントではある。


 そして刃の真ん中には赤い鳥の紋様があり、左右の刃にもそれぞれ黄色い獅子と、青いイルカの紋様が刻まれていた。



『…………綺麗な武器だな。それに解るぞ、これは強い!!』


『…………グォロ?』



 俺は『フォース・トライデント』を十全に使うべく☆5『神罰の鎖』をスキル倉庫にしまい、ロックジャイアントを解放すると共に俺も動ける様にした。



『機動武装、『ホーク』!』



 俺が武装をスピード重視のホークに変えると共に、自由の身となったロックジャイアントもまた、体の形を少し変えて、大きく膨らんだ両手を地面につける変則的な四足歩行へと以降した。


 真正面からのぶつかり合い、それはロックジャイアントもまた望む所であるようだ。



『やる気は十分ってか、なら行くぞ!!』


『グロロウッ!!』



 俺がホークの翼を広げて空へ飛び立つと、ロックジャイアントは大きく膨れた右拳を俺に突き出した。俺が上昇するのに合わせて右拳も上がっていく。


 何のつもりかと見ていると、その拳が更に大きくふくらみ、そこから石の礫が射出された!



『そんな事も出来るのかよ!?』



 ロックジャイアントの拳から射出された礫はスピードもあり、かつ放射状に広がって俺の逃げ道を塞ぐ。


 だが、新しい事が出来るようになったのは俺も同じだ。俺はフォース・トライデントの鳥の紋章が入った真ん中の刃に魔力を込める。


 すると鳥の紋章と共に刃全体が赤く輝きながら大きくなり、槍自身が飛翔し始めた。それに引っ張られるようにして俺のスピードが上がり、飛来する礫の攻撃範囲から一瞬で飛び抜ける。



『はっはーーっ! そんな攻撃じゃ俺は捉えられないぞ!!』


『グルルルルッ!!』



 これが『フォース・トライデント』の能力だ! まあ俺も知ったのはさっきだけど。


 この『フォース・トライデント』は、装備している機動武装に関係なく、三つの武装の力を一部使う事が出来る『トライフォース』の専用武器だ。


 まず真ん中の『ホーク』の刃が擬似的な『飛翔』と『鋭さ』を、『レオ』の刃は『剛力』と『破壊力』を、『ドルフィン』の刃が『攻撃魔法』と『回復魔法』をそれぞれ使える。


 俺は今『ホーク』の力を使って加速して、ロックジャイアントの礫を避けた訳だ。



『グロロロローーーーッ!!』


『うおおおっ!?』



 ロックジャイアントの礫攻撃はもう楽勝だと思っていたのだが、それが相手にも伝わったのかロックジャイアントは全身から礫を一斉に射出して来た。しかも時間差で撃ってくる厭らしさに、『ホーク』では避けきれないと判断して『フォース・トライデント』の『ドルフィン』を起動する。


 その瞬間イルカの紋章が青く輝き、それが掘られた刃が数段大きくなった。そして『フォース・トライデント』の全面に巨大な魔方陣が現れ、魔方陣から飛び出た水を含む竜巻が、俺に迫る礫を全て一掃した!


 だが、ロックジャイアントもそれくらいは想定内だったらしく、先程までよりも更に膨らんだ右手を俺に向けて、今度はなんと、その膨らんだ右手を丸ごと射出して来た!



『何となく解ってたぜ! それはぁっ!!』



 巨大な岩が迫る中で、俺の手にある『フォース・トライデント』は既に黄色く光る獅子の紋章の刃が大きく輝いていた。



『うぉらぁっ!!』



 振り下ろす獅子の刃が岩に触れると、岩に三本の爪痕が深く刻まれ、大岩が爆散する!


 そしてその中を、『フォース・トライデント』を突き出した『トライフォース』が突き進んでいく。



『貫けぇぇーーーーー!!』



 瓦礫の中を穿つ『フォース・トライデント』は鳥の紋章が赤く輝き、大きく伸びた刃は鋭さを増して俺もろともに一本の赤い槍となってロックジャイアントに肉薄し、ガードの為に上げられた左手とその奥にある巨大な体躯をまとめて貫いた!!



『グ…………ゴ…………グロローーーーム!!??』



 胸に空けられた大穴から体全体にヒビが走り、ロックジャイアントの岩の鎧は爆散して、その本体だと思われる赤茶色の体毛を持った、モグラのような生物もまた、体の左胸部分が抉られており、完全に絶命していた。



『…………っはぁぁーーっ! 倒したぁーー! しんどーーーーっ!!』



 そして俺は、巨大な敵を倒した達成感と調子に乗ってウッカリ殺される所だったと言う事実がごちゃ混ぜになった疲労感に、その場で仰向けになって倒れたのだった。


 あーー、マジ疲れた。

面白い。応援したい。など思われましたら、下の☆☆☆☆☆から評価をお願い致します。


モチベーションが上がれば、続ける力になります! よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ